PC リング ギゼー ジュヴィア 場所 白の遺跡 NPC メデッタ伯父
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わたしはなに? わたしはだれ?
いったいだれがわたしを あいしてくれると いうのだろう・・・。
「くっ、ストーンゴーレムか!!」
メデッタがちっと舌打ちした。
「こいつは少々厄介な相手だ。こいつは私に任せて、君たちは先に行け!」
「っ・・でも、伯父様っ!!」
とどまろうとするリングにメデッタはふっと笑った。
「大丈夫だ、私はヤツの弱点を知っている。・・・それより何度も言うようだ
が・・・、私のことを<伯父様>と呼ぶんじゃない」
うなり声を上げて、ストーンゴーレムがメデッタに拳を振り下ろした。メデ
ッタはそれをひらりとかわす。
「解ったか、わかったら返事をしろ!リング!」
「リングちゃん、ここは彼の言うとおりにしよう」
ふっと気が付くと、ギゼーがリングの肩に手をかけていた。
「・・・彼が、俺たちを心配させないように気ぃつかってるの、解るよな?」
そうだ、本当ならこんな場合に自分の呼び方のことなど気にするはずがない。
リングは必死にストーンゴーレムと戦っているメデッタ伯父を見た。
(伯父様の・・・せいいっぱいの強がりですね)
ぎゅっ、と拳を握り締めると、リングはじんわり目に浮かんでいた涙を引っ込
めた。
「解りました、メデッタさんっ!行きましょう!ギゼーさん、ジュヴィアさ
ん!!」
「おう!入り口は七つに分かれている、けど、出口は一つだ!手分けして入ろ
うぜ!」
「解りました!」
そういうとギゼーは一番右端の入り口、ジュヴィアは右から三番目の入り
口、そしてリングは一番左端の入り口へそれぞれ入っていった・・・。
長く続く白い石の廊下を走り続け、出たところは、一面がきらきらと輝
く・・・。
「鏡のお部屋ですね」
リングはそう呟いた。この部屋の壁は全て鏡で出来ている。広さはそれほど広
くもなく、部屋の中には特に何も見つからない。
「うわあ・・・、凄いです、床も鏡です」
床を見たリングは思わず二三歩、下を見てぺたぺた歩いた。床にリングの顔が
下からのアングルという、変な角度で映る。思わずリングはあははっと声を出
して笑った。何が起こるかわからない遺跡の中にいて、相変わらずマイペース
というか、能天気な彼女である。
「しかし、このお部屋にも、先ほどのストーンゴーレムさんのような、トラッ
プが仕掛けてあるのでしょうか・・・」
ふっと顔を上げて、周りを見渡したリングは呟いた。彼女が一通り見た中で、
この部屋には特に危険なものは見つからない。
「貴方は、「月」ね」
突然、降ってきた声に、リングは驚いて回りを見渡した。しかし、どこを見渡
しても人の影はない。鏡の中の数人ものリングが、あせってきょろきょろと辺
りを見回した。
「っ・・・!一体誰ですか!貴方もトラップなんですか?」
「虚空の中で、悲しく輝き続ける、貴方はまさに「月」のような人だわ」
声はリングを無視して話続ける。
「そんな貴方は、「貴方」と戦うことが出来るかしら?」
「一体何を・・・!!」
リングは思わず言葉を飲み込んだ。目の前の鏡の中から、にゅーっと自分自身
の姿が出てきたのだ。目の前ばかりではない、自分の隣からも、後ろからも、
斜めからも、自分の姿が映った自分がにゅーっと、ぞろぞろ出てきたのだ。
あっというまにリングは総勢三十人はいるであろう<自分自身>たちにとり囲
まれてしまった。
これには怖さを通り越して、リングはあっけにとられてしまった。
「うわ・・・あ・・・、私がたくさん、います・・・」
思わず近くにいる一人の頬を触ってみる。頬にはちゃんとぷにぷにとした弾力
があった。
「ちゃんと、生きてますね・・・」
「ふふふ、遊んでいられるのはここまでよ。さあ、お前たち、コイツを、殺す
のだ!!」
その言葉を号令に、たくさんの「リング」達は拳を振り上げ、一斉にリングに
襲い掛かってきた。
「うわあっ!!」
思わず飛びのいたリングを、「リング」の一人が襲う。しかし、それより驚い
たのは。
「なんだか、みんな私より腕力がありますっ!!」
拳を振り上げた後の床を見て、思わずリングの血の気が引いた。床にはぼこっ
とした拳の後がありありと残っている。
「だって、貴方タフで身軽な割にパワーが低いんですもの。ちょっとステイタ
スを追加したの」
「だからといいましても、これでは殴り殺されてしまいますっ!!」
「馬鹿ねぇ、それが目的よ」
「そんなっ!酷いですようっ!!」
そう言っている間にも、「自分」は次々とリングに襲い掛かってくる。攻撃の
手はやむことはない。
「やめてくださいっ!みなさんっ!!」
三人の「リング」がリングの進路を塞ぎ、同時に拳を振り上げた。
「やめてくださいっ!きっと・・・、一人倒したら、私っ・・・」
「貴方って以外にナルシストなのねぇ。さっきから逃げてばかり。一人ぐらい
倒そうと思わないの?」
「違いますっ!貴方には解りません!私は・・・っ・・・」
「あーあ、逃げるの見るのも飽きちゃった。ステイタスを追加しようかしら」
次の瞬間、今まで無口だった「リング」が口を開いた。
「<ユージン>」
瞬間、リングの髪の色と瞳の色が<蒼>に変化した。そして、
ゴキッ
一人の「リング」の首がリングによってへし折られた。「リング」が口から血
を流して倒れる。
「なっ・・・!これは貴方が<最も苦手な言葉>のハズ・・・!」
「貴様に良い事を教えてやろう」
リングの体からは静かに怒りのオーラが漂っていた。感情のない「リング」た
ちが思わず引いてしまうほどの。
「私がこの世で一番嫌いなもの、それは<自分>だ。・・・一人殺せば、何人
殺すのもたやすい」
リングはゆらりと「リング」たちを見つめた。
「・・・来い、貴様ら全員、殺してやる」
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わたしはなに? わたしはだれ?
いったいだれがわたしを あいしてくれると いうのだろう・・・。
「くっ、ストーンゴーレムか!!」
メデッタがちっと舌打ちした。
「こいつは少々厄介な相手だ。こいつは私に任せて、君たちは先に行け!」
「っ・・でも、伯父様っ!!」
とどまろうとするリングにメデッタはふっと笑った。
「大丈夫だ、私はヤツの弱点を知っている。・・・それより何度も言うようだ
が・・・、私のことを<伯父様>と呼ぶんじゃない」
うなり声を上げて、ストーンゴーレムがメデッタに拳を振り下ろした。メデ
ッタはそれをひらりとかわす。
「解ったか、わかったら返事をしろ!リング!」
「リングちゃん、ここは彼の言うとおりにしよう」
ふっと気が付くと、ギゼーがリングの肩に手をかけていた。
「・・・彼が、俺たちを心配させないように気ぃつかってるの、解るよな?」
そうだ、本当ならこんな場合に自分の呼び方のことなど気にするはずがない。
リングは必死にストーンゴーレムと戦っているメデッタ伯父を見た。
(伯父様の・・・せいいっぱいの強がりですね)
ぎゅっ、と拳を握り締めると、リングはじんわり目に浮かんでいた涙を引っ込
めた。
「解りました、メデッタさんっ!行きましょう!ギゼーさん、ジュヴィアさ
ん!!」
「おう!入り口は七つに分かれている、けど、出口は一つだ!手分けして入ろ
うぜ!」
「解りました!」
そういうとギゼーは一番右端の入り口、ジュヴィアは右から三番目の入り
口、そしてリングは一番左端の入り口へそれぞれ入っていった・・・。
長く続く白い石の廊下を走り続け、出たところは、一面がきらきらと輝
く・・・。
「鏡のお部屋ですね」
リングはそう呟いた。この部屋の壁は全て鏡で出来ている。広さはそれほど広
くもなく、部屋の中には特に何も見つからない。
「うわあ・・・、凄いです、床も鏡です」
床を見たリングは思わず二三歩、下を見てぺたぺた歩いた。床にリングの顔が
下からのアングルという、変な角度で映る。思わずリングはあははっと声を出
して笑った。何が起こるかわからない遺跡の中にいて、相変わらずマイペース
というか、能天気な彼女である。
「しかし、このお部屋にも、先ほどのストーンゴーレムさんのような、トラッ
プが仕掛けてあるのでしょうか・・・」
ふっと顔を上げて、周りを見渡したリングは呟いた。彼女が一通り見た中で、
この部屋には特に危険なものは見つからない。
「貴方は、「月」ね」
突然、降ってきた声に、リングは驚いて回りを見渡した。しかし、どこを見渡
しても人の影はない。鏡の中の数人ものリングが、あせってきょろきょろと辺
りを見回した。
「っ・・・!一体誰ですか!貴方もトラップなんですか?」
「虚空の中で、悲しく輝き続ける、貴方はまさに「月」のような人だわ」
声はリングを無視して話続ける。
「そんな貴方は、「貴方」と戦うことが出来るかしら?」
「一体何を・・・!!」
リングは思わず言葉を飲み込んだ。目の前の鏡の中から、にゅーっと自分自身
の姿が出てきたのだ。目の前ばかりではない、自分の隣からも、後ろからも、
斜めからも、自分の姿が映った自分がにゅーっと、ぞろぞろ出てきたのだ。
あっというまにリングは総勢三十人はいるであろう<自分自身>たちにとり囲
まれてしまった。
これには怖さを通り越して、リングはあっけにとられてしまった。
「うわ・・・あ・・・、私がたくさん、います・・・」
思わず近くにいる一人の頬を触ってみる。頬にはちゃんとぷにぷにとした弾力
があった。
「ちゃんと、生きてますね・・・」
「ふふふ、遊んでいられるのはここまでよ。さあ、お前たち、コイツを、殺す
のだ!!」
その言葉を号令に、たくさんの「リング」達は拳を振り上げ、一斉にリングに
襲い掛かってきた。
「うわあっ!!」
思わず飛びのいたリングを、「リング」の一人が襲う。しかし、それより驚い
たのは。
「なんだか、みんな私より腕力がありますっ!!」
拳を振り上げた後の床を見て、思わずリングの血の気が引いた。床にはぼこっ
とした拳の後がありありと残っている。
「だって、貴方タフで身軽な割にパワーが低いんですもの。ちょっとステイタ
スを追加したの」
「だからといいましても、これでは殴り殺されてしまいますっ!!」
「馬鹿ねぇ、それが目的よ」
「そんなっ!酷いですようっ!!」
そう言っている間にも、「自分」は次々とリングに襲い掛かってくる。攻撃の
手はやむことはない。
「やめてくださいっ!みなさんっ!!」
三人の「リング」がリングの進路を塞ぎ、同時に拳を振り上げた。
「やめてくださいっ!きっと・・・、一人倒したら、私っ・・・」
「貴方って以外にナルシストなのねぇ。さっきから逃げてばかり。一人ぐらい
倒そうと思わないの?」
「違いますっ!貴方には解りません!私は・・・っ・・・」
「あーあ、逃げるの見るのも飽きちゃった。ステイタスを追加しようかしら」
次の瞬間、今まで無口だった「リング」が口を開いた。
「<ユージン>」
瞬間、リングの髪の色と瞳の色が<蒼>に変化した。そして、
ゴキッ
一人の「リング」の首がリングによってへし折られた。「リング」が口から血
を流して倒れる。
「なっ・・・!これは貴方が<最も苦手な言葉>のハズ・・・!」
「貴様に良い事を教えてやろう」
リングの体からは静かに怒りのオーラが漂っていた。感情のない「リング」た
ちが思わず引いてしまうほどの。
「私がこの世で一番嫌いなもの、それは<自分>だ。・・・一人殺せば、何人
殺すのもたやすい」
リングはゆらりと「リング」たちを見つめた。
「・・・来い、貴様ら全員、殺してやる」
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