PC アロエ オーシン
場所 イノス(シーカヤック号船内)
NPC サラ(おばば様) カーチス ハボック
___________________________________
「こ…んの大馬鹿者がっ!!」
シーカヤック号に連れ戻されたアロエは、部屋に入っていきなりサラの怒声
を浴びることとなった。
アロエの隣に立っていたカーチスとハボックも、思わず耳を塞ぐほどの大
声。しかもアロエは、その耳の形状がネコ型のせいか人間より耳がいいので、
尚更、耳が「キーン」となってしまった。
「うう…、ばーさん、おれ大きな音ニガテだ…。ああ、頭ガンガンする…」
二三歩よろよろとよろけるアロエ。
「煩い、この馬鹿天使!!」
サラはポカンと手に持っていた杖でアロエの頭を殴った。
「…っつたぁ!」
「全くお前は居てもろくなことをしないね!私に黙ってどこをほっつき歩いて
いたんだい!」
「違ぇよ!ばーさん!おれ、あの子を助けたかったんだ!」
アロエは必死に食らいつく。
「だからおれっ、オーシンとギルドに行こうと思って…」
「へぇ…、ギルドにぃ…」
ハボックとカーチスが顔を見合す。そういえばこの二人は、アロエとオーシ
ンが勝手に出歩いた理由を知らなかったのである。
「ふーん…、ギルドにねぇ…」
サラもアロエとオーシンが意味なく出かけたわけではないのを知って、少し
落ちつきを取り戻したようだ。
「で、オーシンはどこにいるんだい?」
「それが…、こいつら二人にいきなり連れ戻されちまったから、見失っちまっ
て…」
「この大馬鹿者どもがっ!!」
ポカン、ポカン、ポカン、と今度は三人連続で殴られた。
『うう…、痛てぇ…』
アロエも、船員二人も痛そうに頭をさする。
その間にもサラは大声でまくし立てる。
「いいかいオーシンはねぇ、まだあの子は、見ての通り間が抜けていて世間知
らずなんだ!それをこともあろうに街の中で見失ったってぇ?お前たち、あの
街には危険な区域もあるんだってことを知らないのかい!」
「えっと、ばーさん…」
アロエがおそるおそる言う。
「おれがオーシンを見失ったの、たぶんな、その危険な区域の前…」
「なんだってぇぇっ!」
サラの顔は今は怒りと興奮で真っ赤になっている。アロエは確信した。この
ばーさんが『魔女』と呼ばれる由縁を。この怒りが頂点に達した顔。まさに、
『魔女』そのものだ。
『ふざけるんじゃないよ!!』
「キーン」というアロエの耳鳴りが最高潮に達した。
「うう…」
頭の痛みに、くるくると目を回して倒れるアロエ。とたんに、
ボンっ
天使型から一転、化け猫型に変ってしまった。
口をあんぐりとあけたまま、唖然とするハボックとカーチス。目の前には目
を回して倒れている一匹のネコの姿があった。
「ちょ…、この子、ネコ…?」
「羽生えてるぜ…、オイ…?」
「…見ての通りさ、この子、人間じゃないんだよ」
仕方なくアロエの正体を話すサラ。
「ネコと天使のハーフなんだってさ。何でも自分は天使だから、人間を救いた
いそうだよ」
「天使…」
今はどう見ても、白い羽が生えてる以外は猫にしか見えないアロエを、二人
はまじまじと見つめた。
「全く…。仕方のない馬鹿天使め」
サラは傍に近づくと、アロエの身体に杖の先を当てた。やわらかい光が杖の
先にともる。
アロエがぱっちりと目を開けた。今のはどうやら回復魔法だったようだ。
「おわっ、ばーさん。…あ、おれ今もしかしてネコ?」
「そうだよ、この大馬鹿。普通の人間には人間で通すって、出かける前に私に
言ったのはどこの誰だい」
アロエはきょろきょろと辺りを見回した。ネコになった目線から見て、はる
か上のほうに唖然としているハボックとカーチスの顔が見えた。
「あー…、やっちまったよ」
場所 イノス(シーカヤック号船内)
NPC サラ(おばば様) カーチス ハボック
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「こ…んの大馬鹿者がっ!!」
シーカヤック号に連れ戻されたアロエは、部屋に入っていきなりサラの怒声
を浴びることとなった。
アロエの隣に立っていたカーチスとハボックも、思わず耳を塞ぐほどの大
声。しかもアロエは、その耳の形状がネコ型のせいか人間より耳がいいので、
尚更、耳が「キーン」となってしまった。
「うう…、ばーさん、おれ大きな音ニガテだ…。ああ、頭ガンガンする…」
二三歩よろよろとよろけるアロエ。
「煩い、この馬鹿天使!!」
サラはポカンと手に持っていた杖でアロエの頭を殴った。
「…っつたぁ!」
「全くお前は居てもろくなことをしないね!私に黙ってどこをほっつき歩いて
いたんだい!」
「違ぇよ!ばーさん!おれ、あの子を助けたかったんだ!」
アロエは必死に食らいつく。
「だからおれっ、オーシンとギルドに行こうと思って…」
「へぇ…、ギルドにぃ…」
ハボックとカーチスが顔を見合す。そういえばこの二人は、アロエとオーシ
ンが勝手に出歩いた理由を知らなかったのである。
「ふーん…、ギルドにねぇ…」
サラもアロエとオーシンが意味なく出かけたわけではないのを知って、少し
落ちつきを取り戻したようだ。
「で、オーシンはどこにいるんだい?」
「それが…、こいつら二人にいきなり連れ戻されちまったから、見失っちまっ
て…」
「この大馬鹿者どもがっ!!」
ポカン、ポカン、ポカン、と今度は三人連続で殴られた。
『うう…、痛てぇ…』
アロエも、船員二人も痛そうに頭をさする。
その間にもサラは大声でまくし立てる。
「いいかいオーシンはねぇ、まだあの子は、見ての通り間が抜けていて世間知
らずなんだ!それをこともあろうに街の中で見失ったってぇ?お前たち、あの
街には危険な区域もあるんだってことを知らないのかい!」
「えっと、ばーさん…」
アロエがおそるおそる言う。
「おれがオーシンを見失ったの、たぶんな、その危険な区域の前…」
「なんだってぇぇっ!」
サラの顔は今は怒りと興奮で真っ赤になっている。アロエは確信した。この
ばーさんが『魔女』と呼ばれる由縁を。この怒りが頂点に達した顔。まさに、
『魔女』そのものだ。
『ふざけるんじゃないよ!!』
「キーン」というアロエの耳鳴りが最高潮に達した。
「うう…」
頭の痛みに、くるくると目を回して倒れるアロエ。とたんに、
ボンっ
天使型から一転、化け猫型に変ってしまった。
口をあんぐりとあけたまま、唖然とするハボックとカーチス。目の前には目
を回して倒れている一匹のネコの姿があった。
「ちょ…、この子、ネコ…?」
「羽生えてるぜ…、オイ…?」
「…見ての通りさ、この子、人間じゃないんだよ」
仕方なくアロエの正体を話すサラ。
「ネコと天使のハーフなんだってさ。何でも自分は天使だから、人間を救いた
いそうだよ」
「天使…」
今はどう見ても、白い羽が生えてる以外は猫にしか見えないアロエを、二人
はまじまじと見つめた。
「全く…。仕方のない馬鹿天使め」
サラは傍に近づくと、アロエの身体に杖の先を当てた。やわらかい光が杖の
先にともる。
アロエがぱっちりと目を開けた。今のはどうやら回復魔法だったようだ。
「おわっ、ばーさん。…あ、おれ今もしかしてネコ?」
「そうだよ、この大馬鹿。普通の人間には人間で通すって、出かける前に私に
言ったのはどこの誰だい」
アロエはきょろきょろと辺りを見回した。ネコになった目線から見て、はる
か上のほうに唖然としているハボックとカーチスの顔が見えた。
「あー…、やっちまったよ」
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