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PC :八重・イートン・ニーツ・ウピエル
場所 :オーディル
NPC :ナスビ
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「成る程な」
冷たい空気が数瞬流れた後、最初に口を開いたのは、ニーツだった。
「始めからそのつもりで近づいて来たんだろう?」
「ご名答~」
にやりと笑うウピエルと、ニーツの冷たい視線が交わる。
視線で人が殺せるのなら、10人は即死していそうなニーツの視線をさらりと受け流
せるのは流石というべきか。
だが、人外二人のやり取りを傍で見ている2人は…
「…ニーツ君、いつも以上に怒ってますねぇ」
「ああ」
「なんだかんだ言って、ニーツ君がこんな所で魔法使った事無いですからね…」
「ああ」
「……聞いてます?八重さん」
「ああ」
「………八重さんの馬鹿」
「ああ」
上の空、と言うより、現実逃避気味な様子で答える八重を横目で恨めしそうに見遣
り、イートンが溜息をつく。
だがすぐに、ニーツに視線を移され、思わず背筋を伸ばした。
「何でこんな変な奴を連れてきたんだ?」
「何でって…不可抗力ですよ~」
「相変わらずの馬鹿か」
氷点下の言葉を突き刺され、イートンは一瞬で撃沈した。
部屋の端に丸まり、ナスビをころころと転がす。
ナスビの悲鳴を聞きながら、ウピエルが呆れたような。面白がるような声をあげた。
「凄い言われ様だな~。小生意気なお子様魔族がいるって聞いてはいたが、こりゃ
あ、
想像以上だ」
「…お子様?」
「そう、お・こ・さ・ま」
一瞬、室内の温度が10度程下がる。
イートンなどは、思わずこの部屋に血の雨が降る錯覚に陥った…のだが。
「こちらの事も調べ尽くしていたのか?用意周到だな」
意外にあっさりと、ニーツは怒りを引っ込めた。
くだらない、とでも言うように、ウピエルを一瞥すると、ひらりと近くにあった備え
付けの文机に腰を掛け、手足を組む。
「それで?八重の身体の秘密は、誰に聞いた?」
「ひ・み・つ」
「あああ~これ以上ニーツ君を怒らせないで下さい!」
居ても立ってもいられず、思わずイートンが口を挟んだ。
「そうだな。おちゃらけも良いが、そろそろ真面目に話してくれないか?」
八重も話に参加し、ウピエルは肩をすくめる。
「心外だな。オレはいつでも真面目だぜぇ?」
『嘘付け』
3人同時に言われ、思わず落ち込むウピエル。
気が付けば、床にのの字が大量に書かれていた。
「ふーんだ、いいもんね。そんな事言う奴らには、ドクター・レンが何処に幽閉され
て
いるのか教えてやんないから」
『は?』
またも3人同時に反応され、ウピエルは立ち治った。
すっくと立ち上がり、腕を組んで胸を張る。無駄に動作が大きな男だ。
その目は、子供のようにキラキラと輝いている。
「そ、お前ら、ジュデッカに行っても、何処にレンがいるか知らないだろう?」
「牢獄の中ではないのか?」
ウピエルは、問い掛けた八重に、チッチと指を振った。
「その牢獄が何階層あると思ってるんだ?100だぜ?100。
そんな所、いちいち探し回るのか?」
いちいち、の所に力を入れるウピエル。
「100、ですか…」
「そう、100。日が暮れるどころか、一生使い果たしちゃうぜ?広いから。迷って
出てこられ
なくなった人もいるらしいしな。
…って事で、オレを仲間に入れてくれりゃあ、その場所を教えるけど?」
どうする?
目でそう訴えるウピエルに、3人(と1匹)は、思わず顔を見合わせた。
PC :八重・イートン・ニーツ・ウピエル
場所 :オーディル
NPC :ナスビ
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「成る程な」
冷たい空気が数瞬流れた後、最初に口を開いたのは、ニーツだった。
「始めからそのつもりで近づいて来たんだろう?」
「ご名答~」
にやりと笑うウピエルと、ニーツの冷たい視線が交わる。
視線で人が殺せるのなら、10人は即死していそうなニーツの視線をさらりと受け流
せるのは流石というべきか。
だが、人外二人のやり取りを傍で見ている2人は…
「…ニーツ君、いつも以上に怒ってますねぇ」
「ああ」
「なんだかんだ言って、ニーツ君がこんな所で魔法使った事無いですからね…」
「ああ」
「……聞いてます?八重さん」
「ああ」
「………八重さんの馬鹿」
「ああ」
上の空、と言うより、現実逃避気味な様子で答える八重を横目で恨めしそうに見遣
り、イートンが溜息をつく。
だがすぐに、ニーツに視線を移され、思わず背筋を伸ばした。
「何でこんな変な奴を連れてきたんだ?」
「何でって…不可抗力ですよ~」
「相変わらずの馬鹿か」
氷点下の言葉を突き刺され、イートンは一瞬で撃沈した。
部屋の端に丸まり、ナスビをころころと転がす。
ナスビの悲鳴を聞きながら、ウピエルが呆れたような。面白がるような声をあげた。
「凄い言われ様だな~。小生意気なお子様魔族がいるって聞いてはいたが、こりゃ
あ、
想像以上だ」
「…お子様?」
「そう、お・こ・さ・ま」
一瞬、室内の温度が10度程下がる。
イートンなどは、思わずこの部屋に血の雨が降る錯覚に陥った…のだが。
「こちらの事も調べ尽くしていたのか?用意周到だな」
意外にあっさりと、ニーツは怒りを引っ込めた。
くだらない、とでも言うように、ウピエルを一瞥すると、ひらりと近くにあった備え
付けの文机に腰を掛け、手足を組む。
「それで?八重の身体の秘密は、誰に聞いた?」
「ひ・み・つ」
「あああ~これ以上ニーツ君を怒らせないで下さい!」
居ても立ってもいられず、思わずイートンが口を挟んだ。
「そうだな。おちゃらけも良いが、そろそろ真面目に話してくれないか?」
八重も話に参加し、ウピエルは肩をすくめる。
「心外だな。オレはいつでも真面目だぜぇ?」
『嘘付け』
3人同時に言われ、思わず落ち込むウピエル。
気が付けば、床にのの字が大量に書かれていた。
「ふーんだ、いいもんね。そんな事言う奴らには、ドクター・レンが何処に幽閉され
て
いるのか教えてやんないから」
『は?』
またも3人同時に反応され、ウピエルは立ち治った。
すっくと立ち上がり、腕を組んで胸を張る。無駄に動作が大きな男だ。
その目は、子供のようにキラキラと輝いている。
「そ、お前ら、ジュデッカに行っても、何処にレンがいるか知らないだろう?」
「牢獄の中ではないのか?」
ウピエルは、問い掛けた八重に、チッチと指を振った。
「その牢獄が何階層あると思ってるんだ?100だぜ?100。
そんな所、いちいち探し回るのか?」
いちいち、の所に力を入れるウピエル。
「100、ですか…」
「そう、100。日が暮れるどころか、一生使い果たしちゃうぜ?広いから。迷って
出てこられ
なくなった人もいるらしいしな。
…って事で、オレを仲間に入れてくれりゃあ、その場所を教えるけど?」
どうする?
目でそう訴えるウピエルに、3人(と1匹)は、思わず顔を見合わせた。
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