PC@ベアトリーチェ、ルフト、オルレアン
NPC@ウィンドブルフ、旅賊リーダー・アドルフ・ハイマン
人造騎馬隊「荒猟師」、白熊の淑女アメリア
場所@エディウス~パウラ連合国境付近・スズシロ山脈中腹
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ってぶっは!げーっほげぼっ!!」
瓦礫の中から咳き込みながら飛び出してきたのは、ウィンドブルフだった。
先刻の瓦礫の衝撃で、地面に落ちていたがようやく意識を取り戻す。
「いってー…ってベア!?どこだーおーいっ!!」
周囲は砂埃で霧のようにぼやけ、ところどころで下火が燃えて揺らめいてい
る。
一緒に居た少女の姿はどこにもなく、遠くやら近くやらで激しい衝突音が響い
ている。
「はぐれたのか…?あーもうって……ん?」
慌ててばさばさと飛び立とうとした、まさにその瞬間。
本能の警告が脳裏を走るのと、砂埃の幕から突如突き出した黒い甲冑の手に足
をつかまれて引きずられたのは同時であった。
「何だっ!?」
『…魔法式で動く、半自律型の使役生物か…?』
煙が晴れていくにしたがって、彼を捉えた者達の異様な様が浮かび上がった。
黒光りする漆黒の甲冑に全身を包んだ、赤い瞳を向ける騎士兵団。
通称「荒猟師」、問答無用で旅人の命を刈り取る、悪魔の群れの名を持つ者
達。
悪魔の騎士団、砦内に侵入。
つまりは、この即興の略奪劇の盤面に毒蛾は舞い降りたということだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ー
「だぁりゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーー!!」
「うぉりゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーー!!」
二重の叫び声が同時に重なった。
自称・未来の盗賊王ことアドルフ・ハイマンと自称・未来の美貌の賞金稼ぎこ
とベアトリーチェ・ガレットの凄まじいまでの戦闘は現在周囲を破壊しながら
大行進中である。
ヌンチャクを駆使する男の周囲を、まるでツバメのようにするりするりと掠め
ながら、赤毛の少女の右手にはナイフ、左手には憎悪滴るような鉤爪。
12歳の少女にしては恐ろしく手馴れた戦闘姿である。しかしこちらも未来の
盗賊王アドルフ、培ってきた長年の近接格闘術は並ではない。
「ガキはさっさとお家に帰ってお菓子でも食ってやがれ!」
「うっさいわね!あんたらぶっ飛ばして賞金もらったらそうするわよ!
あとあたしの相棒を取り戻したらね!」
ヌンチャクの一撃が、鉤爪にさえぎられる。
と、ピシリと嫌な音がしてベアトリーチェが露骨に顔をゆがめた。
我が愛しの武器にして初代相棒のソウルシューターの爪が見事に欠けたのだ。
ピシリ、とベアトリーチェの精神にも見事な亀裂が生じたのも同じである。
「ああああああああああああああっ!
もう許さない絶対許さない死んでも許さない土下座しても脱いでもゆぅるさな
いぃぃぃぃぃぃぃぃっっ!!!」
まさにベアトリーチェがサイヤ人とかであったならば、髪が黄金に輝き全身を
炎のオーラが纏い、そして空中浮遊すら可能だっただろう。
ちなみに彼女は人間のために、そんな効果は出なかったが爆発的に殺意やオー
ラといった第六感に訴える何かが噴出された。
「甘いっての!!」
ヌンチャクの嵐の最中、ふたたび鈍い衝撃。
ついにソウルシューターの根元にヒビが入りが、ちゃん!と装備していた-左手
から零れ落ちた。
怒りと驚愕で思わず、ヌンチャクから目線をそらしたベア。
ほそく笑んだ顔で、アドルフはトドメを振り下ろしたーーーーーーー!!
「……みぃつけた………」
と、横殴りに黒い何かの群れが体当たりしてきた。
「のわぁ!!ってうわ!虫!?いや蝶、ってま、まさかっ!!」
自分の横っ腹にひっついた無数の昆虫を見て、アドルフの顔に恐怖がよぎっ
た。体から蝶をひっぺはがして立ち上がると、崩れた砦の壁の上に、そいつは
いた。
三つ編み、レースが風にそよぎ、「魔女の森色」の軍服は白いフリルと共に優
雅に舞い上がっている。
群れ纏うのは黒い虫、蝶の乱舞。三十匹はくだらない、見る者に生理的な嫌悪
を呼ぶ光景で、まさにその中核にして原因にして事象たるその軍人は。
「さあ、どうやって遊びましょうか………(恍惚)」
もはや、人に許されるはずのない、ありあらゆる邪悪と闇と狂気を湛えて微笑
んでいた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ー
「ええと、ですね。
結論するとどうやら非常にまずい展開ですねっ!!」
魔法舞台の生き残りと鉢合わせた我らがヒロインにして獣人・ルフト・ファン
グは倒れた見張り台の壁に隠れながら叫んだ。
と、頭上を掠める炎の魔法。慌てて突き出ていた耳を引っ込める。
『ルフトさん、どうしましょう。出るに出れませんわ』
白熊の淑女はおろおろと周囲を見渡しながらも、その巨体を縮こまらせる。
周囲の煙は黒だったり茶色だったりと視界が非常に悪い。
おかげで、出るにも出られず集中砲火をぎりぎりに防いでいる状態。
ソウルシューターは使い慣れてない上に、傷つけたら冥府にたどり着く前にベ
アに魂まで砕かれて消滅してしまうだろうので大切に扱っている。
それを慎重にかばいながら、なおかつ白熊の淑女を連れて出るには少々状況が
悪いのだ。
と、突如向こう側で悲鳴が響き渡った。
ルフトの聴覚に続いて飛び込んだのはいななき、蹄の音楽、怒号と叫喚。
思わず立ち上がって壁の向こう側を見ると。
そこには、黒い騎兵団が旅賊を踏み潰しながらあたりを見回している光景が見
えた。そして、その赤い瞳がルフトに向き、そして。
白熊の淑女を認識するやいないや、全員の動きが止まり。瞳が同じタイミング
で瞬く。
不気味な一瞬。場は静まった。
その次の瞬間、黒の騎兵団は二人(二匹)のヒロインに殺到したのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーー
ー……回想
『誕生日プレゼント?』
幼い娘の一挙一動に、感激のあまり鼻血を噴出しそうになるのを必死に堪え
る。
いつも施設に預けっきりで、一週間に4回しか会えない可哀想な愛娘。せめ
て、望むものは全て与えてやりたい。
『ママは今年も来てくれる?』
大きく頷いた。
一昨年は誕生日にいけなかった、去年は軍部の仕事予定表(データベース)を
書き換えて無事娘の誕生パーティーには間に合った。ちなみに犯罪であるが。
無論、きっと仕事はあるのだろうが今年も予定表を改竄する気満々である。
『ママがいてくれるならママとケーキ食べたい』
思わず、彼は愛しさのあまり鮮血が噴出した。
娘はいつものことなので、近くに準備してあったティッシュ箱を手渡す。
積み上げられたティッシュ箱は主に彼の娘への愛ゆえの出血処理のためのもの
である。
それは当たり前でしょ、と胸元を真っ赤に染めて微笑む。
欲しいものとかないの?ああそうペットとかいいかもしれないわ。でもオスは
駄目ね。そう言うと娘は彼の服をティッシュで拭きながらしばらく考えてい
た。
『…じゃあ、何でもいいの?』
そうよ、ママは軍でもそれなりに顔が利くからなんだってと(盗、取、獲)っ
て来てあげるわよ。そういうと娘は上目遣いにおずおずと見上げてくる。
また鼻血が出たが、そろそろこれ以上出すと意識が保てない。必死に鼻の毛
細血管を自粛させる。
『じゃあね、なんか珍しくて可愛い動物がいいな。
二コルの犬やヴィリジッタの小鳥も可愛いんだけどね、みんなに自慢できる
ようなペットが欲しいな』
翌日、なぜかオカマの仕事机の上には派閥争いで生じた銃撃事件と近隣諸国
とのトラブルを回避するための条件が書かれた書類の上に『絶滅危惧種保護
リスト』と『よい子の珍獣怪獣図鑑』が置いてあったのを見た中佐は一抹の
不吉を予感していた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーー
思わず過去世界に逃避しかけて、あやうく踏みとどまる。
目の前には憎き愛娘の(誕生日プレゼントを奪った)仇敵のリーダーがいる。
百億の怒り、千億の憎悪、そして無限の狂気を携えてなお、あまりある漆黒
の闇を片手に集めると、みちみちと体を引き裂いた蝶が繋がってひとつの鎌
を形成した。
「…軍のデータベースにあった旅賊、リーダーはアドルフ・ハイマン。
犯罪歴で逮捕5回、名誉毀損罪1回、器物派損罪と公務執行妨害2回。旅団
を形成してからはパウラ連合~我が領土国境付近でたびたび略奪を繰り返し
ては金品を強奪する。
判決、死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死
刑死刑死刑っ!!おもにアタシの訴えと判決で。死刑執行、とりあえず死ね、
ともかく逝け、何もなくても滅びるがいいっ!!」
もはや理性というものは存在しないようだ。
オカマ破壊神は光臨し、世界は今、再び物語のように終末を迎える。
おもにアドルフの世界が。
NPC@ウィンドブルフ、旅賊リーダー・アドルフ・ハイマン
人造騎馬隊「荒猟師」、白熊の淑女アメリア
場所@エディウス~パウラ連合国境付近・スズシロ山脈中腹
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ってぶっは!げーっほげぼっ!!」
瓦礫の中から咳き込みながら飛び出してきたのは、ウィンドブルフだった。
先刻の瓦礫の衝撃で、地面に落ちていたがようやく意識を取り戻す。
「いってー…ってベア!?どこだーおーいっ!!」
周囲は砂埃で霧のようにぼやけ、ところどころで下火が燃えて揺らめいてい
る。
一緒に居た少女の姿はどこにもなく、遠くやら近くやらで激しい衝突音が響い
ている。
「はぐれたのか…?あーもうって……ん?」
慌ててばさばさと飛び立とうとした、まさにその瞬間。
本能の警告が脳裏を走るのと、砂埃の幕から突如突き出した黒い甲冑の手に足
をつかまれて引きずられたのは同時であった。
「何だっ!?」
『…魔法式で動く、半自律型の使役生物か…?』
煙が晴れていくにしたがって、彼を捉えた者達の異様な様が浮かび上がった。
黒光りする漆黒の甲冑に全身を包んだ、赤い瞳を向ける騎士兵団。
通称「荒猟師」、問答無用で旅人の命を刈り取る、悪魔の群れの名を持つ者
達。
悪魔の騎士団、砦内に侵入。
つまりは、この即興の略奪劇の盤面に毒蛾は舞い降りたということだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ー
「だぁりゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーー!!」
「うぉりゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーー!!」
二重の叫び声が同時に重なった。
自称・未来の盗賊王ことアドルフ・ハイマンと自称・未来の美貌の賞金稼ぎこ
とベアトリーチェ・ガレットの凄まじいまでの戦闘は現在周囲を破壊しながら
大行進中である。
ヌンチャクを駆使する男の周囲を、まるでツバメのようにするりするりと掠め
ながら、赤毛の少女の右手にはナイフ、左手には憎悪滴るような鉤爪。
12歳の少女にしては恐ろしく手馴れた戦闘姿である。しかしこちらも未来の
盗賊王アドルフ、培ってきた長年の近接格闘術は並ではない。
「ガキはさっさとお家に帰ってお菓子でも食ってやがれ!」
「うっさいわね!あんたらぶっ飛ばして賞金もらったらそうするわよ!
あとあたしの相棒を取り戻したらね!」
ヌンチャクの一撃が、鉤爪にさえぎられる。
と、ピシリと嫌な音がしてベアトリーチェが露骨に顔をゆがめた。
我が愛しの武器にして初代相棒のソウルシューターの爪が見事に欠けたのだ。
ピシリ、とベアトリーチェの精神にも見事な亀裂が生じたのも同じである。
「ああああああああああああああっ!
もう許さない絶対許さない死んでも許さない土下座しても脱いでもゆぅるさな
いぃぃぃぃぃぃぃぃっっ!!!」
まさにベアトリーチェがサイヤ人とかであったならば、髪が黄金に輝き全身を
炎のオーラが纏い、そして空中浮遊すら可能だっただろう。
ちなみに彼女は人間のために、そんな効果は出なかったが爆発的に殺意やオー
ラといった第六感に訴える何かが噴出された。
「甘いっての!!」
ヌンチャクの嵐の最中、ふたたび鈍い衝撃。
ついにソウルシューターの根元にヒビが入りが、ちゃん!と装備していた-左手
から零れ落ちた。
怒りと驚愕で思わず、ヌンチャクから目線をそらしたベア。
ほそく笑んだ顔で、アドルフはトドメを振り下ろしたーーーーーーー!!
「……みぃつけた………」
と、横殴りに黒い何かの群れが体当たりしてきた。
「のわぁ!!ってうわ!虫!?いや蝶、ってま、まさかっ!!」
自分の横っ腹にひっついた無数の昆虫を見て、アドルフの顔に恐怖がよぎっ
た。体から蝶をひっぺはがして立ち上がると、崩れた砦の壁の上に、そいつは
いた。
三つ編み、レースが風にそよぎ、「魔女の森色」の軍服は白いフリルと共に優
雅に舞い上がっている。
群れ纏うのは黒い虫、蝶の乱舞。三十匹はくだらない、見る者に生理的な嫌悪
を呼ぶ光景で、まさにその中核にして原因にして事象たるその軍人は。
「さあ、どうやって遊びましょうか………(恍惚)」
もはや、人に許されるはずのない、ありあらゆる邪悪と闇と狂気を湛えて微笑
んでいた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ー
「ええと、ですね。
結論するとどうやら非常にまずい展開ですねっ!!」
魔法舞台の生き残りと鉢合わせた我らがヒロインにして獣人・ルフト・ファン
グは倒れた見張り台の壁に隠れながら叫んだ。
と、頭上を掠める炎の魔法。慌てて突き出ていた耳を引っ込める。
『ルフトさん、どうしましょう。出るに出れませんわ』
白熊の淑女はおろおろと周囲を見渡しながらも、その巨体を縮こまらせる。
周囲の煙は黒だったり茶色だったりと視界が非常に悪い。
おかげで、出るにも出られず集中砲火をぎりぎりに防いでいる状態。
ソウルシューターは使い慣れてない上に、傷つけたら冥府にたどり着く前にベ
アに魂まで砕かれて消滅してしまうだろうので大切に扱っている。
それを慎重にかばいながら、なおかつ白熊の淑女を連れて出るには少々状況が
悪いのだ。
と、突如向こう側で悲鳴が響き渡った。
ルフトの聴覚に続いて飛び込んだのはいななき、蹄の音楽、怒号と叫喚。
思わず立ち上がって壁の向こう側を見ると。
そこには、黒い騎兵団が旅賊を踏み潰しながらあたりを見回している光景が見
えた。そして、その赤い瞳がルフトに向き、そして。
白熊の淑女を認識するやいないや、全員の動きが止まり。瞳が同じタイミング
で瞬く。
不気味な一瞬。場は静まった。
その次の瞬間、黒の騎兵団は二人(二匹)のヒロインに殺到したのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーー
ー……回想
『誕生日プレゼント?』
幼い娘の一挙一動に、感激のあまり鼻血を噴出しそうになるのを必死に堪え
る。
いつも施設に預けっきりで、一週間に4回しか会えない可哀想な愛娘。せめ
て、望むものは全て与えてやりたい。
『ママは今年も来てくれる?』
大きく頷いた。
一昨年は誕生日にいけなかった、去年は軍部の仕事予定表(データベース)を
書き換えて無事娘の誕生パーティーには間に合った。ちなみに犯罪であるが。
無論、きっと仕事はあるのだろうが今年も予定表を改竄する気満々である。
『ママがいてくれるならママとケーキ食べたい』
思わず、彼は愛しさのあまり鮮血が噴出した。
娘はいつものことなので、近くに準備してあったティッシュ箱を手渡す。
積み上げられたティッシュ箱は主に彼の娘への愛ゆえの出血処理のためのもの
である。
それは当たり前でしょ、と胸元を真っ赤に染めて微笑む。
欲しいものとかないの?ああそうペットとかいいかもしれないわ。でもオスは
駄目ね。そう言うと娘は彼の服をティッシュで拭きながらしばらく考えてい
た。
『…じゃあ、何でもいいの?』
そうよ、ママは軍でもそれなりに顔が利くからなんだってと(盗、取、獲)っ
て来てあげるわよ。そういうと娘は上目遣いにおずおずと見上げてくる。
また鼻血が出たが、そろそろこれ以上出すと意識が保てない。必死に鼻の毛
細血管を自粛させる。
『じゃあね、なんか珍しくて可愛い動物がいいな。
二コルの犬やヴィリジッタの小鳥も可愛いんだけどね、みんなに自慢できる
ようなペットが欲しいな』
翌日、なぜかオカマの仕事机の上には派閥争いで生じた銃撃事件と近隣諸国
とのトラブルを回避するための条件が書かれた書類の上に『絶滅危惧種保護
リスト』と『よい子の珍獣怪獣図鑑』が置いてあったのを見た中佐は一抹の
不吉を予感していた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーー
思わず過去世界に逃避しかけて、あやうく踏みとどまる。
目の前には憎き愛娘の(誕生日プレゼントを奪った)仇敵のリーダーがいる。
百億の怒り、千億の憎悪、そして無限の狂気を携えてなお、あまりある漆黒
の闇を片手に集めると、みちみちと体を引き裂いた蝶が繋がってひとつの鎌
を形成した。
「…軍のデータベースにあった旅賊、リーダーはアドルフ・ハイマン。
犯罪歴で逮捕5回、名誉毀損罪1回、器物派損罪と公務執行妨害2回。旅団
を形成してからはパウラ連合~我が領土国境付近でたびたび略奪を繰り返し
ては金品を強奪する。
判決、死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死
刑死刑死刑っ!!おもにアタシの訴えと判決で。死刑執行、とりあえず死ね、
ともかく逝け、何もなくても滅びるがいいっ!!」
もはや理性というものは存在しないようだ。
オカマ破壊神は光臨し、世界は今、再び物語のように終末を迎える。
おもにアドルフの世界が。
PR
トラックバック
トラックバックURL: