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2024/11/08 18:12 |
20.ホワイトストリーム/ディアン(光)
PT:ヴィルフリード、ディアン、フレア、リタルード
NPC:ゼクス
場所:宿屋
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 「・・・ふん?」
 誰だ?
 俺の足元でバカでかい気配を放ってるヤツぁ?
 旅支度の手を途中で止めて、俺は床板に目をやった。
 誰かが、この真下にいやがる。
 今、俺の背筋を震わせた気配は、例えるならふちに立った旅人を引き込まずにはい
られない、千尋の谷の持つ虚無感。
 久しく感じたことの無い、巨大なプレッシャーの片鱗を感じて俺は軽く身震いし
た。
 「ここまででかいと、もう、瘴気つっても言いすぎじゃねーか・・・」
 例えば聖人や聖女の持つそれならば、他者にはプラスに働くこともある。
 活力や気力を与えたり、何らかの清らかな空間が作られることがほとんどだ。
 だが、コイツは違う。
 弱者の力を奪い、見るものの心に恐怖の影を与える負の気配。
 それを人は、瘴気と呼んで忌み嫌う。
 
 確か、まだフレアは二階に上がってきてはいないよな?
 やりあいたくないからって、窓からとんずらするわけにゃあイカンか・・・
 「なぁ、なんだか俺、最近・・・面倒事に巻き込まれてばっかじゃねぇか?」
 傍らの愛刀に愚痴るが、返事は返ってくるはずもなく。
 俺はため息一つを残して、無口な相棒を手に取った。
 鉄拵えの鞘を握ったとき、そのひんやりとした感触に、俺は自分の掌が火照ってい
たことを知った。
 (気配に触発されて高ぶっていたか・・・まだまだだな)
 一つ息を吐き、体の力を抜いて心を八方に散らせる。
 (固まらず、放心せよ。心を空気に溶け込ませ、周囲の全てを我が物とせよ)
 心の中で、刀術中伝の口伝を復唱しながらゆるり、と歩を進める。
 扉を開け、ゆっくりと階下に向かう。
 階段を静かに下りながら、耳だけは1階に集中させる。
 恐らく誰かが瘴気にやられたのだろう、宿の人間が巡回兵を呼ぶ大声が聞こえる。
 そして、フレアの火を吐くような声も・・・

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2007/02/11 14:37 | Comments(0) | TrackBack() | ●Colors

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