PC デコ
場所 北西部辺り(X50Y130)の小さな町チヌタナ
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「チヌタナクア」
大陸の北西に位置する離島郡の一つにある小さな町
山吹鮪と呼ばれる黒い魚体の背中に黄金色のラインが走る巨大鮪の漁を主産業とする。
山吹鮪の群れの先頭を泳ぐ白金の魚体を見た者は幸福を約束されるという眉唾の伝説
そして伝説から生まれた白金鮪タナクアを奉る町でもある。
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「ったく、俺を便利屋位にしか思ってないのかね、くそったれ・・・」
白髪の多少混じった無精髭をボリボリと掻きながらタナクア(土着の現地神)
に対し毒づき遥か水平線をにらみつける。
桟橋に座り込んで船を待つ彼の名はデコ-バルディッシュ
司祭位を持つタナクアに仕える神官である。
司祭位を持つことが不思議なほどに不精な見た目。
猛禽類を思わせるような鋭い眼光と歯に衣着せぬ言動は聖職者を名乗るには全く持って似つかわしくない
そんな彼がその地位に居るのは単に「神託」を得る事が出来るためだ。
もっとも、小さな町の小さな小さな神殿の司祭でしかないのだが・・・
4年に一度彼に下される神託に従い彼はこの町を発つ。
山吹鮪は4年で成体と言える2M付近まで育ち新たな群れを形成し旅立ち
それに合わせたかのように神託を受けた4人の司祭達は、毎年旅立つ。
「毎度の事とは言え、世話焼きな神だ・・・人間の事は人間に任せればいいんだ。」
苦虫を噛み潰したように目をきつく瞑る。
島を取り囲むように寒流が流れ氷の上位精霊が住むと言われる永久氷窟存在するチヌタナは
1年の半分を雪と氷に覆われ大きな産業が育たない。
そして氷に覆われた大地はその大地に眠る鉱石を採取する事を許さない。
ゆえに漁業が発展し、タナクアの導きにより生きる糧を得ることが出来るのだ。
タナクアの導き無しではこの町に住む者に幸は少なく貧しい暮らしが待つだけ。
なのに彼がなぜ自分の仕える神に対し不遜な態度を取るのかは彼にしか分からない事件があり
そしてタナクアがなぜこの不遜な男を見捨てないのか、
それもタナクアだけが知る彼の本質と資質。
「デコ様、支度が整いました・・・道中お気をつけて・・・」
手漕ぎのボートを桟橋に付けると見習い神官が恭しい挨拶をする。
遠目に見える帆船に乗り込む時間が来たらしい。
「んっ、留守は頼んだ、すまんが今回は帰るまでかなりかかりそうだ」
ボートに乗り込みながら神官に向かって一言告げる。
「何かまた御神託でもあったのでございますか?」
心配そうな視線をデコに投げかけ問う。
「ただの勘だ、神託の行き先も曖昧な表現だったからな、何か意味があるんだろう。」
今までの神託は、そう、町に必要な何かを司祭に伝えるいわば「お使い」のようなものだった。
が、今回は違う。
-------この大海、この大地、この大空、お前の望む「何か」を持ち帰るが良い-------
デコはタナクアに託された言葉を脳裏に刻み込み反芻すると「行って来る」とチヌタナの大地に向かって呟いた。
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場所 北西部辺り(X50Y130)の小さな町チヌタナ
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「チヌタナクア」
大陸の北西に位置する離島郡の一つにある小さな町
山吹鮪と呼ばれる黒い魚体の背中に黄金色のラインが走る巨大鮪の漁を主産業とする。
山吹鮪の群れの先頭を泳ぐ白金の魚体を見た者は幸福を約束されるという眉唾の伝説
そして伝説から生まれた白金鮪タナクアを奉る町でもある。
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「ったく、俺を便利屋位にしか思ってないのかね、くそったれ・・・」
白髪の多少混じった無精髭をボリボリと掻きながらタナクア(土着の現地神)
に対し毒づき遥か水平線をにらみつける。
桟橋に座り込んで船を待つ彼の名はデコ-バルディッシュ
司祭位を持つタナクアに仕える神官である。
司祭位を持つことが不思議なほどに不精な見た目。
猛禽類を思わせるような鋭い眼光と歯に衣着せぬ言動は聖職者を名乗るには全く持って似つかわしくない
そんな彼がその地位に居るのは単に「神託」を得る事が出来るためだ。
もっとも、小さな町の小さな小さな神殿の司祭でしかないのだが・・・
4年に一度彼に下される神託に従い彼はこの町を発つ。
山吹鮪は4年で成体と言える2M付近まで育ち新たな群れを形成し旅立ち
それに合わせたかのように神託を受けた4人の司祭達は、毎年旅立つ。
「毎度の事とは言え、世話焼きな神だ・・・人間の事は人間に任せればいいんだ。」
苦虫を噛み潰したように目をきつく瞑る。
島を取り囲むように寒流が流れ氷の上位精霊が住むと言われる永久氷窟存在するチヌタナは
1年の半分を雪と氷に覆われ大きな産業が育たない。
そして氷に覆われた大地はその大地に眠る鉱石を採取する事を許さない。
ゆえに漁業が発展し、タナクアの導きにより生きる糧を得ることが出来るのだ。
タナクアの導き無しではこの町に住む者に幸は少なく貧しい暮らしが待つだけ。
なのに彼がなぜ自分の仕える神に対し不遜な態度を取るのかは彼にしか分からない事件があり
そしてタナクアがなぜこの不遜な男を見捨てないのか、
それもタナクアだけが知る彼の本質と資質。
「デコ様、支度が整いました・・・道中お気をつけて・・・」
手漕ぎのボートを桟橋に付けると見習い神官が恭しい挨拶をする。
遠目に見える帆船に乗り込む時間が来たらしい。
「んっ、留守は頼んだ、すまんが今回は帰るまでかなりかかりそうだ」
ボートに乗り込みながら神官に向かって一言告げる。
「何かまた御神託でもあったのでございますか?」
心配そうな視線をデコに投げかけ問う。
「ただの勘だ、神託の行き先も曖昧な表現だったからな、何か意味があるんだろう。」
今までの神託は、そう、町に必要な何かを司祭に伝えるいわば「お使い」のようなものだった。
が、今回は違う。
-------この大海、この大地、この大空、お前の望む「何か」を持ち帰るが良い-------
デコはタナクアに託された言葉を脳裏に刻み込み反芻すると「行って来る」とチヌタナの大地に向かって呟いた。
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