PC リング・ギゼー NPC 影の男・ちびちびギゼー君 場所 白の遺跡
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リングが次の部屋へと続くドアを開けると、そこは広間になっていた。一面
真っ白で、何もない空間が目に痛い。
「ギゼーさん!!」
広間の真ん中に見知った顔を見つけ、リングはぱあっと顔を輝かせると、ギ
ゼーのそばに駆け寄った。
「ギゼーさんっ、よかったです・・・、ご無事だったんですね!」
「リングちゃん!」
ギゼーのほうも、顔いっぱいに安堵の表情を表して喜ぶ。
「ギゼーさん、お怪我はありませんか?」
「おう、ま、怪我はないけどさ、全く、大変な目にあっちまったぜ・・・。気
持ちわりぃ変な男にはあっちまうしな・・・。リングちゃんは?」
「私は・・・」
リングの表情が微かに翳った。あの出来事を、ギゼーに話すのにはやはり抵抗
があるらしい。しかし、話すことを促すように見つめるギゼーに、仕方なくリ
ングが微かに口を開こうとした、その時、
「くくくっ、オメデトウ、二人とも。みごと<二つの鍵>を手に入れたねぇ」
二人の目の前に、ぼわーんと、まるで黒い煙がゆっくり立ち昇るように、例の
「影の男」が現れた。
「なっ・・・!お前っ・・・!」
「ギゼーさん、この人が例の・・・!」
ギゼーは腰のナイフに手を伸ばし、リングはすっと体を後ろに引き、反射的
に二人とも身構える。
「おいおいおい、そりゃないんじゃないか?私は次の部屋に続く道を教えてあ
げたいだけなのに」
影の男はオーバーに目の前で手を振ってみせる。
「どういうことだ?」
「こういうことさ。<一つとなりたる、二つの鍵>・・・」
これは例の詩の一説・・・!と、ギゼーが感じた直後、
「うわっ!!」
ギゼーは唖然として目を見開いた。ポケットがびっしょりだ。と、いうこと
は・・・
「鍵が・・・」
ギゼーがポケットに入れておいた鍵は、跡形もなく消えていた。大方、あの
男の仕業で、解けて液体になってしまったのだ。そうすると、今、ギゼーのポ
ケットから滴っている水、それが元「鍵」の姿ということになる。
「てめぇっ!何を!!」
「まあそう怒る前に、液体を良く見てもらいたいね。私は、その鍵の封印をと
いただけだよ」
「なっ・・・封印・・・?」
男の言葉に、ギゼーはポケットから流れて、床に滴った水を見つめた。
(何だ、別に、何も・・・)
と、床に滴った水がさらっと波打ったように見えた。
「!!」
「あ、もしかしてこれが<アメーバ>という生き物ですか?けれど鍵から生ま
れるなんて初めて知りました~」
「フフッ、残念ながらもっと高度な生き物だよ」
ギゼーの目の前で、その水はぐらぐらと動き始めると、むくむくと何かの生
き物の姿を模り始めた。そして出来上がった姿は・・・
「わあ、可愛らしいですね~」
リングはその場にちょこんとかがむと、嬉しそうにその生き物を見つめた。
ギゼーは唖然として見つめている。
「なっ・・・、俺っ!?」
それは、水で出来た、体長約十センチの<ギゼー>だった。姿かたちも本人
そのままだ。
「あのっ、このギゼーさんはお話は出来るんですか?」
「にゅー」
「残念ながらそれしか話せないよ」
にゅーにゅー、といいながらちびちび<ギゼー君>はぴょんぴょこ飛び跳ね
ている。
「その水は<形状記憶水>と言ってね、触った者の姿と性質をコピーするん
だ。どうだい、君そっくりだろう?」
影の男は、にやにやしながらそう言ってギゼーに話しかける。
「なっ・・・!」
思わずギゼーは赤面する。
「なっ・・・、そんな俺を作って一体何しようって言うんだよ!!」
「いいじゃないですか、すごく可愛らしいですよ?特にその話し方・・・」
「リングちゃん!!」
ギゼーに怒られ、リングはしゅんと下を向いた。
「すみません・・・」
「とにかく、どうするんだよ、コレ、何か意味があってしたことなのか?」
「大アリだよ、その子にはここを抜けてもらう」
男がそういうと、ふわっと、目の前の壁が透明になった。そこには一面にア
スレチック・・・ただしミニチュアサイズ・・・が、広がっていた。アスレチ
ックの向こうには、一枚の大きな扉がある。そしてその扉には鍵穴が。
「なるほど、分かりました。つまりこの<ギゼーさん>に私の鍵をもたせて、
向こうの扉を開けるんですね」
リングが自分も、ポケットからガラスの鍵を取り出して言う。
「フフッ、そういうことだ。じゃあ、がんばりたまえ、<ギゼー君>」
「にゅー!」
ちびちびギゼー君は、元気よく返事をした。
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リングが次の部屋へと続くドアを開けると、そこは広間になっていた。一面
真っ白で、何もない空間が目に痛い。
「ギゼーさん!!」
広間の真ん中に見知った顔を見つけ、リングはぱあっと顔を輝かせると、ギ
ゼーのそばに駆け寄った。
「ギゼーさんっ、よかったです・・・、ご無事だったんですね!」
「リングちゃん!」
ギゼーのほうも、顔いっぱいに安堵の表情を表して喜ぶ。
「ギゼーさん、お怪我はありませんか?」
「おう、ま、怪我はないけどさ、全く、大変な目にあっちまったぜ・・・。気
持ちわりぃ変な男にはあっちまうしな・・・。リングちゃんは?」
「私は・・・」
リングの表情が微かに翳った。あの出来事を、ギゼーに話すのにはやはり抵抗
があるらしい。しかし、話すことを促すように見つめるギゼーに、仕方なくリ
ングが微かに口を開こうとした、その時、
「くくくっ、オメデトウ、二人とも。みごと<二つの鍵>を手に入れたねぇ」
二人の目の前に、ぼわーんと、まるで黒い煙がゆっくり立ち昇るように、例の
「影の男」が現れた。
「なっ・・・!お前っ・・・!」
「ギゼーさん、この人が例の・・・!」
ギゼーは腰のナイフに手を伸ばし、リングはすっと体を後ろに引き、反射的
に二人とも身構える。
「おいおいおい、そりゃないんじゃないか?私は次の部屋に続く道を教えてあ
げたいだけなのに」
影の男はオーバーに目の前で手を振ってみせる。
「どういうことだ?」
「こういうことさ。<一つとなりたる、二つの鍵>・・・」
これは例の詩の一説・・・!と、ギゼーが感じた直後、
「うわっ!!」
ギゼーは唖然として目を見開いた。ポケットがびっしょりだ。と、いうこと
は・・・
「鍵が・・・」
ギゼーがポケットに入れておいた鍵は、跡形もなく消えていた。大方、あの
男の仕業で、解けて液体になってしまったのだ。そうすると、今、ギゼーのポ
ケットから滴っている水、それが元「鍵」の姿ということになる。
「てめぇっ!何を!!」
「まあそう怒る前に、液体を良く見てもらいたいね。私は、その鍵の封印をと
いただけだよ」
「なっ・・・封印・・・?」
男の言葉に、ギゼーはポケットから流れて、床に滴った水を見つめた。
(何だ、別に、何も・・・)
と、床に滴った水がさらっと波打ったように見えた。
「!!」
「あ、もしかしてこれが<アメーバ>という生き物ですか?けれど鍵から生ま
れるなんて初めて知りました~」
「フフッ、残念ながらもっと高度な生き物だよ」
ギゼーの目の前で、その水はぐらぐらと動き始めると、むくむくと何かの生
き物の姿を模り始めた。そして出来上がった姿は・・・
「わあ、可愛らしいですね~」
リングはその場にちょこんとかがむと、嬉しそうにその生き物を見つめた。
ギゼーは唖然として見つめている。
「なっ・・・、俺っ!?」
それは、水で出来た、体長約十センチの<ギゼー>だった。姿かたちも本人
そのままだ。
「あのっ、このギゼーさんはお話は出来るんですか?」
「にゅー」
「残念ながらそれしか話せないよ」
にゅーにゅー、といいながらちびちび<ギゼー君>はぴょんぴょこ飛び跳ね
ている。
「その水は<形状記憶水>と言ってね、触った者の姿と性質をコピーするん
だ。どうだい、君そっくりだろう?」
影の男は、にやにやしながらそう言ってギゼーに話しかける。
「なっ・・・!」
思わずギゼーは赤面する。
「なっ・・・、そんな俺を作って一体何しようって言うんだよ!!」
「いいじゃないですか、すごく可愛らしいですよ?特にその話し方・・・」
「リングちゃん!!」
ギゼーに怒られ、リングはしゅんと下を向いた。
「すみません・・・」
「とにかく、どうするんだよ、コレ、何か意味があってしたことなのか?」
「大アリだよ、その子にはここを抜けてもらう」
男がそういうと、ふわっと、目の前の壁が透明になった。そこには一面にア
スレチック・・・ただしミニチュアサイズ・・・が、広がっていた。アスレチ
ックの向こうには、一枚の大きな扉がある。そしてその扉には鍵穴が。
「なるほど、分かりました。つまりこの<ギゼーさん>に私の鍵をもたせて、
向こうの扉を開けるんですね」
リングが自分も、ポケットからガラスの鍵を取り出して言う。
「フフッ、そういうことだ。じゃあ、がんばりたまえ、<ギゼー君>」
「にゅー!」
ちびちびギゼー君は、元気よく返事をした。
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