PC:アロエ オーシン
場所:イノス北西墓地
NPC:マルチ ウォン=リー 悪魔の森(目玉ちゃん)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「魔物…だって…?」
思わず呟くアロエ。
そしてゆっくりとアロエはオーシンの方を見た。
「目玉」に頬を寄せていたオーシンが、ふっとまぶたを上げる。
何の悪意も無いその瞳は、何がおかしいんだろう、とでも言いたげに、アロ
エを見つめていた。
オーシンの腕の中の目玉もじぃっとアロエを見つめている。
「おい、アロエ」
いつのまにか自分の傍へきていた、ぱっと見るとアロエと同じ姿のマルチが
ホンモノのアロエを小突く。
「おい、あの子…魔物だって言うのホントかよ?オマエ今まで魔物と一緒に居
たのか?」
アロエは答えなかった。ただじっとオーシンの姿を見ている。
戸惑うアロエに追い討ちをかけるように、ウォンが嘲笑いながら言い放つ。
「どうだ、身の内の天使の血が魔を拒絶して騒ぐだろう?これでもキミは彼女
と一緒に居られるのかな?…しかし純粋でないとはいえ、天使のキミは今まで
彼女と居て本当に何も感じなかったのかい?」
本当は感じていた。
ウォンに言われるまでも無く本当は始めて会った頃から、アロエは微妙な違
和感のようなものを、オーシンに対して感じてはいた。
だから、ウォンのこの言葉は、はったりではなく「真実」だというのは一発
で解った。
けれど、そんな違和感を、次第に自分の中で無視するようになった。
一緒にいればいるほど、違和感はさらに多く感じていたのに。そしてそれは
自分を拒絶するものだとも本当は解っていたのに。
なのに、いつもそれをどこかで誤魔化そうとしていた。
何かを誤魔化すなんて、そんなの自分らしくない。一体このモヤモヤは何
だ?
そんな気持ちを心の奥でアロエはいつも抱えていた。
こんな気持ちになるのは、何故だろう?
何故、なんだ?
アロエは、目を閉じて深く深呼吸をした。
こんな時、母様なら…、天使の母様ならなんと答えるだろう。
アロエはじっと目を閉じて考えた。
そう、きっと母様はこう言うだろう。
<アロエ、貴方はいつでも一番正しいと思ったことをしなさい>
「どうしたね?」
ウォンが哂いながら尋ねる。
アロエは…ゆっくりとウォンの方に振り向いた。
その瞳にもう迷いはない。
「オーシンは…、オーシンだろ」
「何だって?」
「オーシンが魔物だろうと何だろうと、おれの友達であることには変わんねぇ
よ。ただ、それだけ、だ」
アロエのその言葉に、ウォンはいきなり大声で笑い出した。
「テメェっ、何がおかしいんだ!」
「やめっ…アロエ!」
ウォンに掴みかかろうとするアロエの体をマルチが必死で押さえつける。
そんなアロエを、優しい面持ちで見つめながらウォンは呟いた。
「…キミのような者に、私ももう少し早く出会いたかった」
「は?」
思わず聞き返すアロエに、ウォンは静かに言い放った。
「今からでも遅くはない。その手に持っている本を私に返し、これ以上この件
に係わるのは止めたまえ」
「何でだよっ!」
「その理由を聞くと、キミも、隣にいるキミの仲間も、魔物の少女も…この街
には居られなくなる」
「だから何でだ!」
「…この事件には、裏で糸引いてるやつがいんのか?」
厳しい視線をウォンに向けつつ、静かにマルチが言った。
「あんだってぇ!?」
「そして」
唖然としてマルチを見つめるアロエを尻目に、マルチは尚も言う。
「そして例えば、秘密が漏れたとき、あるいは計画を邪魔する者が現れた時、
そいつを消す様に言われている、とか」
その言葉にウォンはくっくっくっ、と笑い出した。
「…やれやれ。大体、此処を見つけるのが早すぎるとは思ってはいたんだ」
場所:イノス北西墓地
NPC:マルチ ウォン=リー 悪魔の森(目玉ちゃん)
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「魔物…だって…?」
思わず呟くアロエ。
そしてゆっくりとアロエはオーシンの方を見た。
「目玉」に頬を寄せていたオーシンが、ふっとまぶたを上げる。
何の悪意も無いその瞳は、何がおかしいんだろう、とでも言いたげに、アロ
エを見つめていた。
オーシンの腕の中の目玉もじぃっとアロエを見つめている。
「おい、アロエ」
いつのまにか自分の傍へきていた、ぱっと見るとアロエと同じ姿のマルチが
ホンモノのアロエを小突く。
「おい、あの子…魔物だって言うのホントかよ?オマエ今まで魔物と一緒に居
たのか?」
アロエは答えなかった。ただじっとオーシンの姿を見ている。
戸惑うアロエに追い討ちをかけるように、ウォンが嘲笑いながら言い放つ。
「どうだ、身の内の天使の血が魔を拒絶して騒ぐだろう?これでもキミは彼女
と一緒に居られるのかな?…しかし純粋でないとはいえ、天使のキミは今まで
彼女と居て本当に何も感じなかったのかい?」
本当は感じていた。
ウォンに言われるまでも無く本当は始めて会った頃から、アロエは微妙な違
和感のようなものを、オーシンに対して感じてはいた。
だから、ウォンのこの言葉は、はったりではなく「真実」だというのは一発
で解った。
けれど、そんな違和感を、次第に自分の中で無視するようになった。
一緒にいればいるほど、違和感はさらに多く感じていたのに。そしてそれは
自分を拒絶するものだとも本当は解っていたのに。
なのに、いつもそれをどこかで誤魔化そうとしていた。
何かを誤魔化すなんて、そんなの自分らしくない。一体このモヤモヤは何
だ?
そんな気持ちを心の奥でアロエはいつも抱えていた。
こんな気持ちになるのは、何故だろう?
何故、なんだ?
アロエは、目を閉じて深く深呼吸をした。
こんな時、母様なら…、天使の母様ならなんと答えるだろう。
アロエはじっと目を閉じて考えた。
そう、きっと母様はこう言うだろう。
<アロエ、貴方はいつでも一番正しいと思ったことをしなさい>
「どうしたね?」
ウォンが哂いながら尋ねる。
アロエは…ゆっくりとウォンの方に振り向いた。
その瞳にもう迷いはない。
「オーシンは…、オーシンだろ」
「何だって?」
「オーシンが魔物だろうと何だろうと、おれの友達であることには変わんねぇ
よ。ただ、それだけ、だ」
アロエのその言葉に、ウォンはいきなり大声で笑い出した。
「テメェっ、何がおかしいんだ!」
「やめっ…アロエ!」
ウォンに掴みかかろうとするアロエの体をマルチが必死で押さえつける。
そんなアロエを、優しい面持ちで見つめながらウォンは呟いた。
「…キミのような者に、私ももう少し早く出会いたかった」
「は?」
思わず聞き返すアロエに、ウォンは静かに言い放った。
「今からでも遅くはない。その手に持っている本を私に返し、これ以上この件
に係わるのは止めたまえ」
「何でだよっ!」
「その理由を聞くと、キミも、隣にいるキミの仲間も、魔物の少女も…この街
には居られなくなる」
「だから何でだ!」
「…この事件には、裏で糸引いてるやつがいんのか?」
厳しい視線をウォンに向けつつ、静かにマルチが言った。
「あんだってぇ!?」
「そして」
唖然としてマルチを見つめるアロエを尻目に、マルチは尚も言う。
「そして例えば、秘密が漏れたとき、あるいは計画を邪魔する者が現れた時、
そいつを消す様に言われている、とか」
その言葉にウォンはくっくっくっ、と笑い出した。
「…やれやれ。大体、此処を見つけるのが早すぎるとは思ってはいたんだ」
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