PC:アベル ヴァネッサ
NPC:リリア リック
場所:エドランス国 アカデミー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
もう一度校舎内に戻り職員室前に戻った四人は、壁にすえられた掲示板の
ところで足を止めた。
そこにはアカデミーで行われる一月分の授業の表が張り出されていた。
表には「実技・槍・1」や、「実技・精霊・3」なんてのや、「座学・剣・
2」や「座学・政治・4」などが、各教室と時間で区切れたマス目に配置され
ていた。
リリアはどこに持っていたのか、両掌を合わせたぐらいの紙切れを取り出
すと、ヴァネッサとアベルの前に差し出して見せた。
「この表にあるのが私たちが受けられる授業の一覧で、実技は実践、座学は
講義のみのこと、後の数字は授業の進行番号で、1から順に内容が進むよう
になってるの。クラスの授業と旨く調節して好きなのをこの申し込み用紙に
書いて職員室の受付にだすんだよ。」
リリアがみせた紙には名前と希望授業を書き込めるようになっていた。
「朝きたら出しておくってのが基本かな。クラスの授業も私たちのような二
巡目以降になると出なくても問題ないのもでてくるから、日によってはこっ
ちを優先させたりいろいろ自由にできるんだよ。」
それに頷きながらリックも付け加える。
「クラスの授業は各クラスでばらばらだから、この表にはいちいち書いてな
いし、進み方も教師によってぜんぜん違うから、一日の予定がはっきりする
当日の朝に出すのが良いんだ。」
へーなるほど、と感心するアベル。
ヴァネッサも感心してきいていたが、ふと気づいたように言った。
「れにしても、当日の朝でこれだけの生徒の受講希望にあわせて、予定を処
理できるなんて、すごいですね。」
お、とリックが見直したようにヴァネッサをみる。
「眼の付け所が良いね。食堂のと同じで、この情報処理・管理システムもア
カデミーの開発したものなんだぜ。」
「えー?魔法とか料理とか武具とかそういうのはわかるけど、なにそれ?」
「んー、アベルはいまいちわかってないみたいだけど、こういうところが凄
いとこなんだぜ。王宮だってこのシステム使ってるから、エドランスは行政
処理が迅速正確って評判を得られてるんだ。」
「・・・・・・へー・・・・・・。」
アベルは「とにかく凄いことらしい。」といった感じて気のない返事を返
したが、ヴァネッサにはなんとなくわかる気がした。
実家の宿でも宿泊予定や食堂の注文とか少し込み合うととたんに混乱して
間違わないように必死になったことがあるからかもしれない。
不特定多数の情報を管理し適切に処理をする。
人がこなす事としてこれはかなり難しいことの一つなのだ。
「あはははは、だめだめ。」
こまったアベルの助け舟というわけでもないだろうが、リリアが話に割り
込みリックの口をふさぐ。
「リックはそういう地味~な話語りだすと長いんだから。」
「ちょ、おい!」
「はいはい、とにかく受けたい授業はあさいちでここにだしにくれば良いっ
てこと。」
リックを適当にあしらいながらリリアはアベルとヴァネッサに念を押した。
「うーん、それにしても俺たち、ここのこと何んにもしらねえなぁ。」
アベルがさすがに考えるようにつぶやいた。
「やっぱリック達みたいに予備校?とかいっかなきゃならんのかな?」
「なーにいってるのよ。」
「そうそう、別に俺たちもそこで教えてもらったわけじゃないぞ。」
リリアもリックも笑いながら首を振る。
「アカデミーでは全部自分でやっていくのが基本なんだ。この専門課程の授
業にしたって自分で選択してとっていくんだ。別に先生が決めてくれるわけ
じゃないし、とり方やそれぞれの授業の説明をしてもらえるわけでもない。
買い物の仕方にしたって、もっといえば施設の場所なんかもね。」
リックのことばにリリアも少し前を思い出すようにに続ける。
「私たちも能天気に過ごしてたら、授業の申し込みはわからないし、買い物
もどこですればいいかもわからない。ギルドの仕事しながらやっていくつも
りだったのにどこが窓口かもわからない、でかなりトホホだったんだ。」
少し照れたようにいったリリアはそこで明るい笑顔を見せた。
「でもね親切な先輩にあえて、色々教えてもらえたんでなんとかなったの。」
自分たちが親切にしてもらったから、次は別誰かに・・・・・・。
なんていうほどお人好しの二人ではなかったが、友達に最初にしてやれる
こととしてはこれだろうと思ったのは確かだった。
照れ笑いをうかべるリリアとリックをみて、なんとなく気持ちを察したア
ベルとヴァネッサもつられて笑顔になる。
「情報収集は冒険者の基本とはいえ、こんなことで時間つぶすのは何だしな。」
そういってリックは軽くアベルの肩を叩いた。
「これで大体必要なことはわかったと思うけど・・・・・・どうする? なんだか
んだまわってるうちに結構良い時間だけど?」
なんならのまま街にでも繰り出してみるか?そうリックがきいてきたので、
アベルとヴァネッサは顔を見合わせて頷いた。
「今日はいったん戻りましょう。早くかえれるなら女将さんの手伝いもでき
るし、ね。」
「そうだなぁ、今日のところはそうしたほうがいいか。手伝える時はなるべ
く戻ってないと忙しくなったら迷惑かけるんだろうし。」
意見をあわせる姉弟にリリアもリックも頷いて見せた。
「それじゃあ仕方ないねー。」
「ん、じゃあ俺たちは単位の引継ぎの手続きとかもあるから。」
リリアとリックは用があるということなので、姉弟は先に帰ることにした。
NPC:リリア リック
場所:エドランス国 アカデミー
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もう一度校舎内に戻り職員室前に戻った四人は、壁にすえられた掲示板の
ところで足を止めた。
そこにはアカデミーで行われる一月分の授業の表が張り出されていた。
表には「実技・槍・1」や、「実技・精霊・3」なんてのや、「座学・剣・
2」や「座学・政治・4」などが、各教室と時間で区切れたマス目に配置され
ていた。
リリアはどこに持っていたのか、両掌を合わせたぐらいの紙切れを取り出
すと、ヴァネッサとアベルの前に差し出して見せた。
「この表にあるのが私たちが受けられる授業の一覧で、実技は実践、座学は
講義のみのこと、後の数字は授業の進行番号で、1から順に内容が進むよう
になってるの。クラスの授業と旨く調節して好きなのをこの申し込み用紙に
書いて職員室の受付にだすんだよ。」
リリアがみせた紙には名前と希望授業を書き込めるようになっていた。
「朝きたら出しておくってのが基本かな。クラスの授業も私たちのような二
巡目以降になると出なくても問題ないのもでてくるから、日によってはこっ
ちを優先させたりいろいろ自由にできるんだよ。」
それに頷きながらリックも付け加える。
「クラスの授業は各クラスでばらばらだから、この表にはいちいち書いてな
いし、進み方も教師によってぜんぜん違うから、一日の予定がはっきりする
当日の朝に出すのが良いんだ。」
へーなるほど、と感心するアベル。
ヴァネッサも感心してきいていたが、ふと気づいたように言った。
「れにしても、当日の朝でこれだけの生徒の受講希望にあわせて、予定を処
理できるなんて、すごいですね。」
お、とリックが見直したようにヴァネッサをみる。
「眼の付け所が良いね。食堂のと同じで、この情報処理・管理システムもア
カデミーの開発したものなんだぜ。」
「えー?魔法とか料理とか武具とかそういうのはわかるけど、なにそれ?」
「んー、アベルはいまいちわかってないみたいだけど、こういうところが凄
いとこなんだぜ。王宮だってこのシステム使ってるから、エドランスは行政
処理が迅速正確って評判を得られてるんだ。」
「・・・・・・へー・・・・・・。」
アベルは「とにかく凄いことらしい。」といった感じて気のない返事を返
したが、ヴァネッサにはなんとなくわかる気がした。
実家の宿でも宿泊予定や食堂の注文とか少し込み合うととたんに混乱して
間違わないように必死になったことがあるからかもしれない。
不特定多数の情報を管理し適切に処理をする。
人がこなす事としてこれはかなり難しいことの一つなのだ。
「あはははは、だめだめ。」
こまったアベルの助け舟というわけでもないだろうが、リリアが話に割り
込みリックの口をふさぐ。
「リックはそういう地味~な話語りだすと長いんだから。」
「ちょ、おい!」
「はいはい、とにかく受けたい授業はあさいちでここにだしにくれば良いっ
てこと。」
リックを適当にあしらいながらリリアはアベルとヴァネッサに念を押した。
「うーん、それにしても俺たち、ここのこと何んにもしらねえなぁ。」
アベルがさすがに考えるようにつぶやいた。
「やっぱリック達みたいに予備校?とかいっかなきゃならんのかな?」
「なーにいってるのよ。」
「そうそう、別に俺たちもそこで教えてもらったわけじゃないぞ。」
リリアもリックも笑いながら首を振る。
「アカデミーでは全部自分でやっていくのが基本なんだ。この専門課程の授
業にしたって自分で選択してとっていくんだ。別に先生が決めてくれるわけ
じゃないし、とり方やそれぞれの授業の説明をしてもらえるわけでもない。
買い物の仕方にしたって、もっといえば施設の場所なんかもね。」
リックのことばにリリアも少し前を思い出すようにに続ける。
「私たちも能天気に過ごしてたら、授業の申し込みはわからないし、買い物
もどこですればいいかもわからない。ギルドの仕事しながらやっていくつも
りだったのにどこが窓口かもわからない、でかなりトホホだったんだ。」
少し照れたようにいったリリアはそこで明るい笑顔を見せた。
「でもね親切な先輩にあえて、色々教えてもらえたんでなんとかなったの。」
自分たちが親切にしてもらったから、次は別誰かに・・・・・・。
なんていうほどお人好しの二人ではなかったが、友達に最初にしてやれる
こととしてはこれだろうと思ったのは確かだった。
照れ笑いをうかべるリリアとリックをみて、なんとなく気持ちを察したア
ベルとヴァネッサもつられて笑顔になる。
「情報収集は冒険者の基本とはいえ、こんなことで時間つぶすのは何だしな。」
そういってリックは軽くアベルの肩を叩いた。
「これで大体必要なことはわかったと思うけど・・・・・・どうする? なんだか
んだまわってるうちに結構良い時間だけど?」
なんならのまま街にでも繰り出してみるか?そうリックがきいてきたので、
アベルとヴァネッサは顔を見合わせて頷いた。
「今日はいったん戻りましょう。早くかえれるなら女将さんの手伝いもでき
るし、ね。」
「そうだなぁ、今日のところはそうしたほうがいいか。手伝える時はなるべ
く戻ってないと忙しくなったら迷惑かけるんだろうし。」
意見をあわせる姉弟にリリアもリックも頷いて見せた。
「それじゃあ仕方ないねー。」
「ん、じゃあ俺たちは単位の引継ぎの手続きとかもあるから。」
リリアとリックは用があるということなので、姉弟は先に帰ることにした。
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