キャスト:トノヤ・ファング
NPC:ワッチ・月見・アイボリー
場所:ヴァルカン/炭鉱の中
―――――――――――――――
「ほらほら、あたふたしている場合ではありませんよ」
「だいたいどれくらいでゲームオーバーなんだ?」
「そうですね、私がこの本を読み終わるくらいの間でしょうか」
と言ってアイボリーは懐からぶあつい辞書のような本を取り出して硬い表紙をめくっ
た。
よくよくみると、
「ウ、ウィルド聖書……」
「あなたのコトも載ってますよファング」
「ウハァ!それは是非とも読ませて頂きた……グゥ」
「そんな暇ないだろ月見!」
ワッチの太い頑強な腕にガッツリ固定され、青くなったり赤くなったりしている月見。
アイボリーは本を開いてから一度も顔をあげることもなくウィルド聖書なるものを読
みふけっている。
気付けばもうかなりのページをめくっている。
「オイオイ早すぎだろ読むの」
「大した内容じゃないんだって、きっと。絶対ロクなもんじゃない。絶対」
そこでやっとアイボリーが顔をあげる。
「なかなか面白いですよ。『そう、あれはファングがまだ歩き始めた頃のことだ…な
んとファングのやつピョ……』」
「だーーーー!!!音読しなくていいっての!!」
「ピョってなんですかー!ピョって!気になりまくりですよっ」
「どーでもいいけど早くいかないとヤバいんじゃないのー?」
ウィルド聖書を強奪しようとする月見と、ソレを必死の形相で阻止しようとしている
ファングを、ワッチは遠くから寂しそうに催促するが2人とも聞いちゃいない。
トノヤはこちらから丸見えのトラップを眺めながら、隣であくびなんぞかましている。
「なぁオヤジ殿。アレ、持ち上げられっか?」
「ん?どれだ?」
アレだよアレ、とトラップの一部を指さすトノヤ。
ヒトの頭程の大きさをした鉄球のようだ。
鎖で歯車と連結している。
「なめるなよ少年。こんなもの……フンッ!!」
「おーすげーすげー。じゃあさ、それをこの歯車に噛ませてさぁ」
「フムフム……よっと!」
ガションッ!と一瞬トラップが作動しかけたが、ワッチが置いた鉄球が動きそうになっ
た歯車にひっかかり不発に終わる。
トノヤは得意げに口の端を歪め、ワッチを見た。
「どうよオヤジ殿。地道にこーやってきゃあ、後ろから丸見えのトラップを逆走する
なんてワケないぜ」
「やるねえ少年。よし次はどこだ!?」
「あのロープをだなぁ……」
「月見ーー!いいかげんにしろよーー!!」
「ハァハァなんのっ!そんなまでして阻止しようとするなんて、どんな秘密が書いて
あるのやらっ!」
「おやめなさいって。おやめなさいってお嬢さん……ところで後ろの2人はもうずい
ぶんと先に進んでいるようですが宜しいのですか?」
『ええ!?』
同時にファングと月見が後ろを振り返る。
非情な2人はもうすでにいくつものトラップをはさんで頭のてっぺんしか見えない。
「何!?何!?ひどくない!?ワッチまで先行っちゃったのォ!?」
「放置プレイですかい!?」
「さ、気を取り直して。ほらほらもう杖は動きだしてますよ」
ハッ、と手元の杖を見ると杖が手首の方まで侵食してきていた。
喰われたらしい左手は杖とおなじガラス化し、感覚も無かった。
「や、やばいってーー!」
「うひょー左手が素敵なことに★是非とも私の手をもば!」
騒ぐ2人をよそにアイボリーはウィルド聖書なるモノを読みふけっている。
NPC:ワッチ・月見・アイボリー
場所:ヴァルカン/炭鉱の中
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「ほらほら、あたふたしている場合ではありませんよ」
「だいたいどれくらいでゲームオーバーなんだ?」
「そうですね、私がこの本を読み終わるくらいの間でしょうか」
と言ってアイボリーは懐からぶあつい辞書のような本を取り出して硬い表紙をめくっ
た。
よくよくみると、
「ウ、ウィルド聖書……」
「あなたのコトも載ってますよファング」
「ウハァ!それは是非とも読ませて頂きた……グゥ」
「そんな暇ないだろ月見!」
ワッチの太い頑強な腕にガッツリ固定され、青くなったり赤くなったりしている月見。
アイボリーは本を開いてから一度も顔をあげることもなくウィルド聖書なるものを読
みふけっている。
気付けばもうかなりのページをめくっている。
「オイオイ早すぎだろ読むの」
「大した内容じゃないんだって、きっと。絶対ロクなもんじゃない。絶対」
そこでやっとアイボリーが顔をあげる。
「なかなか面白いですよ。『そう、あれはファングがまだ歩き始めた頃のことだ…な
んとファングのやつピョ……』」
「だーーーー!!!音読しなくていいっての!!」
「ピョってなんですかー!ピョって!気になりまくりですよっ」
「どーでもいいけど早くいかないとヤバいんじゃないのー?」
ウィルド聖書を強奪しようとする月見と、ソレを必死の形相で阻止しようとしている
ファングを、ワッチは遠くから寂しそうに催促するが2人とも聞いちゃいない。
トノヤはこちらから丸見えのトラップを眺めながら、隣であくびなんぞかましている。
「なぁオヤジ殿。アレ、持ち上げられっか?」
「ん?どれだ?」
アレだよアレ、とトラップの一部を指さすトノヤ。
ヒトの頭程の大きさをした鉄球のようだ。
鎖で歯車と連結している。
「なめるなよ少年。こんなもの……フンッ!!」
「おーすげーすげー。じゃあさ、それをこの歯車に噛ませてさぁ」
「フムフム……よっと!」
ガションッ!と一瞬トラップが作動しかけたが、ワッチが置いた鉄球が動きそうになっ
た歯車にひっかかり不発に終わる。
トノヤは得意げに口の端を歪め、ワッチを見た。
「どうよオヤジ殿。地道にこーやってきゃあ、後ろから丸見えのトラップを逆走する
なんてワケないぜ」
「やるねえ少年。よし次はどこだ!?」
「あのロープをだなぁ……」
「月見ーー!いいかげんにしろよーー!!」
「ハァハァなんのっ!そんなまでして阻止しようとするなんて、どんな秘密が書いて
あるのやらっ!」
「おやめなさいって。おやめなさいってお嬢さん……ところで後ろの2人はもうずい
ぶんと先に進んでいるようですが宜しいのですか?」
『ええ!?』
同時にファングと月見が後ろを振り返る。
非情な2人はもうすでにいくつものトラップをはさんで頭のてっぺんしか見えない。
「何!?何!?ひどくない!?ワッチまで先行っちゃったのォ!?」
「放置プレイですかい!?」
「さ、気を取り直して。ほらほらもう杖は動きだしてますよ」
ハッ、と手元の杖を見ると杖が手首の方まで侵食してきていた。
喰われたらしい左手は杖とおなじガラス化し、感覚も無かった。
「や、やばいってーー!」
「うひょー左手が素敵なことに★是非とも私の手をもば!」
騒ぐ2人をよそにアイボリーはウィルド聖書なるモノを読みふけっている。
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