PC:エンジュ シエル レイン
NPC:ユークリッド(情報屋)オーガス(商人)
場所:夢の島ナイティア
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「で、何があったのよ」
黒こげでしょぼくれるオーガスを連行してきた巫女装束のレインに、エンジュが訊
ねた。
「だって信じられますか? 乙女の寝てる部屋に無断で入ったんですよ!」
「あ、いや、落ちついて……」
「ユークリッドさん、コレが落ち着いていられますか!?」
凄い剣幕に気圧され気味のユークリッドとは対照的に、シエルは何事もなかったか
のように白湯を飲んでいる。
エンジュは呆れ顔で二人を見比べ、言葉を続けた。
「黒こげの原因を聞きたいんじゃなくて、夢、見たんでしょ?」
ん? とエンジュが促すと、レインはようやくオーガスを解放する。
「そうですよ……忘れるところでした」
「こらこら」
気が付けばツッコミ要員となっているユークリッド。
シエルは白湯を飲み干し、腰掛けていた手頃な岩から降り立った。
「待たされてた時間は短かったわ。まだエンジュのお腹もすいてないみたいだもの」
「ちょーっとその言い方、失礼じゃない?」
「違うの?」
「まあまあ、二人とも」
いつもの光景なんだろうと思うと、レインは少し力が抜けた。
一旦空を見上げ、やはり時間感覚が無くなる光景を目の当たりにして、現状を再認
識する。
考えながら思い出しながら、少しずつ言葉を紡ぎだした。
「えーと、儀式をやったら雨が降るって言われました~」
おもむろに枯れ枝を使って地面に似顔絵を描き始める。
「こんな感じのおにーさんに」
みんなが覗き込む。
その絵は可愛らしくデフォルメされていて似ているかどうかの判断は難しい。
しかし、シエルは一人口元を緩めた。
(コレで金髪だったら、あのバカにそっくりね)
言うほどのことじゃない。シエルは黙って続きを促した。
「でも、問題があるらしくて」
なおも描き加えながら、レインが続ける。
「儀式の途中で魔王が湧いて出るそうなんですよ」
全員を座ったままの姿勢から見上げながら、レインは他人事のように告げた。
「……なぁんですってー!」
オーガスの首根っこを掴まえて前後にガクガク揺さぶりながら、エンジュが大声を
上げる。
「さあ、私の魔力を返しなさいよ。今のままで勝てるわけがないじゃない!」
「ね、姉さん……落ちつ」
「黙んなさい、ユークリッド。コレが落ち着ける訳ないでしょー!」
オーガスは失神寸前で、半分白目を剥いているように見える。
シエルはさっきのレインの反応と似てるナァと思いつつ、傍観していた。
「シエルさんも止めて下さいよ」
「つい、面白くて」
命に別状はなさそうだったし、と思う。
考えてみたら向こうの都合で振り回せれっぱなしなのだ。一回くらい蹴っ飛ばして
も罰は当たらないかもしれない。
「彼女が呪符を返して貰えたって事は、協力の意志があれば返すって事でしょ」
シエルが当然のように言うと、エンジュはオーガスの頬をぺちぺち微笑みながら叩
き始めた。
「ほーらほら、逃げたりしないから返しなさい~?」
笑ってやるから余計に怖い。
「……私もそろそろ返して欲しいわね」
冷めた目で口元だけ笑う。交渉とは名ばかりの脅迫行為だと自覚はあるのだが。
お灸を据える意味でも、まあ、許される範囲だろうと思ったのだ。
「あの……天使像の効果が……」
「ハッキリ言いなさいよ」
「発動するまでわからないんですよ」
「……はぁ?」
話の関連性が分からない。
「効果を発動する手段もいろいろで……」
「だから、アンタは何が言いたいの!?」
思わず魔法を使いそうになって、エンジュは狂喜乱舞した。
「っ……魔力が逃げないわ!」
シエルにも愛銃が差し出される。
「つまり、本来なら天使像の効果でやる儀式を、自力でやっていただくことになりま
す」
怒られると思ったのか、オーガスは頭を抱えて小さくなった。
NPC:ユークリッド(情報屋)オーガス(商人)
場所:夢の島ナイティア
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「で、何があったのよ」
黒こげでしょぼくれるオーガスを連行してきた巫女装束のレインに、エンジュが訊
ねた。
「だって信じられますか? 乙女の寝てる部屋に無断で入ったんですよ!」
「あ、いや、落ちついて……」
「ユークリッドさん、コレが落ち着いていられますか!?」
凄い剣幕に気圧され気味のユークリッドとは対照的に、シエルは何事もなかったか
のように白湯を飲んでいる。
エンジュは呆れ顔で二人を見比べ、言葉を続けた。
「黒こげの原因を聞きたいんじゃなくて、夢、見たんでしょ?」
ん? とエンジュが促すと、レインはようやくオーガスを解放する。
「そうですよ……忘れるところでした」
「こらこら」
気が付けばツッコミ要員となっているユークリッド。
シエルは白湯を飲み干し、腰掛けていた手頃な岩から降り立った。
「待たされてた時間は短かったわ。まだエンジュのお腹もすいてないみたいだもの」
「ちょーっとその言い方、失礼じゃない?」
「違うの?」
「まあまあ、二人とも」
いつもの光景なんだろうと思うと、レインは少し力が抜けた。
一旦空を見上げ、やはり時間感覚が無くなる光景を目の当たりにして、現状を再認
識する。
考えながら思い出しながら、少しずつ言葉を紡ぎだした。
「えーと、儀式をやったら雨が降るって言われました~」
おもむろに枯れ枝を使って地面に似顔絵を描き始める。
「こんな感じのおにーさんに」
みんなが覗き込む。
その絵は可愛らしくデフォルメされていて似ているかどうかの判断は難しい。
しかし、シエルは一人口元を緩めた。
(コレで金髪だったら、あのバカにそっくりね)
言うほどのことじゃない。シエルは黙って続きを促した。
「でも、問題があるらしくて」
なおも描き加えながら、レインが続ける。
「儀式の途中で魔王が湧いて出るそうなんですよ」
全員を座ったままの姿勢から見上げながら、レインは他人事のように告げた。
「……なぁんですってー!」
オーガスの首根っこを掴まえて前後にガクガク揺さぶりながら、エンジュが大声を
上げる。
「さあ、私の魔力を返しなさいよ。今のままで勝てるわけがないじゃない!」
「ね、姉さん……落ちつ」
「黙んなさい、ユークリッド。コレが落ち着ける訳ないでしょー!」
オーガスは失神寸前で、半分白目を剥いているように見える。
シエルはさっきのレインの反応と似てるナァと思いつつ、傍観していた。
「シエルさんも止めて下さいよ」
「つい、面白くて」
命に別状はなさそうだったし、と思う。
考えてみたら向こうの都合で振り回せれっぱなしなのだ。一回くらい蹴っ飛ばして
も罰は当たらないかもしれない。
「彼女が呪符を返して貰えたって事は、協力の意志があれば返すって事でしょ」
シエルが当然のように言うと、エンジュはオーガスの頬をぺちぺち微笑みながら叩
き始めた。
「ほーらほら、逃げたりしないから返しなさい~?」
笑ってやるから余計に怖い。
「……私もそろそろ返して欲しいわね」
冷めた目で口元だけ笑う。交渉とは名ばかりの脅迫行為だと自覚はあるのだが。
お灸を据える意味でも、まあ、許される範囲だろうと思ったのだ。
「あの……天使像の効果が……」
「ハッキリ言いなさいよ」
「発動するまでわからないんですよ」
「……はぁ?」
話の関連性が分からない。
「効果を発動する手段もいろいろで……」
「だから、アンタは何が言いたいの!?」
思わず魔法を使いそうになって、エンジュは狂喜乱舞した。
「っ……魔力が逃げないわ!」
シエルにも愛銃が差し出される。
「つまり、本来なら天使像の効果でやる儀式を、自力でやっていただくことになりま
す」
怒られると思ったのか、オーガスは頭を抱えて小さくなった。
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