--------------------------------------------------------
PC 八重・ニーツ・(イートン)
場所 ヴェルン湖畔
NPC ベル=リアン シュワルツェネ=リアン(シニワン)
---------------------------------------------------
「・・・ちょうどいい。消えてもらいたい人間がわざわざ出向いてくれるとはな」
シュワルツェネが冷めた金色の瞳でイートンを見つめる。次の瞬間、シュワルツェネはふうっと、その手に魔力をためた。
「・・・死ね」
簡単に言い放ち、イートンがあっと思って、避ける間もなく火の玉を放った。
「うわわわわっ!!!」
イートンは驚いて思わず手をぶんぶんと振った。
「ままままって下さいい!!!私!今爆薬をっっ!!!」
「何っ!!」
八重がはっとイートンの方を見たとき、
ドカーン!!!
おそるおそる目を開けたイートンは、爆発どころか、傷一つない自分の体を見て言葉を失った。
「え・・・、どう・・して・・・?」
「・・・まだ、<契約>が効いて・・いたのか・・・」
八重の腕の中のニーツが苦しそうにあえぎながら言う。
「ユサとかいうやつと<契約>が・・・まだ効いている・・らしい・・・。魔族と契約したものは・・・契約を果たすまで、勝手に死ぬことを・・許されない・・・」
「では、先ほどの障壁は<契約>による保護魔法か」
イートンに火の玉が当たる瞬間、イートンの目の前に魔法障壁が出来たのを八重は見た。そしてイートンの首筋にうっすらと赤い印が表れたのも。
「イートンも、契約のうちに入っていたのだな」
「・・・ああ、もっとも今の状態・・じゃ、契約が切れるのも・・・時間の問題だが・・・」
「ふん、小賢しい人間めが・・・」
ちっと舌打ちしそうな表情でシュワルツェネが続けて火の玉を撃ってきた。
「わわわっ!!!」
今度はイートンも、ニーツを担いだ八重と一緒にシュワルツェネの攻撃から逃げ回る。
「ちょっ・・・!!ホント、危ないですよっ!!さっきも言いましたけど、私、爆薬を持ってるんですからっ!!」
「なっ・・・!その話、本当なのか!!」
一緒に逃げながら、八重が驚いた表情で言う。
「ええ、本当ですよ!!しかも、街一つ平気で吹き飛ばすヤツです!!」
「何だと!!」
ドカーン!!
シュワルツェネの放った火の玉がイートンと八重の間を裂いた。
「・・・爆薬、か」
不意に、八重に背負われているニーツが口を開いた。
「もしかしたら・・・、あいつら二人・・・倒せるかもしれない・・・」
「本当か!!」
その言葉に、八重は喜びの表情を見せる。
「ああ、イートンが俺を連れて逃げ切り・・・、その間、お前が・・・少しでもアイツらの気をそらし、引き止めることが出来れば・・・」
その後、ニーツは自信なさげに言った。
「・・・ただし、危険な賭けだ」
「引き止める・・・か」
しばらく走りながら考えた後、八重はぽつりと呟いた。
「・・・五分以上は持たないな」
「それだけ持てば・・・上々だ」
「解った」
八重はふうとため息をついた。
「・・・やってみるさ」
ニーツをイートンに託し、八重は単身、シュワルツェネの方に向かって走り出した。
「ははは、馬鹿だね、お前なんか僕だけで十分だよ!!」
そう言ってベルが八重の前に立ちはだかった。・・・両手に魔力を貯めて。
「今度は外さないよ!あはははっ!死ねぇっ!!」
内心、八重はちっと舌打ちをした。・・・大体、この距離では魔力の直撃は免れない。
「・・・お前、邪魔だ」
どおん!!
とたんにベルの撃った火の玉が八重の腹を直撃した。
「本に書いてあったが・・・」
イートンと一緒に逃げながら、ニーツが言う。
「ヴェルンという都市は・・・都市自体が一つの大きな<魔方陣>をかたどっていたらしい・・・」
「なっ!それっ、本当ですか!!」
驚いた顔で尋ねるイートンにニーツは頷いた。
「だから・・・その魔方陣を発動し・・・爆薬を使えば・・・。ただし、遺跡がどの程度残っているかが問題だが・・・」
「大丈夫です、遺跡自体はそんなに荒らされてはいないはずです!けど、ニーツ君、そんな体で魔方陣を発動させることが出来るんですか・・・?」
心配そうに見つめるイートンに、ニーツは言った。
「・・・やるしかないだろう」
PC 八重・ニーツ・(イートン)
場所 ヴェルン湖畔
NPC ベル=リアン シュワルツェネ=リアン(シニワン)
---------------------------------------------------
「・・・ちょうどいい。消えてもらいたい人間がわざわざ出向いてくれるとはな」
シュワルツェネが冷めた金色の瞳でイートンを見つめる。次の瞬間、シュワルツェネはふうっと、その手に魔力をためた。
「・・・死ね」
簡単に言い放ち、イートンがあっと思って、避ける間もなく火の玉を放った。
「うわわわわっ!!!」
イートンは驚いて思わず手をぶんぶんと振った。
「ままままって下さいい!!!私!今爆薬をっっ!!!」
「何っ!!」
八重がはっとイートンの方を見たとき、
ドカーン!!!
おそるおそる目を開けたイートンは、爆発どころか、傷一つない自分の体を見て言葉を失った。
「え・・・、どう・・して・・・?」
「・・・まだ、<契約>が効いて・・いたのか・・・」
八重の腕の中のニーツが苦しそうにあえぎながら言う。
「ユサとかいうやつと<契約>が・・・まだ効いている・・らしい・・・。魔族と契約したものは・・・契約を果たすまで、勝手に死ぬことを・・許されない・・・」
「では、先ほどの障壁は<契約>による保護魔法か」
イートンに火の玉が当たる瞬間、イートンの目の前に魔法障壁が出来たのを八重は見た。そしてイートンの首筋にうっすらと赤い印が表れたのも。
「イートンも、契約のうちに入っていたのだな」
「・・・ああ、もっとも今の状態・・じゃ、契約が切れるのも・・・時間の問題だが・・・」
「ふん、小賢しい人間めが・・・」
ちっと舌打ちしそうな表情でシュワルツェネが続けて火の玉を撃ってきた。
「わわわっ!!!」
今度はイートンも、ニーツを担いだ八重と一緒にシュワルツェネの攻撃から逃げ回る。
「ちょっ・・・!!ホント、危ないですよっ!!さっきも言いましたけど、私、爆薬を持ってるんですからっ!!」
「なっ・・・!その話、本当なのか!!」
一緒に逃げながら、八重が驚いた表情で言う。
「ええ、本当ですよ!!しかも、街一つ平気で吹き飛ばすヤツです!!」
「何だと!!」
ドカーン!!
シュワルツェネの放った火の玉がイートンと八重の間を裂いた。
「・・・爆薬、か」
不意に、八重に背負われているニーツが口を開いた。
「もしかしたら・・・、あいつら二人・・・倒せるかもしれない・・・」
「本当か!!」
その言葉に、八重は喜びの表情を見せる。
「ああ、イートンが俺を連れて逃げ切り・・・、その間、お前が・・・少しでもアイツらの気をそらし、引き止めることが出来れば・・・」
その後、ニーツは自信なさげに言った。
「・・・ただし、危険な賭けだ」
「引き止める・・・か」
しばらく走りながら考えた後、八重はぽつりと呟いた。
「・・・五分以上は持たないな」
「それだけ持てば・・・上々だ」
「解った」
八重はふうとため息をついた。
「・・・やってみるさ」
ニーツをイートンに託し、八重は単身、シュワルツェネの方に向かって走り出した。
「ははは、馬鹿だね、お前なんか僕だけで十分だよ!!」
そう言ってベルが八重の前に立ちはだかった。・・・両手に魔力を貯めて。
「今度は外さないよ!あはははっ!死ねぇっ!!」
内心、八重はちっと舌打ちをした。・・・大体、この距離では魔力の直撃は免れない。
「・・・お前、邪魔だ」
どおん!!
とたんにベルの撃った火の玉が八重の腹を直撃した。
「本に書いてあったが・・・」
イートンと一緒に逃げながら、ニーツが言う。
「ヴェルンという都市は・・・都市自体が一つの大きな<魔方陣>をかたどっていたらしい・・・」
「なっ!それっ、本当ですか!!」
驚いた顔で尋ねるイートンにニーツは頷いた。
「だから・・・その魔方陣を発動し・・・爆薬を使えば・・・。ただし、遺跡がどの程度残っているかが問題だが・・・」
「大丈夫です、遺跡自体はそんなに荒らされてはいないはずです!けど、ニーツ君、そんな体で魔方陣を発動させることが出来るんですか・・・?」
心配そうに見つめるイートンに、ニーツは言った。
「・・・やるしかないだろう」
PR
トラックバック
トラックバックURL: