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PC:クレイ カイ
NPC:デュラン ウルザ ルキア マグダネル
場所:王都イスカーナ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
「マグダネル様!」
外の見回りでもしていたのか、屋敷の外を回るようにして飛び出してき
た白装束の男が何かを放つ。
ナイフか魔法かまでは判別できなかったが、マグダネルを縄から解き放
つには十分だったようで、体勢をなおしたマグダネルはそのまま庭に降り
立った。
少し遅れて現れたもう一人の白装束も合流し三人はマグダネルをはさん
で横に並び構えを取る。
しかしベランダではロイヤーがカラス達にとらわれたも同然のためか行
動を起せないでいるようだった。
その様子にクレイがなにかを取り出そうと腰元に手をやったとき、
「おい、あんた達強さが売りなんだってな、だったらこの勝負で片をつけ
ないか?」
ふいにカイが淡々とした口調でそうきりだした。
「ええ? ちょっと待てよ、何いってんだ?」
これに驚いたのはマグダネルやロイヤーよりも、仲間のクレイ達のほう
だったようで、思わず振り返ってカイのほうをみた。
「おちつけクレイ、このままではロイヤーはともかくマグダネルに遺恨を
残すぞ。」
「う……。」
一言でクレイを黙らすと、正面で警戒を解かずにいる三人のほうに向か
ってさらに声をかける。
「あんた達はどうだ、俺達は石をかけるが?」
「いいだろう、もし我々が負けたならこの命好きにするがいい。」
マグダネルもあまりに冷静なカイと泡を食っているクレイの様子を見て
決断を下した。
それにうなづいて返すと、カイはベランダのカラスに手で一人来いと合
図した。
ウルザとルキアは成り行きを見ていたが、目だけで相談すると、ウルザ
が宙を駆け2人の下へと舞い降りた。
こちらも戦力が三人になったところで、デュラン老を下がらせたカイは
クレイとウルザにだけ聞こえる声で、
「この戦い指揮はクレイにまかせる。」
とだけ告げた。
さすがにそれは、と何か言いかけたウルザにカイは、
(俺とお前にはクレイを試す必要がある。)
と唇の動きだけで伝える。
それを見たウルザは言葉を飲み込みうなづいて見せた。
(そうだ、クレイが上へいけるやつだからこそ俺は……。)
心に伏せた決意、カイはこの戦いでそれが正しかったことを確認しよう
としていた。
そしてそれは、ベランダにいるルキアも、参戦するウルザも同じだった。
「おいおい、いいのかよ……。」
前にでて剣を構えるカイにまだ展開に納得いかないクレイが剣を抜きなが
らささやく。
「クレイ、そんなものを用意したのはやつ等を殺したくなかったからでもあ
るんだろう? このまま終わっては間違いなく大公に消されるまでしがらみ
はなくならんだろう。 やつらには先に負けを突きつける必要がある。」
「う……なんか今回のカイは厳しいな。」
しかし正論ではある。
しぶしぶながら剣を抜いたクレイは、正面を見据えて気合を入れなおす。
「……よし、二号は速攻のできる技で、術士のほうを止めてくれ。印を使っ
てたから腕を狙えれば効果はかなりある。カイは俺がマグダネルを止めてる
間にもう一人を頼む。まずは数を減らすことからしかける。あとは必要な時
にそのつどってことで。」
クレイの指示にカイは笑みを浮かべる。
(よくみてる。)
なんだかんだ言いながら、ほとんど時間をかけずに指示を出せるクレイに
カイは安心していた。
(後は結果が証明するだろう。クレアとクレイの未来を。)
「……では、いくぞ!」
向こうでも軽く打ち合わせていた三人は、マグダネルの声ではじけるように
距離をとり陣形を組む。
クレイにとって始まりの、カイにとって終わりの戦いが今始まった。
PC:クレイ カイ
NPC:デュラン ウルザ ルキア マグダネル
場所:王都イスカーナ
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「マグダネル様!」
外の見回りでもしていたのか、屋敷の外を回るようにして飛び出してき
た白装束の男が何かを放つ。
ナイフか魔法かまでは判別できなかったが、マグダネルを縄から解き放
つには十分だったようで、体勢をなおしたマグダネルはそのまま庭に降り
立った。
少し遅れて現れたもう一人の白装束も合流し三人はマグダネルをはさん
で横に並び構えを取る。
しかしベランダではロイヤーがカラス達にとらわれたも同然のためか行
動を起せないでいるようだった。
その様子にクレイがなにかを取り出そうと腰元に手をやったとき、
「おい、あんた達強さが売りなんだってな、だったらこの勝負で片をつけ
ないか?」
ふいにカイが淡々とした口調でそうきりだした。
「ええ? ちょっと待てよ、何いってんだ?」
これに驚いたのはマグダネルやロイヤーよりも、仲間のクレイ達のほう
だったようで、思わず振り返ってカイのほうをみた。
「おちつけクレイ、このままではロイヤーはともかくマグダネルに遺恨を
残すぞ。」
「う……。」
一言でクレイを黙らすと、正面で警戒を解かずにいる三人のほうに向か
ってさらに声をかける。
「あんた達はどうだ、俺達は石をかけるが?」
「いいだろう、もし我々が負けたならこの命好きにするがいい。」
マグダネルもあまりに冷静なカイと泡を食っているクレイの様子を見て
決断を下した。
それにうなづいて返すと、カイはベランダのカラスに手で一人来いと合
図した。
ウルザとルキアは成り行きを見ていたが、目だけで相談すると、ウルザ
が宙を駆け2人の下へと舞い降りた。
こちらも戦力が三人になったところで、デュラン老を下がらせたカイは
クレイとウルザにだけ聞こえる声で、
「この戦い指揮はクレイにまかせる。」
とだけ告げた。
さすがにそれは、と何か言いかけたウルザにカイは、
(俺とお前にはクレイを試す必要がある。)
と唇の動きだけで伝える。
それを見たウルザは言葉を飲み込みうなづいて見せた。
(そうだ、クレイが上へいけるやつだからこそ俺は……。)
心に伏せた決意、カイはこの戦いでそれが正しかったことを確認しよう
としていた。
そしてそれは、ベランダにいるルキアも、参戦するウルザも同じだった。
「おいおい、いいのかよ……。」
前にでて剣を構えるカイにまだ展開に納得いかないクレイが剣を抜きなが
らささやく。
「クレイ、そんなものを用意したのはやつ等を殺したくなかったからでもあ
るんだろう? このまま終わっては間違いなく大公に消されるまでしがらみ
はなくならんだろう。 やつらには先に負けを突きつける必要がある。」
「う……なんか今回のカイは厳しいな。」
しかし正論ではある。
しぶしぶながら剣を抜いたクレイは、正面を見据えて気合を入れなおす。
「……よし、二号は速攻のできる技で、術士のほうを止めてくれ。印を使っ
てたから腕を狙えれば効果はかなりある。カイは俺がマグダネルを止めてる
間にもう一人を頼む。まずは数を減らすことからしかける。あとは必要な時
にそのつどってことで。」
クレイの指示にカイは笑みを浮かべる。
(よくみてる。)
なんだかんだ言いながら、ほとんど時間をかけずに指示を出せるクレイに
カイは安心していた。
(後は結果が証明するだろう。クレアとクレイの未来を。)
「……では、いくぞ!」
向こうでも軽く打ち合わせていた三人は、マグダネルの声ではじけるように
距離をとり陣形を組む。
クレイにとって始まりの、カイにとって終わりの戦いが今始まった。
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