キャスト:ヴィルフリード・リタルード・フレア
NPC:なし
場所:宿屋
―――――――――――――――
「……」
装備を外した胸が薄く上下するのを感じながら、フレアは
ベッドの上に寝転がりながら天井を見ていた。
ブーツは履いたままだが、足は床につけている。
視線を天井からベッドにうつす。そこには、外したバックルと剣が
ランプの光を受けて鈍く輝いていた。
ふと不安になって、上半身だけを起こして背後の窓を見る。
だがそこにはベッドに座っている自分と、部屋の様子が
映っているだけで、あとは闇だ。
あの何もかも知っているかのような目も、6本の指もない。
――また会おう――
それでも、きっともう会うことはないだろう――十回目の気休めを、胸中で繰り返
す。
それと同時に、リタとヴィルフリードのことが思い出された。
もしもう一度でもゼクスに会うようなことがあれば、彼らとは
別れなくてはいけない。
出会った瞬間に別れのことを考えるようになったのは、いつからだろう。
一度出逢ってしまったら、遅かれ早かれ、あとは別れるしかない。
その別れが怖いから、出逢うのも怖くなる。
ディアンと会った時もそうだ。あの時出逢ってしまったから、今こうして
別れに怯えている。
先に行っててくれ―― もしかしたら、
あれは遠まわしな別れの挨拶ではなかったのか。
現に3日経った今も、まだディアンと合流できていない。
(…言わない方がいいだろうな)
もし再会することができても、今日の事は黙っていよう。
それでなくても勘のいい彼のことだ。何かひとつでもとっかかりがあれば、
全て見抜かれてしまう。
だから、今日の事は忘れてしまおう。
そう決めたとき、ドアの向こうで階段を上ってくる足音がした。
とっさに横の剣を手にとって――苦笑しながら枕元に置く。
この宿屋にあるアルコールが、そんなに高くなければいいのだが。
フレアは立ち上がると、ドアに向かった。
NPC:なし
場所:宿屋
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「……」
装備を外した胸が薄く上下するのを感じながら、フレアは
ベッドの上に寝転がりながら天井を見ていた。
ブーツは履いたままだが、足は床につけている。
視線を天井からベッドにうつす。そこには、外したバックルと剣が
ランプの光を受けて鈍く輝いていた。
ふと不安になって、上半身だけを起こして背後の窓を見る。
だがそこにはベッドに座っている自分と、部屋の様子が
映っているだけで、あとは闇だ。
あの何もかも知っているかのような目も、6本の指もない。
――また会おう――
それでも、きっともう会うことはないだろう――十回目の気休めを、胸中で繰り返
す。
それと同時に、リタとヴィルフリードのことが思い出された。
もしもう一度でもゼクスに会うようなことがあれば、彼らとは
別れなくてはいけない。
出会った瞬間に別れのことを考えるようになったのは、いつからだろう。
一度出逢ってしまったら、遅かれ早かれ、あとは別れるしかない。
その別れが怖いから、出逢うのも怖くなる。
ディアンと会った時もそうだ。あの時出逢ってしまったから、今こうして
別れに怯えている。
先に行っててくれ―― もしかしたら、
あれは遠まわしな別れの挨拶ではなかったのか。
現に3日経った今も、まだディアンと合流できていない。
(…言わない方がいいだろうな)
もし再会することができても、今日の事は黙っていよう。
それでなくても勘のいい彼のことだ。何かひとつでもとっかかりがあれば、
全て見抜かれてしまう。
だから、今日の事は忘れてしまおう。
そう決めたとき、ドアの向こうで階段を上ってくる足音がした。
とっさに横の剣を手にとって――苦笑しながら枕元に置く。
この宿屋にあるアルコールが、そんなに高くなければいいのだが。
フレアは立ち上がると、ドアに向かった。
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