PC ギゼー・リング
場所 白の遺跡内部
NPC 水の鍵(ちびちびギゼー君)
___________________________________
インターバルにたどりついたギゼー君の前には、一つの大きなプレートが、何
に支えられるわけでもなく、宙に浮かんでいた。
「にゅ?」
ギゼー君、首をかしげる。
「わかりました!」
リングが声を上げた。
「ギゼーさん、プレートの先を見てください」
言われたとおり、ギゼーはプレートの先…その先は足場のない空間を見た。
うっすらと、黒い玉のようなものが一定の間隔をあけて宙に浮いているのが見
える。そしてそれは、その先に見える次の足場まで点々と並んでいた。
「たぶん、これがこのプレートの通る道なんです。水の鍵さん、聞こえます
か?その場にある、なんでもいいですから、とにかく、何か物をプレートに置
いてみてください」
「にゅー!」
水の鍵にその声は届いたらしく、たぶん、「わかったぜ!」という意味合いの
返事を水の鍵は発すると、きょろきょろと辺りを見回した。
「にゅ~?」
しかし、その足場には石一つなく、床はまるで大理石でも使っているようなつ
るつるさだ。困ったギゼー君、あるものを発見して喜びの声を上げた。
「にゅー!」
それは、たぶんこのアスレチックのオプションと思われる、紫色をした柱だっ
た。ギゼー君、その柱に近寄り、手をかける。
「ふんにゅ~!!」
「おい、アイツ、何する気だ?」
必死でなにかしようとしているギゼー君を見て、心配そうに言うのは、本物の
ギゼーだ。
そしてギゼーとリングが心配そうに見守る中。
「にゅおおおおっ!!」
バキッ
紫色の柱は根元からぼっきりと折れた。
「にゅー」
軽々と、折れた柱を持ち、嬉しそうな声を上げるギゼー君。思わず二人の顔が
青ざめた。
「わあ…、水の鍵さん、力持ち…」
それを見たギゼーも一言呟く。
「…あれって反則じゃないのか?」
とにもかくにも、「乗せるモノ」を自力で獲得したギゼー君は、紫色の柱をプ
レートの上に乗せた。リングの予想通り、プレートは柱を乗せると、宙に浮か
ぶ球にそって、決められたコースを進んでゆく。そして向こう側にたどりつく
と同じコースを元の道をたどって引き返してきた。
「やっぱり、このプレートは何か上に物が載ると動き出す仕組みになっている
んですよ。しかも、ご親切に、一度乗り損ねてもちゃんと元の場所にかえって
きますし」
「何か、いかにも<乗ってくれ>って感じだな」
「そういわれれば確かにそうですね~。水の鍵さん、さあ、そのプレートに飛
び乗ってください!」
「にゅっ!」
リングの指示を受けて、水の鍵はジャンプする構えをとる。そしてプレートが
近寄ってきたところで大きくジャンプ!だいぶプレートに慣れてきたせいか、
すんなりと飛び乗ることができた。
「やったー!」
思わず二人とも歓声を上げる。気分は赤ちゃんの成長を見守るパパとママだ。
しばらくの間、水の鍵が乗ったプレートは何の問題もなくすいすいと進んだ。
上に乗っている水の鍵も暇そうにぶらぶらしている。
「何だ、上に乗っちゃえば何の問題もないな」
「そうでもありませんよ!ほら!」
リングが声を上げたとたん。
「にゅー!」
水の鍵の目の前に、自分と同じぐらいの大きさの岩が迫ってきた。いや、迫っ
てきたというよりは、プレートがその方向に向かって一直線に突き進んでいる
のだから、向かっているという言い方のほうが正しいだろう。
「あぶなーい!!」
水の鍵はそれを間一髪、しゃがむことでかわした。岩は水の鍵の体すれすれを
通り過ぎる。リングとギゼーもほっと一息。
しかし、水の鍵が一息ついたのもつかの間、今度は自分の腰ぐらいの高さがあ
る岩が目の前に三つ連続で並んでいるのが見えた。
「にゅっ、にゅっ、にゅっ!」
水の鍵はそれを要領よくジャンプして飛び越えた。しかし、これはかなり体力
を使うらしい。飛び越えた後の水の鍵の表情はかなりしんどそうだ。
そうこうしているうちに向こう側の地面が見えてきた。地面との幅がどんどん
と狭まっていく。
「にゅっ!」
早く向こう岸にたどり着きたかったのだろうか。水の鍵は少し飛ぶタイミング
が早かった。距離が、あと少し、長い。
「ああっ!!」
「水の鍵さん!!」
ガシッ
しかし、水の鍵はぎりぎりのところで地面の端にぶら下がった。
「にゅ~っ」
水の鍵は持ち前の腕力で、いそいそと地面によじ登る。
「全く…、最後までハラハラさせてくれるやつだな。寿命が縮むぜ…」
「本当です…」
そう言って、二人は深いため息をついた。
場所 白の遺跡内部
NPC 水の鍵(ちびちびギゼー君)
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インターバルにたどりついたギゼー君の前には、一つの大きなプレートが、何
に支えられるわけでもなく、宙に浮かんでいた。
「にゅ?」
ギゼー君、首をかしげる。
「わかりました!」
リングが声を上げた。
「ギゼーさん、プレートの先を見てください」
言われたとおり、ギゼーはプレートの先…その先は足場のない空間を見た。
うっすらと、黒い玉のようなものが一定の間隔をあけて宙に浮いているのが見
える。そしてそれは、その先に見える次の足場まで点々と並んでいた。
「たぶん、これがこのプレートの通る道なんです。水の鍵さん、聞こえます
か?その場にある、なんでもいいですから、とにかく、何か物をプレートに置
いてみてください」
「にゅー!」
水の鍵にその声は届いたらしく、たぶん、「わかったぜ!」という意味合いの
返事を水の鍵は発すると、きょろきょろと辺りを見回した。
「にゅ~?」
しかし、その足場には石一つなく、床はまるで大理石でも使っているようなつ
るつるさだ。困ったギゼー君、あるものを発見して喜びの声を上げた。
「にゅー!」
それは、たぶんこのアスレチックのオプションと思われる、紫色をした柱だっ
た。ギゼー君、その柱に近寄り、手をかける。
「ふんにゅ~!!」
「おい、アイツ、何する気だ?」
必死でなにかしようとしているギゼー君を見て、心配そうに言うのは、本物の
ギゼーだ。
そしてギゼーとリングが心配そうに見守る中。
「にゅおおおおっ!!」
バキッ
紫色の柱は根元からぼっきりと折れた。
「にゅー」
軽々と、折れた柱を持ち、嬉しそうな声を上げるギゼー君。思わず二人の顔が
青ざめた。
「わあ…、水の鍵さん、力持ち…」
それを見たギゼーも一言呟く。
「…あれって反則じゃないのか?」
とにもかくにも、「乗せるモノ」を自力で獲得したギゼー君は、紫色の柱をプ
レートの上に乗せた。リングの予想通り、プレートは柱を乗せると、宙に浮か
ぶ球にそって、決められたコースを進んでゆく。そして向こう側にたどりつく
と同じコースを元の道をたどって引き返してきた。
「やっぱり、このプレートは何か上に物が載ると動き出す仕組みになっている
んですよ。しかも、ご親切に、一度乗り損ねてもちゃんと元の場所にかえって
きますし」
「何か、いかにも<乗ってくれ>って感じだな」
「そういわれれば確かにそうですね~。水の鍵さん、さあ、そのプレートに飛
び乗ってください!」
「にゅっ!」
リングの指示を受けて、水の鍵はジャンプする構えをとる。そしてプレートが
近寄ってきたところで大きくジャンプ!だいぶプレートに慣れてきたせいか、
すんなりと飛び乗ることができた。
「やったー!」
思わず二人とも歓声を上げる。気分は赤ちゃんの成長を見守るパパとママだ。
しばらくの間、水の鍵が乗ったプレートは何の問題もなくすいすいと進んだ。
上に乗っている水の鍵も暇そうにぶらぶらしている。
「何だ、上に乗っちゃえば何の問題もないな」
「そうでもありませんよ!ほら!」
リングが声を上げたとたん。
「にゅー!」
水の鍵の目の前に、自分と同じぐらいの大きさの岩が迫ってきた。いや、迫っ
てきたというよりは、プレートがその方向に向かって一直線に突き進んでいる
のだから、向かっているという言い方のほうが正しいだろう。
「あぶなーい!!」
水の鍵はそれを間一髪、しゃがむことでかわした。岩は水の鍵の体すれすれを
通り過ぎる。リングとギゼーもほっと一息。
しかし、水の鍵が一息ついたのもつかの間、今度は自分の腰ぐらいの高さがあ
る岩が目の前に三つ連続で並んでいるのが見えた。
「にゅっ、にゅっ、にゅっ!」
水の鍵はそれを要領よくジャンプして飛び越えた。しかし、これはかなり体力
を使うらしい。飛び越えた後の水の鍵の表情はかなりしんどそうだ。
そうこうしているうちに向こう側の地面が見えてきた。地面との幅がどんどん
と狭まっていく。
「にゅっ!」
早く向こう岸にたどり着きたかったのだろうか。水の鍵は少し飛ぶタイミング
が早かった。距離が、あと少し、長い。
「ああっ!!」
「水の鍵さん!!」
ガシッ
しかし、水の鍵はぎりぎりのところで地面の端にぶら下がった。
「にゅ~っ」
水の鍵は持ち前の腕力で、いそいそと地面によじ登る。
「全く…、最後までハラハラさせてくれるやつだな。寿命が縮むぜ…」
「本当です…」
そう言って、二人は深いため息をついた。
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