◆――――――――――――――――――――――――――――
キャスト:ワッチ・月見・ファング
場所:立入禁止な炭鉱(ヴァルカン)
―――――――――――――――
当たり前と言っては当たり前。
そういってはお終いな気がいたしますが……
「おひょひょひょ!く、く、く、暗闇まっさかりですって!!」
「そりゃあ閉鎖されてからしばらくたってるからなー」
月見の二つ前を歩いているファングが答える。
三人は炭坑の中を一列になって歩いていた。
(ファング・ワッチ・月見という順番だ)
ファングの情報により浅葱の杖を入手するため炭坑を探索することになったファング・
ワッチ・月見の三人。
さすがは閉鎖された炭坑……灯りは何もなく、入り口から少し進んだだけですでに暗
闇が空間を支配している。それに少し湿気もあるようだ。
じめじめした空気が気持ち悪い。
あまりの暗さに三人は足下も確認できずじりじりと進んでいる。
暗闇のお陰で密着率も倍増。
このチャンスを逃すまいと思わず月見の手が踊り出す。
その度にワッチから素敵に華麗に力強く熱烈なカウンターがくる。
趣味が肉体鍛練なだけありハンパな力ではない。
めげずにまたダンシング。
そうこうしてる内にまたカウンターがきました。
「ファング、灯りつけねぇか?」
このまま進んでも様々な意味で身に危険が降り掛かるのは確実なので提案をする。
そうこうしてるうちにまたカウンターを飛ばす。
「うーん。ちょっと待ってくんないかな……暗くてどの辺にあるか……」
思いのほか早く暗闇になってしまったのでまだ準備ができてないらしい。
バッグをあさるようなゴソゴソという音が聞こえる。
ふと、月見が残念そうな声をあげた。
どうやら灯りをともすのに反対のようだ。
「暗いまんまでイイじゃないっすか~。もう少しこのお化け屋敷のような電車の痴漢
のとうなトキメ」
中途半端なところで声が途切れる。
どうせまた言い直すと思ってしばらく待つ。
「んー…コレかな……」
静かな空間にファングの声をバッグを漁る音だけが響く。
どうやら未だ灯りが見つからないようだ。
そして未だ月見は黙ったままだ。
「トキメ?トキメって何だオイ」
いつも五月蝿いくらいに喋ってくる奴が何も言わないのでどうしたかと思い、思わず
月見に語りかけるワッチ。
が。
「う……うひょおおおおおおおお!!」
何をトチ狂ったのか、いきなり月見はけたたましい奇声をあげた。
叫びは炭坑の岩壁に反射され非常にイイ感じの音響効果になっている。
「何か違った意味で怖いから早く灯りつけてくれよ」
そう訴えるがファングは「うーん」と唸ってゴソゴソと捜しつづけるだけだ。
いつもなら問答無用の実力行使で黙らせるが今はそうはいかない。
先程までは月見がワッチに接触してたので簡単にカウンターを返せたが月見はさっき
の奇声をあげた瞬間ワッチから離れてしまった。
「あー………めんど」
気配が測れない。
この炭坑のせいなのか、入ってから色々な気配が探れなくなっていた。
いつもはそんなこと、まったくと言ってない。
ソレが、この炭坑が閉鎖した原因の一つなのだろうか?
「お、親父殿ったら何て大胆な!いくら暗闇だからってそんなこんなあんな!ソフト
タッチ?!ソフトタッチ!!」
「何言ってんだ月見?オイラは何もしてないぞ?!」
そんなことを考えているうちに意味不明な言動はエスカレートしていく。
暗闇のせいだろうか、その意味不明さをさらに増大させている。
「これかな?あー……でもな~」
未だファングは灯りをみつけられないでいた。
炭坑に入るということで様々なアイテムを買ってきたが、バッグに適当につっこんだ
のがまずかったらしい。
しかも私的荷物も一緒に入っており更に難易度はUP。
そして意味不明の混乱っぷりもUP。
「うぉぉぉ!!何か突き刺すようなトキメキ?!ハードね?!ハードなのね?!」
(何をいいたいか理解不能)
「あー、二人とも、一旦外に出て灯り見つけよう。」
(一人、理性的)
「何?!何が起こってるんだよオイ!!何かやったのかオイラ!!」
(身に覚えのないことを言われ混乱してきた)
「何って親父殿のせいでこんな……ヒィィィィ!!ゴツイゴツイゴツイ!!!」
(どんなだ)
「ちょっとー……ワッチに月見、聞いてる?無視?いじめ??」
(寂しそう)
「落ち着けッてばよ!」
(自分も落ち着いてなかったりする)
「いや、あの、ちょっと、もしもーし?」
(かなり寂しそう)
「ぬぉ?!お前毛の処理してんのか?何かすっげぇモッサリしてるんだけど…」
(モッサリ!)
「モッサリって何処触ってるんスか親父殿!いや、てかマジ何処触ってらっしゃりま
すか?………ぬぉあッ……?!」
(?)
「あ、でも肌はすべすべしてんな……ていうかゴツゴツしてんな」
(何故か冷静)
「く、く、く、くるしひ…………」
(鼻息あらい)
「もももももーしーもーし?!もーしーもーしー?!」
(だいぶ寂しそう)
「………イ、イケメンに殺されるなら……ほ、本望………なりッ………ぐふっ★」
(いいのか?)
「~~~~~~ッ!!ンルディッ!」
いい加減何かがおかしいと思ったのか、ワッチは暗闇の中で剣を抜き叫んだ。
それと同時に剣が七色の光を放つ。
それにワッチは少し驚いた。
(勢いで言ってみたんだけど……光るんだ)
ワッチが知る限りのこの剣は七色に変化するだけだった。
しかし剣は七色に変化するだけではなく光も放つ機能を持ち合わせているらしい。
後先考えず剣を使ってはみたが良い方向へ進んだようである。
ワッチの剣から発する七色の光が暗かった炭坑を仄かにだか明るくする。
光に照らされた月見の腕をまじまじと見る。
ヤケに骨太で太い毛がモジャモジャしている。
明らかに女子高生の腕ではない。
顔をあげてみると見知らぬ悪人面と眼があった。
「えーと。その人はお友達?何時の間に友達増えたの?」
ファングが悪人面と見つめあったままのワッチを見ていう。
しかもがっちり腕を掴んでいるというちょっとイヤーンなオプション付。
「こんなムサイ友達、オイラいらない」
月見はどうしてるかというと……
「…………ああ………これ…も……愛………ッ★」
別の悪人面に首を絞められていた。
てっきりワッチに首を絞められていると思い込んでいる月見は悦び勇んで抵抗なしで
ある。
続く
キャスト:ワッチ・月見・ファング
場所:立入禁止な炭鉱(ヴァルカン)
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当たり前と言っては当たり前。
そういってはお終いな気がいたしますが……
「おひょひょひょ!く、く、く、暗闇まっさかりですって!!」
「そりゃあ閉鎖されてからしばらくたってるからなー」
月見の二つ前を歩いているファングが答える。
三人は炭坑の中を一列になって歩いていた。
(ファング・ワッチ・月見という順番だ)
ファングの情報により浅葱の杖を入手するため炭坑を探索することになったファング・
ワッチ・月見の三人。
さすがは閉鎖された炭坑……灯りは何もなく、入り口から少し進んだだけですでに暗
闇が空間を支配している。それに少し湿気もあるようだ。
じめじめした空気が気持ち悪い。
あまりの暗さに三人は足下も確認できずじりじりと進んでいる。
暗闇のお陰で密着率も倍増。
このチャンスを逃すまいと思わず月見の手が踊り出す。
その度にワッチから素敵に華麗に力強く熱烈なカウンターがくる。
趣味が肉体鍛練なだけありハンパな力ではない。
めげずにまたダンシング。
そうこうしてる内にまたカウンターがきました。
「ファング、灯りつけねぇか?」
このまま進んでも様々な意味で身に危険が降り掛かるのは確実なので提案をする。
そうこうしてるうちにまたカウンターを飛ばす。
「うーん。ちょっと待ってくんないかな……暗くてどの辺にあるか……」
思いのほか早く暗闇になってしまったのでまだ準備ができてないらしい。
バッグをあさるようなゴソゴソという音が聞こえる。
ふと、月見が残念そうな声をあげた。
どうやら灯りをともすのに反対のようだ。
「暗いまんまでイイじゃないっすか~。もう少しこのお化け屋敷のような電車の痴漢
のとうなトキメ」
中途半端なところで声が途切れる。
どうせまた言い直すと思ってしばらく待つ。
「んー…コレかな……」
静かな空間にファングの声をバッグを漁る音だけが響く。
どうやら未だ灯りが見つからないようだ。
そして未だ月見は黙ったままだ。
「トキメ?トキメって何だオイ」
いつも五月蝿いくらいに喋ってくる奴が何も言わないのでどうしたかと思い、思わず
月見に語りかけるワッチ。
が。
「う……うひょおおおおおおおお!!」
何をトチ狂ったのか、いきなり月見はけたたましい奇声をあげた。
叫びは炭坑の岩壁に反射され非常にイイ感じの音響効果になっている。
「何か違った意味で怖いから早く灯りつけてくれよ」
そう訴えるがファングは「うーん」と唸ってゴソゴソと捜しつづけるだけだ。
いつもなら問答無用の実力行使で黙らせるが今はそうはいかない。
先程までは月見がワッチに接触してたので簡単にカウンターを返せたが月見はさっき
の奇声をあげた瞬間ワッチから離れてしまった。
「あー………めんど」
気配が測れない。
この炭坑のせいなのか、入ってから色々な気配が探れなくなっていた。
いつもはそんなこと、まったくと言ってない。
ソレが、この炭坑が閉鎖した原因の一つなのだろうか?
「お、親父殿ったら何て大胆な!いくら暗闇だからってそんなこんなあんな!ソフト
タッチ?!ソフトタッチ!!」
「何言ってんだ月見?オイラは何もしてないぞ?!」
そんなことを考えているうちに意味不明な言動はエスカレートしていく。
暗闇のせいだろうか、その意味不明さをさらに増大させている。
「これかな?あー……でもな~」
未だファングは灯りをみつけられないでいた。
炭坑に入るということで様々なアイテムを買ってきたが、バッグに適当につっこんだ
のがまずかったらしい。
しかも私的荷物も一緒に入っており更に難易度はUP。
そして意味不明の混乱っぷりもUP。
「うぉぉぉ!!何か突き刺すようなトキメキ?!ハードね?!ハードなのね?!」
(何をいいたいか理解不能)
「あー、二人とも、一旦外に出て灯り見つけよう。」
(一人、理性的)
「何?!何が起こってるんだよオイ!!何かやったのかオイラ!!」
(身に覚えのないことを言われ混乱してきた)
「何って親父殿のせいでこんな……ヒィィィィ!!ゴツイゴツイゴツイ!!!」
(どんなだ)
「ちょっとー……ワッチに月見、聞いてる?無視?いじめ??」
(寂しそう)
「落ち着けッてばよ!」
(自分も落ち着いてなかったりする)
「いや、あの、ちょっと、もしもーし?」
(かなり寂しそう)
「ぬぉ?!お前毛の処理してんのか?何かすっげぇモッサリしてるんだけど…」
(モッサリ!)
「モッサリって何処触ってるんスか親父殿!いや、てかマジ何処触ってらっしゃりま
すか?………ぬぉあッ……?!」
(?)
「あ、でも肌はすべすべしてんな……ていうかゴツゴツしてんな」
(何故か冷静)
「く、く、く、くるしひ…………」
(鼻息あらい)
「もももももーしーもーし?!もーしーもーしー?!」
(だいぶ寂しそう)
「………イ、イケメンに殺されるなら……ほ、本望………なりッ………ぐふっ★」
(いいのか?)
「~~~~~~ッ!!ンルディッ!」
いい加減何かがおかしいと思ったのか、ワッチは暗闇の中で剣を抜き叫んだ。
それと同時に剣が七色の光を放つ。
それにワッチは少し驚いた。
(勢いで言ってみたんだけど……光るんだ)
ワッチが知る限りのこの剣は七色に変化するだけだった。
しかし剣は七色に変化するだけではなく光も放つ機能を持ち合わせているらしい。
後先考えず剣を使ってはみたが良い方向へ進んだようである。
ワッチの剣から発する七色の光が暗かった炭坑を仄かにだか明るくする。
光に照らされた月見の腕をまじまじと見る。
ヤケに骨太で太い毛がモジャモジャしている。
明らかに女子高生の腕ではない。
顔をあげてみると見知らぬ悪人面と眼があった。
「えーと。その人はお友達?何時の間に友達増えたの?」
ファングが悪人面と見つめあったままのワッチを見ていう。
しかもがっちり腕を掴んでいるというちょっとイヤーンなオプション付。
「こんなムサイ友達、オイラいらない」
月見はどうしてるかというと……
「…………ああ………これ…も……愛………ッ★」
別の悪人面に首を絞められていた。
てっきりワッチに首を絞められていると思い込んでいる月見は悦び勇んで抵抗なしで
ある。
続く
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