PC:アロエ オーシン
場所:イノス北西墓地地下→地上
NPC:マルチ 悪魔の森(目玉ちゃん)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「おぉぉしんが……言っていたぁ……はぁあ……時間、を…稼ぐぅうから、こ
こぉか、ら……逃げろぉぉお……ってぇ……」
「んなっ!?」
アロエの目が、思いきり見開かれた。
「馬鹿かっ、そんなことできるわけねぇだろっ!」
アロエは『悪魔の森』を怒鳴りつけた。
「オーシン見捨てて逃げられるわけねぇだろがっ!!」
その時、『悪魔の森』の口は確かに、にやり、と歪んだ。
「お前たちはぁあああ……、逃げるぅぅうううう…」
そう言うなり、『悪魔の森』は、アロエのマルチの体にすばやく蔓を巻きつ
けた。
「んなっ!」
二人が抵抗する暇も無く、蔓はするすると二人の体全体に絡みつくと、ふわ
っとその体を持ち上げた。持ち上げたまま、二人をどこかに運んでいく。
「うわっ、てんめぇ、何するんだぁっ!」
蔓を振り切ろうとじたばたともがくアロエとは反対に、マルチは大人しく
『悪魔の森』に捕まっている。
「アロエ、あんまり暴れない方がいいんじゃねぇ?きっとコイツ、オーシンの
命令通り、このまま俺たちを逃がすつもりなんだよ。このままいけばあっさり
脱出できるぜ」
「マルチっ、お前はオーシンを見捨てても平気なのかよっ!」
「はーん、なら言うけどさぁ」
メガネの奥で、マルチの目がきらりと光った。
「あの場にお前が居て、あの状況をどうにかできた訳?ただ足手まといになっ
ただけじゃねぇの?オーシンが逃がしてくれなかったら、お前、確実にアイツ
に殺されてたぜ」
「だけどっ、逃げるなんてよぉ!」
「ならアイツに殺されてもよかったのかよ!」
いきなりマルチは大声でアロエを怒鳴りつけた。その迫力に、アロエは次の
言葉が出なくなる。
「だ…って…」
「だってもクソもねぇ!」
ぴしゃりとマルチは言う。
「いいか、お前があの場で死んだら、誰があの本を持ってカヤとかいう奴を救
うんだよ!お前が死んだら、オーシンは、俺は、どうすればいいんだ?そうい
う頭悪いヤツ、見てて腹立つんだよ、この馬鹿!」
そう容赦なくアロエを罵倒するマルチの目に、うっすら涙が浮かんでいるこ
とにアロエは気づいた。
「マルチ…、お前…」
その時アロエは気づいた。
マルチは口こそ悪いがアイツはアイツなりに自分のことを心配してくれてい
たのだと。
しかしそんなマルチの気持ちもわからず、自分のことしか考えず、残された
ものの気持ちを無視して、自分は無茶しようとしていた…。
アロエはぐっと唇を噛み締めた。
「ご…めん…。マルチ…、おれ…」
自分の行動に無責任だったよ…。そう言おうとしたその時、いきなり悪魔の
森は蔓を上に伸ばし、アロエとマルチを天井に押し上げた。
押し上げた先には、換気用のダクトのフタがある。
悪魔の森はそのフタをひょい、とはずすと、ぽいっとダクトに二人を放り込
み、ずずずずっと二人の背中を押していく。
「うわわわわわっ!」
ダクトの中を通って、どんどん二人は地上まで運ばれていく。
あっという間に地上まで二人を押し上げると、悪魔の森は、ぽいっと二人を
地面に投げ捨てた。
もちろん、二人はしたたかお尻を地面に打ちつけることとなる。
「いってぇ!何だよ、いきなり投げ捨てやがって!」
アロエが悪魔の森にくってかかる。
しかし悪魔の森は、なにやらとても嬉しそうに、ぐねんぐねんと動いてい
る。
「オーシンのぉぉ…約束…叶えたぁ…あああ!!今度…オデの…番んん…」
「うげ、コイツ一人称<オデ>だって」と言うマルチを尻目に、アロエは悪
魔の森に尋ねる。
「約束?オマエ、オーシンと何か約束したのか?」
「んん…、そう…、オーシン言ったぁああ、アロエはたぶん逃げようとしない
ぃぃ…、だから…逃がしてほしい…ってぇぇ…」
「それで?オマエはそれ聞いてすぐに<はい>って言ったのか?」
マルチが聞くと、悪魔の森はぶるんぶるんと目玉を横に振った。
「オデはぁああ…、マスターにぃぃ、造られたぁぁああ…。オデ、マスターの
為に働くものぉおおお…。だけどぉ…、オーシン言ったぁあああ…!!」
そこで、悪魔の森は嬉しそうにぐねんぐねんと体をくねらせた。
「逃がしてくれたらぁああ…、<結婚>してくれるってぇぇ…」
「何ぃいいいっ!!」
アロエとマルチは同時に叫んだ―。
場所:イノス北西墓地地下→地上
NPC:マルチ 悪魔の森(目玉ちゃん)
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「おぉぉしんが……言っていたぁ……はぁあ……時間、を…稼ぐぅうから、こ
こぉか、ら……逃げろぉぉお……ってぇ……」
「んなっ!?」
アロエの目が、思いきり見開かれた。
「馬鹿かっ、そんなことできるわけねぇだろっ!」
アロエは『悪魔の森』を怒鳴りつけた。
「オーシン見捨てて逃げられるわけねぇだろがっ!!」
その時、『悪魔の森』の口は確かに、にやり、と歪んだ。
「お前たちはぁあああ……、逃げるぅぅうううう…」
そう言うなり、『悪魔の森』は、アロエのマルチの体にすばやく蔓を巻きつ
けた。
「んなっ!」
二人が抵抗する暇も無く、蔓はするすると二人の体全体に絡みつくと、ふわ
っとその体を持ち上げた。持ち上げたまま、二人をどこかに運んでいく。
「うわっ、てんめぇ、何するんだぁっ!」
蔓を振り切ろうとじたばたともがくアロエとは反対に、マルチは大人しく
『悪魔の森』に捕まっている。
「アロエ、あんまり暴れない方がいいんじゃねぇ?きっとコイツ、オーシンの
命令通り、このまま俺たちを逃がすつもりなんだよ。このままいけばあっさり
脱出できるぜ」
「マルチっ、お前はオーシンを見捨てても平気なのかよっ!」
「はーん、なら言うけどさぁ」
メガネの奥で、マルチの目がきらりと光った。
「あの場にお前が居て、あの状況をどうにかできた訳?ただ足手まといになっ
ただけじゃねぇの?オーシンが逃がしてくれなかったら、お前、確実にアイツ
に殺されてたぜ」
「だけどっ、逃げるなんてよぉ!」
「ならアイツに殺されてもよかったのかよ!」
いきなりマルチは大声でアロエを怒鳴りつけた。その迫力に、アロエは次の
言葉が出なくなる。
「だ…って…」
「だってもクソもねぇ!」
ぴしゃりとマルチは言う。
「いいか、お前があの場で死んだら、誰があの本を持ってカヤとかいう奴を救
うんだよ!お前が死んだら、オーシンは、俺は、どうすればいいんだ?そうい
う頭悪いヤツ、見てて腹立つんだよ、この馬鹿!」
そう容赦なくアロエを罵倒するマルチの目に、うっすら涙が浮かんでいるこ
とにアロエは気づいた。
「マルチ…、お前…」
その時アロエは気づいた。
マルチは口こそ悪いがアイツはアイツなりに自分のことを心配してくれてい
たのだと。
しかしそんなマルチの気持ちもわからず、自分のことしか考えず、残された
ものの気持ちを無視して、自分は無茶しようとしていた…。
アロエはぐっと唇を噛み締めた。
「ご…めん…。マルチ…、おれ…」
自分の行動に無責任だったよ…。そう言おうとしたその時、いきなり悪魔の
森は蔓を上に伸ばし、アロエとマルチを天井に押し上げた。
押し上げた先には、換気用のダクトのフタがある。
悪魔の森はそのフタをひょい、とはずすと、ぽいっとダクトに二人を放り込
み、ずずずずっと二人の背中を押していく。
「うわわわわわっ!」
ダクトの中を通って、どんどん二人は地上まで運ばれていく。
あっという間に地上まで二人を押し上げると、悪魔の森は、ぽいっと二人を
地面に投げ捨てた。
もちろん、二人はしたたかお尻を地面に打ちつけることとなる。
「いってぇ!何だよ、いきなり投げ捨てやがって!」
アロエが悪魔の森にくってかかる。
しかし悪魔の森は、なにやらとても嬉しそうに、ぐねんぐねんと動いてい
る。
「オーシンのぉぉ…約束…叶えたぁ…あああ!!今度…オデの…番んん…」
「うげ、コイツ一人称<オデ>だって」と言うマルチを尻目に、アロエは悪
魔の森に尋ねる。
「約束?オマエ、オーシンと何か約束したのか?」
「んん…、そう…、オーシン言ったぁああ、アロエはたぶん逃げようとしない
ぃぃ…、だから…逃がしてほしい…ってぇぇ…」
「それで?オマエはそれ聞いてすぐに<はい>って言ったのか?」
マルチが聞くと、悪魔の森はぶるんぶるんと目玉を横に振った。
「オデはぁああ…、マスターにぃぃ、造られたぁぁああ…。オデ、マスターの
為に働くものぉおおお…。だけどぉ…、オーシン言ったぁあああ…!!」
そこで、悪魔の森は嬉しそうにぐねんぐねんと体をくねらせた。
「逃がしてくれたらぁああ…、<結婚>してくれるってぇぇ…」
「何ぃいいいっ!!」
アロエとマルチは同時に叫んだ―。
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