PT:ヴィルフリード、ディアン、フレア、リタルード
NPC:ゼクス
場所:宿屋
---------------------------------------
「おっと」
窓から降りたリタルードをヴィルフリードはぼふっと受け止める。
「ありがとー。いやー、最近なんか僕人間好きかもー」
「この状況からどうしてそういう感想がでてくるか、俺にはさっぱりわかないぞ」
リタルードを地面におろして、ヴィルフリードが怪訝な顔をする。
「ん、ここ最近なんか僕とくになつっこい性格でー。
なんだろう年齢的なものかなぁ。さっきも大好きとか言っちゃうし。
で、これからどうするの?」
「脈絡ねぇな」
「だって寝てないし。とりあえず中に入る?」
「そうだな」
「----おや」
ちょうど窓三つ分くらい離れたところから、壁に手をついて二人に声をかけた人物が
あった。
先ほどまでそこにいたのではなく、恐らくは露ほどの気配も感じさせずにたった今こ
こに出現した-----。
「ゼクス……」
ヴィルフリードがかすれた声で呟く。
壁に押し付けるように広げられた指の数は、六本。
「おかしいな。誰もいないはずだったのに。
僕がここにくるまでに窓から飛び降りでもしたのかな」
いやそれ本当なんだけど、とか。
軽口を叩けないのは、彼という存在が放つ奇妙な威圧感のせい。
その圧力は彼の持つ魔力に由来するものなのか、魔力など関係なしに彼が持っている
力なのか。
彼から受ける印象は、明るい髪の色にも関わらず星も月も全ての光をさえぎったとき
のべったりとした闇夜の色。
「何しに、きたの?」
「探し物をしに」
簡潔に答えると、ゼクスは壁から手を離す。その向こうから、なんだか騒がしい声が
聞こえるような気がする。
何をしていたと、尋ねるべきなのだろうか。
「君たちはあの女の子の連れなのかな?」
「そういうことになるな」
「あぁ、ちょうどよかった」
不可解な言葉を吐くと、彼は踵を返して宿の入り口のほうに歩を進める。ヴィルフ
リードが何か言おうとして、その前に彼がこちらを振り返った。
「どうせなら中で話でもしよう。少し騒ぎになっているかもしれないけどじきに収ま
るだろうし。
おそらく彼女も僕を探しているだろう」
ゼクスの声が笑いを含んでいるように聞こえるのは、彼が結局のところ自分に逆らえ
る人間などほとんどいないことを心得ているからなのだろうか、とリタルードはふと
その時思った。
NPC:ゼクス
場所:宿屋
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「おっと」
窓から降りたリタルードをヴィルフリードはぼふっと受け止める。
「ありがとー。いやー、最近なんか僕人間好きかもー」
「この状況からどうしてそういう感想がでてくるか、俺にはさっぱりわかないぞ」
リタルードを地面におろして、ヴィルフリードが怪訝な顔をする。
「ん、ここ最近なんか僕とくになつっこい性格でー。
なんだろう年齢的なものかなぁ。さっきも大好きとか言っちゃうし。
で、これからどうするの?」
「脈絡ねぇな」
「だって寝てないし。とりあえず中に入る?」
「そうだな」
「----おや」
ちょうど窓三つ分くらい離れたところから、壁に手をついて二人に声をかけた人物が
あった。
先ほどまでそこにいたのではなく、恐らくは露ほどの気配も感じさせずにたった今こ
こに出現した-----。
「ゼクス……」
ヴィルフリードがかすれた声で呟く。
壁に押し付けるように広げられた指の数は、六本。
「おかしいな。誰もいないはずだったのに。
僕がここにくるまでに窓から飛び降りでもしたのかな」
いやそれ本当なんだけど、とか。
軽口を叩けないのは、彼という存在が放つ奇妙な威圧感のせい。
その圧力は彼の持つ魔力に由来するものなのか、魔力など関係なしに彼が持っている
力なのか。
彼から受ける印象は、明るい髪の色にも関わらず星も月も全ての光をさえぎったとき
のべったりとした闇夜の色。
「何しに、きたの?」
「探し物をしに」
簡潔に答えると、ゼクスは壁から手を離す。その向こうから、なんだか騒がしい声が
聞こえるような気がする。
何をしていたと、尋ねるべきなのだろうか。
「君たちはあの女の子の連れなのかな?」
「そういうことになるな」
「あぁ、ちょうどよかった」
不可解な言葉を吐くと、彼は踵を返して宿の入り口のほうに歩を進める。ヴィルフ
リードが何か言おうとして、その前に彼がこちらを振り返った。
「どうせなら中で話でもしよう。少し騒ぎになっているかもしれないけどじきに収ま
るだろうし。
おそらく彼女も僕を探しているだろう」
ゼクスの声が笑いを含んでいるように聞こえるのは、彼が結局のところ自分に逆らえ
る人間などほとんどいないことを心得ているからなのだろうか、とリタルードはふと
その時思った。
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