PC イートン・ニーツ・ウピエル・八重
場所 ルート
NPC 駅員 ナスビ
___________________________________
地下に続く通路は、照らす明かりが足元についている長方形で緑色の明かり
しかない、なんとも薄暗い通路だった。その長方形の緑色の明かりには一つ一
つ白い字で文字が書いてある。そうそれはこの鉄道を作るのに出資したスポン
サーの名である。
コツコツと、四人とプラス一匹の、淋しい足音だけが通路に響く。
長い階段を下りると、三つに分かれた通路で紺の制服を着た男達…この駅の
駅員が改札を行っていた。通路の先からは、煌々とした明かりが漏れている。
「お客様、乗車券を拝見いたします」
丸顔で人のよさそうな顔をした駅員が白手袋をはめた手を差し出した。
「は、はぁ…」
その言葉にイートンがおずおずと券を差し出す。駅員はふむふむと券を確認
すると、
「お客様のお席はAの8番になります。どうぞよい旅を」
カチッと券にハサミを入れると、微笑んでイートンに券を返した。
「ふむ、では私の席はイートンの隣になるな。番号が続いている」
そういって八重も駅員に券を渡す。カチッ。
「そうなりますね。お客様のお席はAの9番ですから」
笑みを絶やさず、駅員は八重にハサミの入った券を渡した。
「ふーん、じゃあオレたちはどこの席になるんだ?こいつらとは席、近いの
か?」
ウピエルが口をとがらせながら券を渡すと、駅員は券を見つめた後、
「お客様のお席は…、Cの7番ですね。このお席ですとA席からは車両一台分離
れた場所です」
「えー、じゃあオレ、こいつらとは離れちゃうのか?なんだよ、オレどうもコ
イツとはソリがあわねぇような気ぃするんだよなぁ…。つーか、コイツがあわ
せる気ないって言うカンジ」
ぷーっとほっぺたを膨らませてウピエルが言うと、ニーツはギロッとウピエ
ルを一瞥し、ぷんとそっぽを向く。
「ふん、馬鹿馬鹿しい。誰がお前みたいなやつに合わせるか」
「けーっ、なんだよ可愛くねぇー」
ウピエルは拗ねたように横を向くと、付け加えるようにぼそっと一言。
「見た目はけっこう可愛い系なのによぉ」
その言葉を聞いて、ニーツがウピエルを鬼のような形相でくわっ、と睨む。
可愛い、というのはニーツには禁句だというのに…。
「あわわ…。ウピエルさん…、これ以上言ったらニーツ君に殺されますって
ぇ…」
二人の狭間であわあわとうろたえるイートン。
それを遠くから傍観するように八重とナスビは眺めていた。
「全く、あの男はわざわざニーツのヤツを挑発するようなことを言って…。あ
の二人を一緒にして死人が出ても知らんぞ。私は」
『いや、あの二人、口論にはなっても互いに手は出さんだろうな。感じぬか?
あいつら何気に魔力はほぼ互角に近いものがある…』
「え?」
おもむろにタバコをくわえようとする八重を駅員が静止した。
「お客様、当列車では全車両禁煙になっております」
「あ、ああ、すまない」
急いで八重はタバコを床に押し付けてもみ消した。すると、ふっと腕に抱い
ていたナスビを駅員にとられた。
「なっ…」
「お客様、申し訳ございません。当列車では他のお客様のご迷惑になる場合が
ありますので<ペット>は専用車両でお預かりすることになっているんです
よ」
『なぬ?我輩をペットとな?なんて無礼な!』
ペット扱いされたナスビの目がきっと持ち上がる。
『おい、駅員!我輩は断じて!ペットなどではないぞ!由緒正しきヴェルンの
守護神であーる』
しかし、駅員はそうのたまうナスビを見てにっこり笑うと、
「はは、めずらしいウサちゃんですね。ご安心ください、ウサちゃんは専用車
両できちんとお預かりしますから」
『だから!我輩、ウサちゃんなどではないぞ!いやむしろウサちゃんなのは我
輩ではなく八重のほう…』
しかしナスビの言葉もむなしく、ナスビはじたばたするのを駅員二人に押さ
えつけられ、『我輩ペットではないぞぉ~』という叫びを残しながらも、ペッ
ト専用車両に連行されたしまった。次第にその声は遠くなっていく。
(ああ…)
目の前ではニーツとウピエルが…今は冷戦状態で争っている。そしてナスビ
はペット扱いされて連れ去られ。
「はぁ…」
これからのことを考え、また今日も深いため息をつく八重だった。
場所 ルート
NPC 駅員 ナスビ
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地下に続く通路は、照らす明かりが足元についている長方形で緑色の明かり
しかない、なんとも薄暗い通路だった。その長方形の緑色の明かりには一つ一
つ白い字で文字が書いてある。そうそれはこの鉄道を作るのに出資したスポン
サーの名である。
コツコツと、四人とプラス一匹の、淋しい足音だけが通路に響く。
長い階段を下りると、三つに分かれた通路で紺の制服を着た男達…この駅の
駅員が改札を行っていた。通路の先からは、煌々とした明かりが漏れている。
「お客様、乗車券を拝見いたします」
丸顔で人のよさそうな顔をした駅員が白手袋をはめた手を差し出した。
「は、はぁ…」
その言葉にイートンがおずおずと券を差し出す。駅員はふむふむと券を確認
すると、
「お客様のお席はAの8番になります。どうぞよい旅を」
カチッと券にハサミを入れると、微笑んでイートンに券を返した。
「ふむ、では私の席はイートンの隣になるな。番号が続いている」
そういって八重も駅員に券を渡す。カチッ。
「そうなりますね。お客様のお席はAの9番ですから」
笑みを絶やさず、駅員は八重にハサミの入った券を渡した。
「ふーん、じゃあオレたちはどこの席になるんだ?こいつらとは席、近いの
か?」
ウピエルが口をとがらせながら券を渡すと、駅員は券を見つめた後、
「お客様のお席は…、Cの7番ですね。このお席ですとA席からは車両一台分離
れた場所です」
「えー、じゃあオレ、こいつらとは離れちゃうのか?なんだよ、オレどうもコ
イツとはソリがあわねぇような気ぃするんだよなぁ…。つーか、コイツがあわ
せる気ないって言うカンジ」
ぷーっとほっぺたを膨らませてウピエルが言うと、ニーツはギロッとウピエ
ルを一瞥し、ぷんとそっぽを向く。
「ふん、馬鹿馬鹿しい。誰がお前みたいなやつに合わせるか」
「けーっ、なんだよ可愛くねぇー」
ウピエルは拗ねたように横を向くと、付け加えるようにぼそっと一言。
「見た目はけっこう可愛い系なのによぉ」
その言葉を聞いて、ニーツがウピエルを鬼のような形相でくわっ、と睨む。
可愛い、というのはニーツには禁句だというのに…。
「あわわ…。ウピエルさん…、これ以上言ったらニーツ君に殺されますって
ぇ…」
二人の狭間であわあわとうろたえるイートン。
それを遠くから傍観するように八重とナスビは眺めていた。
「全く、あの男はわざわざニーツのヤツを挑発するようなことを言って…。あ
の二人を一緒にして死人が出ても知らんぞ。私は」
『いや、あの二人、口論にはなっても互いに手は出さんだろうな。感じぬか?
あいつら何気に魔力はほぼ互角に近いものがある…』
「え?」
おもむろにタバコをくわえようとする八重を駅員が静止した。
「お客様、当列車では全車両禁煙になっております」
「あ、ああ、すまない」
急いで八重はタバコを床に押し付けてもみ消した。すると、ふっと腕に抱い
ていたナスビを駅員にとられた。
「なっ…」
「お客様、申し訳ございません。当列車では他のお客様のご迷惑になる場合が
ありますので<ペット>は専用車両でお預かりすることになっているんです
よ」
『なぬ?我輩をペットとな?なんて無礼な!』
ペット扱いされたナスビの目がきっと持ち上がる。
『おい、駅員!我輩は断じて!ペットなどではないぞ!由緒正しきヴェルンの
守護神であーる』
しかし、駅員はそうのたまうナスビを見てにっこり笑うと、
「はは、めずらしいウサちゃんですね。ご安心ください、ウサちゃんは専用車
両できちんとお預かりしますから」
『だから!我輩、ウサちゃんなどではないぞ!いやむしろウサちゃんなのは我
輩ではなく八重のほう…』
しかしナスビの言葉もむなしく、ナスビはじたばたするのを駅員二人に押さ
えつけられ、『我輩ペットではないぞぉ~』という叫びを残しながらも、ペッ
ト専用車両に連行されたしまった。次第にその声は遠くなっていく。
(ああ…)
目の前ではニーツとウピエルが…今は冷戦状態で争っている。そしてナスビ
はペット扱いされて連れ去られ。
「はぁ…」
これからのことを考え、また今日も深いため息をつく八重だった。
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