PTメンバー:ヴィルフリード、ディアン、フレア、リタルード
NPC:なし
場所:宿屋
-------------------------------
空は薄い青に染まり、星の姿も可視でなくなるころ。
「おっはよーございまーす!」
リタルード・ルーマは今日も無駄に元気だ。
「ねー、朝だよ。起きようよ僕が暇だから」
カーテンの隙間からわずかに差し込む弱々しい光は、まだ太陽が顔を覗かせていない
証拠。
うぐぐ、とうめき声をあげた犠牲者はもちろん。
「……なんでいるんだよ」
「僕がヴィルフリードさんの部屋の位置チェックして無かったとでも思ってるの?
起きようよ」
「…男の寝室に自分から進んで入ってくるのってものすごく感心しねぇぞ」
ヴィルフリードはぶつぶつ言いながらも身を起こす。寝起きはいいらしい。
「朝だからいいんだよ。それに僕気にしないし」
「俺は気にするんだ」
「リクエストあるなら添い寝くらいはするけど」
「いらん!」
リタルードがカーテンを開けると、東向きだったらしく空の端に赤みがさすのが見え
た。
窓を開けて冷たい清浄な空気を取り入れたい思いにかられたが、寝起きの人間のこと
を考慮して我慢する。
「アンタもまだ寝てればいいだろうに…」
「んー、実は僕徹夜しちゃってさ。今妙に頭冴えてて寝れないんだよねー」
「寝ろよ…」
「だって本買いだめしちゃったんだもん」
「俺は眠いんだ」
「『ブンツカ=ドンドンと子猫たち』って面白いね」
「知らん」
「昨日なんかあった?」
なにげなく差し込まれた一言にヴィルフリードは言葉に詰まる。
「…フレアの仲間とかいう男に会った」
「へぇ?」
意外だった。
リタルードは、ただ単に六本指の人物がもう一度現れたとか、自分の兄がもしかした
ら自分の接触した人物に興味を持ったのではなどの可能性を思いついて尋ねてみたの
だけれど。
しかも、どうやらただ会っただけではないらしい。
「…もう少し寝かせてくれ」
不機嫌な人間をつついて喋らせても、別に差し迫った必要が無いのならば、特に利益
はない。
しばしの沈黙のあと絞りだされたその言葉に、リタルードは従うことにする。
「ん、じゃあ朝ご飯は来てよね」
そのまま立ち去ろうとして、ふいに眩暈を感じた。
完全に健康体の自分には珍しく、寝不足で貧血を起こしたのか-----。
つんのめり、近くにあった椅子に足を引っ掛ける。そのまま倒れた先はあまり広くは
無い宿のこと。
「なっ」
開いたままのドアの外から聞こえた驚きの声に、リタルードがヴィルフリードを下敷
きにして振り向いた先にいたのは、白い装束の見知らぬ人物だった。
NPC:なし
場所:宿屋
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空は薄い青に染まり、星の姿も可視でなくなるころ。
「おっはよーございまーす!」
リタルード・ルーマは今日も無駄に元気だ。
「ねー、朝だよ。起きようよ僕が暇だから」
カーテンの隙間からわずかに差し込む弱々しい光は、まだ太陽が顔を覗かせていない
証拠。
うぐぐ、とうめき声をあげた犠牲者はもちろん。
「……なんでいるんだよ」
「僕がヴィルフリードさんの部屋の位置チェックして無かったとでも思ってるの?
起きようよ」
「…男の寝室に自分から進んで入ってくるのってものすごく感心しねぇぞ」
ヴィルフリードはぶつぶつ言いながらも身を起こす。寝起きはいいらしい。
「朝だからいいんだよ。それに僕気にしないし」
「俺は気にするんだ」
「リクエストあるなら添い寝くらいはするけど」
「いらん!」
リタルードがカーテンを開けると、東向きだったらしく空の端に赤みがさすのが見え
た。
窓を開けて冷たい清浄な空気を取り入れたい思いにかられたが、寝起きの人間のこと
を考慮して我慢する。
「アンタもまだ寝てればいいだろうに…」
「んー、実は僕徹夜しちゃってさ。今妙に頭冴えてて寝れないんだよねー」
「寝ろよ…」
「だって本買いだめしちゃったんだもん」
「俺は眠いんだ」
「『ブンツカ=ドンドンと子猫たち』って面白いね」
「知らん」
「昨日なんかあった?」
なにげなく差し込まれた一言にヴィルフリードは言葉に詰まる。
「…フレアの仲間とかいう男に会った」
「へぇ?」
意外だった。
リタルードは、ただ単に六本指の人物がもう一度現れたとか、自分の兄がもしかした
ら自分の接触した人物に興味を持ったのではなどの可能性を思いついて尋ねてみたの
だけれど。
しかも、どうやらただ会っただけではないらしい。
「…もう少し寝かせてくれ」
不機嫌な人間をつついて喋らせても、別に差し迫った必要が無いのならば、特に利益
はない。
しばしの沈黙のあと絞りだされたその言葉に、リタルードは従うことにする。
「ん、じゃあ朝ご飯は来てよね」
そのまま立ち去ろうとして、ふいに眩暈を感じた。
完全に健康体の自分には珍しく、寝不足で貧血を起こしたのか-----。
つんのめり、近くにあった椅子に足を引っ掛ける。そのまま倒れた先はあまり広くは
無い宿のこと。
「なっ」
開いたままのドアの外から聞こえた驚きの声に、リタルードがヴィルフリードを下敷
きにして振り向いた先にいたのは、白い装束の見知らぬ人物だった。
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