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2024/11/01 10:13 |
浅葱の杖ーー其の二十一/ファング(熊猫)
キャスト:トノヤ・月見・ファング
NPC:ワッチ
場所:ヴァルカン/古い屋敷敷地内
―――――――――――――――
なんの説明もなくただ不気味に佇んでいる屋敷を前に、ファングは
呆然とするしかなかった。

「…何だこりゃ」

かすれた声で、うめく。答えを期待してはいなかった。
あったとしても、きっとろくなものではないだろうが。

空腹で倒れている月見を棒でつつきながら、トノヤが面倒くさそうに
息を吐く。

「どうでもいいけど、俺ら結局どうなったわけ?つーかここどこよ?」
「そう遠くまで来てないぞ。日も傾いてないし」

ワッチがいやに真面目な顔で空を見ている。
ファングは空腹だけで満たされた腹を撫でてから、

「問題はさぁ、なんで俺らがここに連れて来られたかだよね」

したり顔で額のバンダナに手をやって、ごちる。
足は自然と屋敷の裏へと向かう。周辺は霧と森で囲まれ、他に人家はない。
しかも、屋敷へと続く道が――けもの道すらない。
手入れをされていないというより、人が出入りしていた様子がない。
まるでただの広場に、この屋敷が『置かれた』ような・・・。

その事に少なからず戦慄を覚えたファングは、答えを待たずに足を早めた。
壁が切れ、屋敷の裏が霧の中から出現する――

「うぉい…」


墓地である。


規模はそれほどではないが、少なくとも20基ほどの墓石が並んでいる。
更に増した寒気を抑えるようにして、思わずファングは
自分の二の腕を掴んだ。

「なぁ、おい。皆こっち来―」
「黄泉の国へよーこそー」
「ひぎゃあああああああああ!」

振り返ったすぐその目の前に、ランタンで照らされたトノヤの顔(白目)
が出現したので、ファングは思わず悲鳴をあげていた。

「よーこそー」

パニックに陥りそうになる自分の胸を押さえ、唾を飛ばさん勢いで
叱咤する。

「いや、それはもういいから!」
「ひゃっひゃっひゃっ」

飽きずに笑うトノヤを振り払って、ファングは言葉を続けた。

「おかしいって!なんで屋敷の裏が墓地なんだよ?」
「葬儀屋だったとか。名付けて葬儀屋敷」
「いや、いくら葬儀屋でも自分の家に墓地作んないから。
つか意味不明だから」

顔色ひとつ変えずに言うトノヤに、膝から力が抜ける。
ワッチと月見は、とうとう屋敷のドアを壊しにかかっていた。
特に月見に丸め込まれたらしいワッチが、岩を掲げているのが酷く気掛かり
で、
さすがにファングは止めに入った。

「やめろそこの破天荒と破廉恥!」

―――――――――――――――
文なんて書き方忘れたんですけど。
つか、焼きプリンの意味がわかんねぇ。
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2007/03/09 01:05 | Comments(0) | TrackBack() | ●浅葱の杖

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