◆――――――――――――――――――――――――――――
メンバー ジュヴィア・ギゼー・リング
場所 ソフィニアの街角
NPC 美女と悪漢(O,A,V)
◆――――――――――――――――――――――――――――
-うみの そこに にんぎょの おしろが ありました。
おしろでは うつくしい にんぎょが くらして いました-
「はい、じゃあ後はよろしくなっ」
そういって、ぽんとギゼーがリングの肩をたたいた。
「はい?」
当然、リングは訳がわからないという顔をする。
「あの、何を・・・」
「何って」
ギゼーはさも当然そうな顔をする。
「見てわかんねぇかなぁ?俺の手には武器がないな?」
「ええ」
「そして君は酒に酔ったとき、水を使って俺の手を捕まえた。覚えてるか?」
「ええ・・・、ぼんやりとなら」
「じゃあ、答えはカンタン。君がその力と、聖書、だっけ?それを使ってあの
悪漢三人をやっつけるんだ。俺は武器がない。よって君が戦う。カンタンな事
だろ?」
「はあ・・・」
何の悪意もない笑みで、ニコニコと笑うギゼー。リングはぽりぽりと頭を書
いた。
「では、ギゼーさん。水を出してください」
「えっ?」
ギゼーの顔に冷や汗が出た。たしかに、今までの話の流れから言うと、水が
必要なのはあきらかで、言い出したからにはギゼーは水を所持してなければな
らない。しかし、水のことなどギゼーは全く考えてはいなかった。・・・何し
ろ、今とっさに思いついて言い出したことなのだから。
「あ、あと、今、聖書はつかえませんよ?」
リングがさらに追い討ちをかける。
「聖書の攻撃は間が長いですし、攻撃が広範囲に及ぶんです。私、まわりの建
物を雷撃で攻撃して弁償するお金など所持していませんし、無関係な人々に危
害を加えたくありません」
「あ・・う・・・」
何が起こってもリングが何とかしてくれると思っていたギゼーにとって、こ
れは絶体絶命のピンチだった。視線をふらふらと動かし、足取りもおぼつかな
い。
「よぉ、兄ちゃん。何だ?俺たちに文句があるんじゃなかったのかい?」
情況が好転したのを察知し、悪役0が強気になってギゼーに迫る。ギゼー
は、たじたじと後ろに下がった。
「う・・・」
「たしか、チビって言われるのが気に食わないんだよな・・・?」
悪漢Aのセリフとともに、三人がギゼーに詰め寄る。
(どうするよ、俺!なんかこの図はカッコ悪いぞ・・・。ってゆーか、ピンチ
だよ、俺!)
今や三人はギゼーの目と鼻の先で、ぬうんとギゼーを見下ろしている。リン
グはといえば、この状況に何の危機感も覚えないらしく、(前に一度自分が体
験したくせに)ぽやっと四人を観察していた。
(何だか、えっと・・・、これってピンチなんでしょうか・・・?)
ギゼーがピンチにあせり、リングがぽやっとしていた、そのとき、
「はぁ・・・」
群衆の中からジュヴィアが、いかにもしんどそうな顔をして現れた。
「全く・・・、いくら馬鹿のしたことでも見ていられないですよ・・・」
(ジュヴィア「ちゃん」「さん」!)
そのとき、ギゼーの目には斧を背負うジュヴィアが天使に見えた。
(ジュヴィアちゃんっ、きっと、その大きな斧でずばっと男どもを片付けてく
れるに違いないっ!)
しかし、自分からケンカを仕掛けた割に、なかなか情けない考え方である。
「あ?なんだテメェは?」
悪漢Vがジュヴィアをギロッとにらむ。しかし、そんな男にたじろぐことも
なく。ジュヴィアは軽蔑したような視線を悪漢Vに向けた。
「たしかにこの青年は向こう見ずの馬鹿ですが、あなたたちのしていることも
相当幼稚ですよ。と、いうか芸がありませんね。あなたたち、悪者の王道パタ
ーンにはまっている自覚はないんですか?」
「う・・・」
一瞬男たちは言葉が詰まった。が、
「何だよテメェは!いきなり出てきてうるせぇんだよ!!」
こうして少女にむきになって怒る様子からして、どうやら三人にもそれなり
の自覚はあるようだ。
「それが何だってんだ、生意気な口きいたテメェからつぶすぞ!」
「はぁ・・・」
ジュヴィアの表情から、全くしょうがないことに巻き込まれた・・・と思っ
ていることがありありと解った。
「リングさん」
「はいっ!」
ジュヴィアはしょうもないという表情を崩さないまま、男たちを見据えてい
った。
「・・・二秒で片付けますから」
「ええ!?」
リングが訳がわからないという表情を浮かべている間に、ジュヴィアはその
大きな斧をひゅんと振り下ろした。
「お強いですね、ジュヴィアさん・・・」
ギゼーといえば、ぽかんとして目の前に倒れている男たちを見つめていた。
三人の男が、ジュヴィアの斧の一振りで倒れてしまった。しかも、
(俺・・・、見えなかったぜ、ジュヴィアちゃんが斧を振った手・・・)
リングはといえば、純粋にジュヴィアの腕に感心している。
「すごいですジュヴィアさん、斧の後ろを使って、すばやくみねうちをくらわ
せましたね!すばやい動きです!」
(ええっ!こいつ見えてたのかよ!)
さすが人間じゃないヤツだけあって、侮れないな・・・、と思うギゼーだっ
た。そんな二人を、ジュヴィアは冷たく見つめて言う。
「この程度ならば、誰でもできます。あなたたちこそ、その程度の腕と対応の
仕方でよく、今まで旅が続けられましたね」
「う・・・、俺はっ、基本的に戦いを好まない性質なんだよっ!」
「・・・おかしいですね。あなたから、この喧嘩に割って入ったように見えま
したが?」
「あのぅ・・・」
そんな二人の会話に、助けられた女性が遠慮がちに割って入った。
「あの、助けていただいたお礼を言いたいのですが・・・」
そのおろおろとした様子は、そこはかとなくリングに似ていた・・・。
メンバー ジュヴィア・ギゼー・リング
場所 ソフィニアの街角
NPC 美女と悪漢(O,A,V)
◆――――――――――――――――――――――――――――
-うみの そこに にんぎょの おしろが ありました。
おしろでは うつくしい にんぎょが くらして いました-
「はい、じゃあ後はよろしくなっ」
そういって、ぽんとギゼーがリングの肩をたたいた。
「はい?」
当然、リングは訳がわからないという顔をする。
「あの、何を・・・」
「何って」
ギゼーはさも当然そうな顔をする。
「見てわかんねぇかなぁ?俺の手には武器がないな?」
「ええ」
「そして君は酒に酔ったとき、水を使って俺の手を捕まえた。覚えてるか?」
「ええ・・・、ぼんやりとなら」
「じゃあ、答えはカンタン。君がその力と、聖書、だっけ?それを使ってあの
悪漢三人をやっつけるんだ。俺は武器がない。よって君が戦う。カンタンな事
だろ?」
「はあ・・・」
何の悪意もない笑みで、ニコニコと笑うギゼー。リングはぽりぽりと頭を書
いた。
「では、ギゼーさん。水を出してください」
「えっ?」
ギゼーの顔に冷や汗が出た。たしかに、今までの話の流れから言うと、水が
必要なのはあきらかで、言い出したからにはギゼーは水を所持してなければな
らない。しかし、水のことなどギゼーは全く考えてはいなかった。・・・何し
ろ、今とっさに思いついて言い出したことなのだから。
「あ、あと、今、聖書はつかえませんよ?」
リングがさらに追い討ちをかける。
「聖書の攻撃は間が長いですし、攻撃が広範囲に及ぶんです。私、まわりの建
物を雷撃で攻撃して弁償するお金など所持していませんし、無関係な人々に危
害を加えたくありません」
「あ・・う・・・」
何が起こってもリングが何とかしてくれると思っていたギゼーにとって、こ
れは絶体絶命のピンチだった。視線をふらふらと動かし、足取りもおぼつかな
い。
「よぉ、兄ちゃん。何だ?俺たちに文句があるんじゃなかったのかい?」
情況が好転したのを察知し、悪役0が強気になってギゼーに迫る。ギゼー
は、たじたじと後ろに下がった。
「う・・・」
「たしか、チビって言われるのが気に食わないんだよな・・・?」
悪漢Aのセリフとともに、三人がギゼーに詰め寄る。
(どうするよ、俺!なんかこの図はカッコ悪いぞ・・・。ってゆーか、ピンチ
だよ、俺!)
今や三人はギゼーの目と鼻の先で、ぬうんとギゼーを見下ろしている。リン
グはといえば、この状況に何の危機感も覚えないらしく、(前に一度自分が体
験したくせに)ぽやっと四人を観察していた。
(何だか、えっと・・・、これってピンチなんでしょうか・・・?)
ギゼーがピンチにあせり、リングがぽやっとしていた、そのとき、
「はぁ・・・」
群衆の中からジュヴィアが、いかにもしんどそうな顔をして現れた。
「全く・・・、いくら馬鹿のしたことでも見ていられないですよ・・・」
(ジュヴィア「ちゃん」「さん」!)
そのとき、ギゼーの目には斧を背負うジュヴィアが天使に見えた。
(ジュヴィアちゃんっ、きっと、その大きな斧でずばっと男どもを片付けてく
れるに違いないっ!)
しかし、自分からケンカを仕掛けた割に、なかなか情けない考え方である。
「あ?なんだテメェは?」
悪漢Vがジュヴィアをギロッとにらむ。しかし、そんな男にたじろぐことも
なく。ジュヴィアは軽蔑したような視線を悪漢Vに向けた。
「たしかにこの青年は向こう見ずの馬鹿ですが、あなたたちのしていることも
相当幼稚ですよ。と、いうか芸がありませんね。あなたたち、悪者の王道パタ
ーンにはまっている自覚はないんですか?」
「う・・・」
一瞬男たちは言葉が詰まった。が、
「何だよテメェは!いきなり出てきてうるせぇんだよ!!」
こうして少女にむきになって怒る様子からして、どうやら三人にもそれなり
の自覚はあるようだ。
「それが何だってんだ、生意気な口きいたテメェからつぶすぞ!」
「はぁ・・・」
ジュヴィアの表情から、全くしょうがないことに巻き込まれた・・・と思っ
ていることがありありと解った。
「リングさん」
「はいっ!」
ジュヴィアはしょうもないという表情を崩さないまま、男たちを見据えてい
った。
「・・・二秒で片付けますから」
「ええ!?」
リングが訳がわからないという表情を浮かべている間に、ジュヴィアはその
大きな斧をひゅんと振り下ろした。
「お強いですね、ジュヴィアさん・・・」
ギゼーといえば、ぽかんとして目の前に倒れている男たちを見つめていた。
三人の男が、ジュヴィアの斧の一振りで倒れてしまった。しかも、
(俺・・・、見えなかったぜ、ジュヴィアちゃんが斧を振った手・・・)
リングはといえば、純粋にジュヴィアの腕に感心している。
「すごいですジュヴィアさん、斧の後ろを使って、すばやくみねうちをくらわ
せましたね!すばやい動きです!」
(ええっ!こいつ見えてたのかよ!)
さすが人間じゃないヤツだけあって、侮れないな・・・、と思うギゼーだっ
た。そんな二人を、ジュヴィアは冷たく見つめて言う。
「この程度ならば、誰でもできます。あなたたちこそ、その程度の腕と対応の
仕方でよく、今まで旅が続けられましたね」
「う・・・、俺はっ、基本的に戦いを好まない性質なんだよっ!」
「・・・おかしいですね。あなたから、この喧嘩に割って入ったように見えま
したが?」
「あのぅ・・・」
そんな二人の会話に、助けられた女性が遠慮がちに割って入った。
「あの、助けていただいたお礼を言いたいのですが・・・」
そのおろおろとした様子は、そこはかとなくリングに似ていた・・・。
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