忍者ブログ
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


2024/05/17 00:14 |
ワッチ「大騒ぎ!?」/ワッチ(さるぞう)
PT:  ワッチ、ファング、月見
PC:  ワッチ、ファング、月見
場所: ヴァルカン(”月見亭”の温泉)

-------------------------------------------
オイラはワッチ、今は温泉に浸かってる…

「って…とこか な」

丁度さっき知り合った、名前も知らない奴の最後の声が、ちょっと震えた気がしたん
だけど、気のせいだろっ

「ふーん、一人旅ってこたぁ、冒険者か?」
その男の身体のあちこちにゃ、大小の傷が見える。
普通の旅人じゃぁ、あんまり考えられねぇ。

「ま…ねっ」
オイラは返事をしたその男の視線の先が気になった。
どう見ても、気がオイラの背後の湯気の向こうに行ってるみてぇだったからな。

「……ここってもしかした、憧れの男湯☆っすか」
振り返ると、そこには…目を輝かせながら、オイラ達を見ている、ずぶ濡れの少女…
どー見たって風呂に入る格好じゃねぇ…

「………おい、ここって混浴だったっけ?」
オイラはさっきから固まっている男に向かって聞いてみた。

「………はっ!…違うと思うけど、って言うか混浴でも服着て入らないっしょ?」
オイラの一声で我にかえったのか、男はオイラと視線を合わせた。

「見た所、ここは温泉、そして、男風呂、この二人の他は、ボクだけ☆ もしかして
ハーレムっ」

きゃぁきゃぁと意味不明の言葉を羅列しながら、オイラの目の前の女の子はバシャバ
シャとお湯を掻き分け、はしゃいでいる。

「おいっ、おい!お前ぇ」
騒ぐ女の子にオイラは大声で呼びかける。

「はいな?なんでしょう?」
きょとんとした表情で、オイラを見つめる…状況が分かってやってるのか、それとも
頭がおかしい可哀相な子なのか判断がつきにくいぜっ。

「ちょっと聞きてぇんだが…なんでお前ぇ服着てるんだ?」
聞き方がおかしかったかな、と思ったがまっ良いか。

「……これはひょっとしてセクハラ返し?☆ボクにこの服を脱げと?」
嬉々として自分の服を脱ごうとする女の子。

「ちが-うっ!!!脱ぐな、触るな、黙っておいらの質問に答えろっ!」
半脱ぎになりながらオイラににじり寄る女の子。
後で名前を聞いたファングって奴は、呆然とオイラと月見(これも後で聞いた)のや
り取りを見ている。

「へっ?違う?温泉でいたいけな少女を襲う、素敵な男性二人組…萌えるシュチエー
ションぢゃあーりませんか☆」
オイラ頭痛くなってきた…

と、オイラが頭を抱え視線を落とすと…

バシャ---ン

少女がお湯の中に突然崩れ落ちるように沈んでいったんだ…そう、スローモーション
のようにゆっくりと…
そして、はじけたお湯の音だけが、オイラの耳にいつまでも残っていた。

「ちょ、ちょっとっ、助けなきゃ!」
ふと男を見ると、少女の沈んだ場所にバシャバシャと近づいて少女を引っ張り上げて
いる。

「ぼーっとしてないで、早く彼女を部屋にでも運ばなきゃ!」
男の一声に、オイラは少女を受け取り担ぎ上げると、温泉を後に、オイラの部屋まで
彼女を運び込んだんだ。

…この後オイラは鉱山のバイトを辞め、新たな冒険に旅立つ事になるんだが、そい
つぁ後の話だ。


「で、ファングつったっかな?」
お互いの自己紹介を簡潔に済ました後、倒れちまった女の子をベッドに寝かせ…着替
えさせたのはオイラだけど、別に変な事はしてねぇぞっ、念のため…
彼女が起きるのを待つ事にする。

「ああ、この娘どうすんの?」
聞きたかった事を先に言われると、ちっと腹が立ったりする…が、オイラは大人だ、
じっと我慢する。

「どうするも何も、名前もしらねぇんだぜ?起きるのを待つしかねぇんじゃなぇの
?」
まぁ、どっちが先に聞いた所で、答えは同じだったろうけどなっ。

「そっすね…のぼせたのかな?病気とかじゃないっすよね?」
聞いてくるファング…この状況でオイラが分かる訳がねぇだろう…ちょっとまた腹が
立つ。

「知るか、普通、服着た女が男湯に居て、それも騒いだと思ったら、突然倒れちまっ
て…そんな状況生まれて初めてなんだからよっ」
ちょっとだけ声が荒くなる。

「ふぅ、頼りにならないっす。」
何故か溜息を吐くファング。

プチッ…

オイラの中で何かが切れた…酒が入ってるのもあったんだろうけどよぉ…

ガチッ!

オイラはいきなりファングの腕を固める…片羽締めって奴の変形…オイラのオリジナ
ルバージョン。

「イテテテテッ、ギブ、ギブッ」
ファングの奴は、オイラの右手をパンパンとタップする。

オイラ達がドタバタやっていると、少女の口から「うーん」と声が聞こえた。




これがオイラ達の出会い……

そして、旅立ちのプロローグだった。
PR

2007/03/09 00:49 | Comments(0) | TrackBack() | ●浅葱の杖

トラックバック

トラックバックURL:

コメント

コメントを投稿する






Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字 (絵文字)



<<ランブル: a heartrending sorrow/月見(スケミ) | HOME | 虫の音。/月見(スケミ)>>
忍者ブログ[PR]