PC:オルレアン、ベアトリーチェ、ルフト
NPC:アドルフ、荒猟師
場所:スズシロ山脈中腹、盗賊の砦
--------------------------------------------------------------------------------
「ちょっと勘弁してください。話せば分かったりするかもしれないじゃないですかっ」
問答無用に押し寄せてくる黒の騎士団に、ルフトはほとんど脊髄反射のレベルで体力消耗弾を放って迎撃した。大きな疲労感がルフトの体を襲い、思わず膝を付きそうになるのを必死で堪える。
体力の最大値が大きいルフトが放った弾はそれなりに大きい威力を持つ。さしもの黒の騎士達も耐え切れず、四方に吹き飛ばされていく。もっとも完全に無力化されたという事もなく、起き上がろうとピクピク体を動かしていたりするのだが。
『ベアッ!』
呼び声、というよりはほとんど吼えるようにして声をあげ、ルフトはたった今自分で作った道を駆け抜けた。鎖で繋がった二つの棒、ヌンチャクという珍しい暗器を使う男が虚を突かれ、動きを止める。そこへ、黒い何かの塊が一気に体当たりを仕掛けた。
それなりに戦いなれているのだろう、男はすぐに体勢を立て直し腹部に張り付いた黒い何かを投げ捨てる。気を抜くと倒れそうな体に鞭を打ってルフトはベアの隣まで駆けつけた。
「さあ、どうやって遊びましょうか……」
いまやヌンチャク男の注意は完全にベアから外され、目の前の女性……にしては声がやや野太い人物に向けられている。あまりにも特徴的な軍人の姿に一瞬ルフトの脳裏に何かが浮かびかけたが、今はそれどころではないと隅っこに追いやり、ベアトリーチェに向き直った。
「ベア、大丈夫ですか?」
「犬っころ、アンタ……」
心配げに声を掛けるルフトに、ベアは押し殺した声で答える。もしルフトがその声の調子にもっと注意を払っていれば、声を殺しきれずに声が震えているのがわかっただろう。
「アンタ……一応聞いてあげるけど、どうして徹底させたハズの梱包が、解かれてるのかしら?」
「う゛」
半ば予想はしていたとはいえ、想像以上の怒りの様子に思わずルフトの顔が引き攣る。
「まさか、勝手に使ったなんて言わないわよね。さっき見えた爆発はアタシの気のせいよね……?」
今のベアトリーチェの表情を一言で表現しろ、と聞かれたら10人中10人が"笑みを浮かべている"と答えるだろう。そして、それは楽しそうか、と問えば10人中10人が"怒っています"と答える事は想像に難くない。ベアトリーチェが浮かべている笑みはそういう類のモノだった。
恐る恐る差し出された新しいソウルシューターを受け取って、ベアはにっこりと笑った。先ほどと違い、完全ににぱっとした明るい表情なのだが。
「……なにか、言う事はあるかしら?」
「ごめんなさい」
ルフトが速攻でわびを入れた瞬間、赫く輝く火線がルフトの横を駆け抜けた。その先にいた黒の騎士が二体、跡形もなく消滅する。通常、怒りの感情をソウルシューターが撃ち出す場合は炎の弾の形を取るのだが、今回はそれがあまりにも行き過ぎてしまいこうなったらしい。掠めた熱気で焦げる服の臭いが妙に鼻につく。
二本、三本、四本。立ち止まるルフトの周囲を灼熱の熱線が焦がして行く。超々高熱を誇る炎は当たった物体を個体から気体へと昇華させる為、山火事が起きる心配はないなぁ、と現実感の薄れた頭で考える。そして、顔のすぐ横を怒気が通り過ぎたの最後にルフトは意識を失った。
NPC:アドルフ、荒猟師
場所:スズシロ山脈中腹、盗賊の砦
--------------------------------------------------------------------------------
「ちょっと勘弁してください。話せば分かったりするかもしれないじゃないですかっ」
問答無用に押し寄せてくる黒の騎士団に、ルフトはほとんど脊髄反射のレベルで体力消耗弾を放って迎撃した。大きな疲労感がルフトの体を襲い、思わず膝を付きそうになるのを必死で堪える。
体力の最大値が大きいルフトが放った弾はそれなりに大きい威力を持つ。さしもの黒の騎士達も耐え切れず、四方に吹き飛ばされていく。もっとも完全に無力化されたという事もなく、起き上がろうとピクピク体を動かしていたりするのだが。
『ベアッ!』
呼び声、というよりはほとんど吼えるようにして声をあげ、ルフトはたった今自分で作った道を駆け抜けた。鎖で繋がった二つの棒、ヌンチャクという珍しい暗器を使う男が虚を突かれ、動きを止める。そこへ、黒い何かの塊が一気に体当たりを仕掛けた。
それなりに戦いなれているのだろう、男はすぐに体勢を立て直し腹部に張り付いた黒い何かを投げ捨てる。気を抜くと倒れそうな体に鞭を打ってルフトはベアの隣まで駆けつけた。
「さあ、どうやって遊びましょうか……」
いまやヌンチャク男の注意は完全にベアから外され、目の前の女性……にしては声がやや野太い人物に向けられている。あまりにも特徴的な軍人の姿に一瞬ルフトの脳裏に何かが浮かびかけたが、今はそれどころではないと隅っこに追いやり、ベアトリーチェに向き直った。
「ベア、大丈夫ですか?」
「犬っころ、アンタ……」
心配げに声を掛けるルフトに、ベアは押し殺した声で答える。もしルフトがその声の調子にもっと注意を払っていれば、声を殺しきれずに声が震えているのがわかっただろう。
「アンタ……一応聞いてあげるけど、どうして徹底させたハズの梱包が、解かれてるのかしら?」
「う゛」
半ば予想はしていたとはいえ、想像以上の怒りの様子に思わずルフトの顔が引き攣る。
「まさか、勝手に使ったなんて言わないわよね。さっき見えた爆発はアタシの気のせいよね……?」
今のベアトリーチェの表情を一言で表現しろ、と聞かれたら10人中10人が"笑みを浮かべている"と答えるだろう。そして、それは楽しそうか、と問えば10人中10人が"怒っています"と答える事は想像に難くない。ベアトリーチェが浮かべている笑みはそういう類のモノだった。
恐る恐る差し出された新しいソウルシューターを受け取って、ベアはにっこりと笑った。先ほどと違い、完全ににぱっとした明るい表情なのだが。
「……なにか、言う事はあるかしら?」
「ごめんなさい」
ルフトが速攻でわびを入れた瞬間、赫く輝く火線がルフトの横を駆け抜けた。その先にいた黒の騎士が二体、跡形もなく消滅する。通常、怒りの感情をソウルシューターが撃ち出す場合は炎の弾の形を取るのだが、今回はそれがあまりにも行き過ぎてしまいこうなったらしい。掠めた熱気で焦げる服の臭いが妙に鼻につく。
二本、三本、四本。立ち止まるルフトの周囲を灼熱の熱線が焦がして行く。超々高熱を誇る炎は当たった物体を個体から気体へと昇華させる為、山火事が起きる心配はないなぁ、と現実感の薄れた頭で考える。そして、顔のすぐ横を怒気が通り過ぎたの最後にルフトは意識を失った。
PR
トラックバック
トラックバックURL: