……………………………………………………
PC:ファング、トノヤ、月見
NPC:ワッチ
場所:元鍛冶屋の家/ヴァルカン
……………………………………………………
塩っ気たっぷりの袋の中へ無造作に入れられた杖に、魅入られながらドワーフの親
父は
「ふむ。わしゃぁ、ガラス細工は専門外での」
あっさり言いのけた。
「え、ええっ!まじっすか!」
本気でファングの顔から色が無くなった。
「ジャガバタおでん風味がいけなかったのですかっ。これは思わぬ落とし穴!コンソ
メパンチにしとけばよかった……!」
「オレはジャガバタおでん風味の方が好きだけどな」
「おっ!流石副将軍トノヤ殿っ★通ですなぁウヒヘヘヘ。実はわたしも……」
「いい加減にしてくれよオマエラ」
ワッチが拳を「は~っ」と息を吹き掛けながら月見とトノヤを見おろした。
それだけでワッチが暗に言わんとしていることが二人に充分と伝わった。
「お、俺どうすれば……」
「まあまあ、ファングもそう落ち込むことないって。親父なんとかしてやってくれよ」
「うむ」
うむ、といったままドワーフは店の奥に入っていってしまった。
その言葉は了解の意なのか、ただのあいづちなのか曖昧な言い方だった。
「手に追えなくて逃げたかあのハゲ」
「じっちゃまハゲ!?つるぴかですか!?」
「キツキツの帽子から毛ぇ見えてた気がするけど?老人だからってだれでもハゲてる
とはかぎらないんだぞ少年」
「いや、精神的に」
「誰がハゲじゃっ!それに逃げとらんわい!失礼極まりない若造じゃの」
短い足をせわしなく動かしながらドワーフは戻ってきた。
手には、地図らしき紙とメモ用の羊皮紙がにぎられている。
工具やら商品やらがごっちゃになって散らかったカウンターに顔を出し、おもむろ
に、地図を広げられるだけのスペースを両手でかき分け無理矢理作った。
ガチャガチャといくつか物が落ちたが、そんなことは気にも止めていない。
使い込まれて年季の入っているらしいボロボロの地図をカウンターに広げた。
この町の地図らしい。
そうとう古い物らしく記述されている地形すら違うように見える。
「ここがワシの店」
といって、そこらに落ちていた石炭で迷いもなく印をつけた。
紙の左下の隅の方、川を示しているのであろう水色の線が書かれている横が現在位
置らしい。
地図で見るとここが町のずいぶん外れにあるのがわかる。
「で、ここ」
地図の対角線上、右上の隅、ここから真逆の方角だ。これまたずいぶんと町に外れ
ている場所を、石炭でまた印をつけた。
短い腕をのばしたときに、さっきつけた現在位置の印がこすれて消えかかった。
「ここらへんにワシの知り合いのガラス職人がおるのじゃよ。これがまた良い仕事を
するやつでの」
「こんなに遠いの!?下手したら隣の町に行けちゃうくらい距離あるよこれ」
「町の中に行けば列車でもなんでも交通手段はあるでの」
簡単に言ってくれる。
「だりーなオイ」
「文句言わない」
「うっひょーう、列車移動ですかっ!修学旅行のノリですな★ドッキドキー」
「金……あったかな」
四人の意見などなんのその。我関せず。ドワーフは羊皮紙に何か書き出した。今度
はちゃんとインクを使っているようだ。
「ほれっ紹介状じゃ。さっさと行ってくるんじゃな」
といって、紙を四つ折にして差し出し、地図をクルクルとまるめてカウンターから
おりてしまった。
「えっ!ちょっと待って、場所まだ良く見てな……」
「なんじゃと!?ぐずじゃのう。しょうがないこの地図持って行くがええ」
別にもう一度見せてくれるだけで良いのに、ドワーフは地図まで持たせてくれた。
中途半端に大きい古臭い地図でなくても、最新の地図(ガイド付)をファングは持っ
ていた。
だが、強引ではあるが好意なのだろう。断わることも出来ず、受け取ってしまった。
一行はとりあえず、鍛冶屋"暴れ山羊"を出て、宿に戻り今後の予定をきちんとたて
ることにした。
草を除けただけの粗末な小道を通り、川を渡ろうとしたあたりで、
「そういや少年はいつまで一緒にいるんだ?」
「あん?」
四人の足は自然と止まった。
「あー……そうだな。っていうか何でオレここにいるんだっけ?」
「盗賊っぽいやつらとトノヤん一緒にいて、何か、良く覚えてないけどついてきたん
じゃん」
『……………』
「まあ、あれだ。ノリだなノリ。いーじゃん気にすんなよ、たびは道連れ世は情けっ
てな!ハッハッ」
しばらくの間のあと、トノヤはやけに軽いノリで言い放った。
別に害はなさそうだと踏んだらしく、そのまま一行は宿場の方へ歩き出した。
PC:ファング、トノヤ、月見
NPC:ワッチ
場所:元鍛冶屋の家/ヴァルカン
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塩っ気たっぷりの袋の中へ無造作に入れられた杖に、魅入られながらドワーフの親
父は
「ふむ。わしゃぁ、ガラス細工は専門外での」
あっさり言いのけた。
「え、ええっ!まじっすか!」
本気でファングの顔から色が無くなった。
「ジャガバタおでん風味がいけなかったのですかっ。これは思わぬ落とし穴!コンソ
メパンチにしとけばよかった……!」
「オレはジャガバタおでん風味の方が好きだけどな」
「おっ!流石副将軍トノヤ殿っ★通ですなぁウヒヘヘヘ。実はわたしも……」
「いい加減にしてくれよオマエラ」
ワッチが拳を「は~っ」と息を吹き掛けながら月見とトノヤを見おろした。
それだけでワッチが暗に言わんとしていることが二人に充分と伝わった。
「お、俺どうすれば……」
「まあまあ、ファングもそう落ち込むことないって。親父なんとかしてやってくれよ」
「うむ」
うむ、といったままドワーフは店の奥に入っていってしまった。
その言葉は了解の意なのか、ただのあいづちなのか曖昧な言い方だった。
「手に追えなくて逃げたかあのハゲ」
「じっちゃまハゲ!?つるぴかですか!?」
「キツキツの帽子から毛ぇ見えてた気がするけど?老人だからってだれでもハゲてる
とはかぎらないんだぞ少年」
「いや、精神的に」
「誰がハゲじゃっ!それに逃げとらんわい!失礼極まりない若造じゃの」
短い足をせわしなく動かしながらドワーフは戻ってきた。
手には、地図らしき紙とメモ用の羊皮紙がにぎられている。
工具やら商品やらがごっちゃになって散らかったカウンターに顔を出し、おもむろ
に、地図を広げられるだけのスペースを両手でかき分け無理矢理作った。
ガチャガチャといくつか物が落ちたが、そんなことは気にも止めていない。
使い込まれて年季の入っているらしいボロボロの地図をカウンターに広げた。
この町の地図らしい。
そうとう古い物らしく記述されている地形すら違うように見える。
「ここがワシの店」
といって、そこらに落ちていた石炭で迷いもなく印をつけた。
紙の左下の隅の方、川を示しているのであろう水色の線が書かれている横が現在位
置らしい。
地図で見るとここが町のずいぶん外れにあるのがわかる。
「で、ここ」
地図の対角線上、右上の隅、ここから真逆の方角だ。これまたずいぶんと町に外れ
ている場所を、石炭でまた印をつけた。
短い腕をのばしたときに、さっきつけた現在位置の印がこすれて消えかかった。
「ここらへんにワシの知り合いのガラス職人がおるのじゃよ。これがまた良い仕事を
するやつでの」
「こんなに遠いの!?下手したら隣の町に行けちゃうくらい距離あるよこれ」
「町の中に行けば列車でもなんでも交通手段はあるでの」
簡単に言ってくれる。
「だりーなオイ」
「文句言わない」
「うっひょーう、列車移動ですかっ!修学旅行のノリですな★ドッキドキー」
「金……あったかな」
四人の意見などなんのその。我関せず。ドワーフは羊皮紙に何か書き出した。今度
はちゃんとインクを使っているようだ。
「ほれっ紹介状じゃ。さっさと行ってくるんじゃな」
といって、紙を四つ折にして差し出し、地図をクルクルとまるめてカウンターから
おりてしまった。
「えっ!ちょっと待って、場所まだ良く見てな……」
「なんじゃと!?ぐずじゃのう。しょうがないこの地図持って行くがええ」
別にもう一度見せてくれるだけで良いのに、ドワーフは地図まで持たせてくれた。
中途半端に大きい古臭い地図でなくても、最新の地図(ガイド付)をファングは持っ
ていた。
だが、強引ではあるが好意なのだろう。断わることも出来ず、受け取ってしまった。
一行はとりあえず、鍛冶屋"暴れ山羊"を出て、宿に戻り今後の予定をきちんとたて
ることにした。
草を除けただけの粗末な小道を通り、川を渡ろうとしたあたりで、
「そういや少年はいつまで一緒にいるんだ?」
「あん?」
四人の足は自然と止まった。
「あー……そうだな。っていうか何でオレここにいるんだっけ?」
「盗賊っぽいやつらとトノヤん一緒にいて、何か、良く覚えてないけどついてきたん
じゃん」
『……………』
「まあ、あれだ。ノリだなノリ。いーじゃん気にすんなよ、たびは道連れ世は情けっ
てな!ハッハッ」
しばらくの間のあと、トノヤはやけに軽いノリで言い放った。
別に害はなさそうだと踏んだらしく、そのまま一行は宿場の方へ歩き出した。
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