キャスト:ワッチ・月見・ファング
NPC:悪人面グループ
場所:ヴァルカン/炭鉱の中
―――――――――――――――
赤、橙、黄、緑、青…
七色に染め上げられてゆく炭鉱の中で、呆然と全員、立ち尽くす。
光を放つ剣を持って、所在無さげに視線をうろつかせているワッチ。
いつの間に現れたのか、やたら身体の大きい男に首を絞められている月見。
表情を見る限りそれほど切羽詰っていないようだが、顔色が酸欠で紫色になっている。
そして自分はと言うとだ。
「素晴しい天気ですな今日は」
「真っ暗だぞ」
腰の後ろで手なぞを組みながら言ってみたが、月見の首を絞めている男に
即答され。ことばを失う。
とりあえずすべきことを考えて、手を打つ。
「ワッチワッチ、こっち」
「え?あ、あぁ」
ワッチに手招きして、光を近づけさせる。
よっこいしょとか言いながらザックを漁り、ようやく手に確かな感触を得て
引っ張り上げる。
「あったあった!いやー俺のうっかりさんめっ☆」
「しまった」という風に拳でかるく自分の頭を叩いてからランタンを取り出し、
一緒に出した発火剤を着けた木片を、手ごろな岩に擦り付ける。
ぽぅ、という小さな音をたてて、柔らかな光が燈った。
それをランタンに移し――木片を振って消すと、ランタンを手に立ち上がる。
「これでオッケー!」
同時に、火を点けるのを見届けたかのようなタイミングで七色の光も失われてゆく。
どうやらこの剣の光は、時間が経つと消えるらしい。
「…って待たんかコラ――ッ!」
突如響いた声にランタンを向けると、火の色よりもっと顔を紅潮させた男が
怒鳴っている。その太い指でこちらを指差し、唾を飛ばす。
「てめぇさっきから無視したりシカトしたり!」
「どっちも同じじゃん」
「うるせぇ!いいか、この嬢ちゃん…?を死なせたくなかったら――」
「ゴツイおじ様、なんで今『嬢ちゃん』に疑問符つけたんデスか…★」
男と月見のやりとりを聞き流しながら、ランタンを左手に、空いた右手の小指で
退屈そうに耳の穴をいじる。
それが癪(しゃく)に障ったらしく、男がさらに声を張り上げる。
「なかったら、アレを渡せ!もう手に入れたんだろ!?」
「アレって何よ。――ちょっとワッチ持っててコレ」
ランタンを隣のワッチに渡そうとするが、剣を持っているので無理と感じ、
ワッチが腕を掴んでいる男に渡してから、ポケットから使い捨てのハンカチを出して
手を拭きながら顔も上げずに聞く。
「この炭鉱にヤツが隠した財宝があるはずだ!まさか無ぇとは言わせねえぞ」
「うんうん。あ、サンキュ」
ランタンを毛深い男から受け取って――
「うわあああああああああぁあああ!?なんだお前!?」
「どんだけ無視だ。オイ」
「ファング君…ナイスシカト…」
数歩ほど後退って派手に驚くファングに、思わず突っ込む毛深の男。
月見も呼吸すら満足にできないくせに、親指を立ててくる。
「毛ぇ濃いくせに存在感薄いんだもん。勘弁してくれよまったく」
くっ――と、ワッチが巨体を屈めて笑いをこらえていた。
ファングはランタンを持ったまま少し考えて、頭の後ろを掻きながら手を縦にして見せる。
「ごめん最初っからやりなおしてくんない?聞いてなかったわ俺」
「てめぇ…おちょくってんじゃねぇ!」
そのあたりが限界だったらしく――
一斉に男達が、ずらりと剣を抜き放った。
NPC:悪人面グループ
場所:ヴァルカン/炭鉱の中
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赤、橙、黄、緑、青…
七色に染め上げられてゆく炭鉱の中で、呆然と全員、立ち尽くす。
光を放つ剣を持って、所在無さげに視線をうろつかせているワッチ。
いつの間に現れたのか、やたら身体の大きい男に首を絞められている月見。
表情を見る限りそれほど切羽詰っていないようだが、顔色が酸欠で紫色になっている。
そして自分はと言うとだ。
「素晴しい天気ですな今日は」
「真っ暗だぞ」
腰の後ろで手なぞを組みながら言ってみたが、月見の首を絞めている男に
即答され。ことばを失う。
とりあえずすべきことを考えて、手を打つ。
「ワッチワッチ、こっち」
「え?あ、あぁ」
ワッチに手招きして、光を近づけさせる。
よっこいしょとか言いながらザックを漁り、ようやく手に確かな感触を得て
引っ張り上げる。
「あったあった!いやー俺のうっかりさんめっ☆」
「しまった」という風に拳でかるく自分の頭を叩いてからランタンを取り出し、
一緒に出した発火剤を着けた木片を、手ごろな岩に擦り付ける。
ぽぅ、という小さな音をたてて、柔らかな光が燈った。
それをランタンに移し――木片を振って消すと、ランタンを手に立ち上がる。
「これでオッケー!」
同時に、火を点けるのを見届けたかのようなタイミングで七色の光も失われてゆく。
どうやらこの剣の光は、時間が経つと消えるらしい。
「…って待たんかコラ――ッ!」
突如響いた声にランタンを向けると、火の色よりもっと顔を紅潮させた男が
怒鳴っている。その太い指でこちらを指差し、唾を飛ばす。
「てめぇさっきから無視したりシカトしたり!」
「どっちも同じじゃん」
「うるせぇ!いいか、この嬢ちゃん…?を死なせたくなかったら――」
「ゴツイおじ様、なんで今『嬢ちゃん』に疑問符つけたんデスか…★」
男と月見のやりとりを聞き流しながら、ランタンを左手に、空いた右手の小指で
退屈そうに耳の穴をいじる。
それが癪(しゃく)に障ったらしく、男がさらに声を張り上げる。
「なかったら、アレを渡せ!もう手に入れたんだろ!?」
「アレって何よ。――ちょっとワッチ持っててコレ」
ランタンを隣のワッチに渡そうとするが、剣を持っているので無理と感じ、
ワッチが腕を掴んでいる男に渡してから、ポケットから使い捨てのハンカチを出して
手を拭きながら顔も上げずに聞く。
「この炭鉱にヤツが隠した財宝があるはずだ!まさか無ぇとは言わせねえぞ」
「うんうん。あ、サンキュ」
ランタンを毛深い男から受け取って――
「うわあああああああああぁあああ!?なんだお前!?」
「どんだけ無視だ。オイ」
「ファング君…ナイスシカト…」
数歩ほど後退って派手に驚くファングに、思わず突っ込む毛深の男。
月見も呼吸すら満足にできないくせに、親指を立ててくる。
「毛ぇ濃いくせに存在感薄いんだもん。勘弁してくれよまったく」
くっ――と、ワッチが巨体を屈めて笑いをこらえていた。
ファングはランタンを持ったまま少し考えて、頭の後ろを掻きながら手を縦にして見せる。
「ごめん最初っからやりなおしてくんない?聞いてなかったわ俺」
「てめぇ…おちょくってんじゃねぇ!」
そのあたりが限界だったらしく――
一斉に男達が、ずらりと剣を抜き放った。
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