PC 八重・イートン・ニーツ
場所 ルート
NPC 占い師のじいさん
------------------------
ガン・バンジャン少年が怪しき占い師に声をかけられている頃。
占い師が探す3人組こと、八重・イートン・ニーツはオーディルからの街道を未だ北
上していた。
八重が、地図を見ながら唸った。
「この先に村がある。後半日位で着けそうだな」
「村、ですか」
「ああ。それにしても、ジュデッカまでの道のりは遠そうだな」
溜息と共に吐き出された言葉に、イートンがヒョイっと地図を覗き込み…
明らかに顔を曇らせた。
「あ―…本当ですね。まだまだかかりそうですね」
そこで、ふと思い立ったように、イートンはニーツを見た。
「そうだ、ニーツ君。ニーツ君の力でぱぱぱーとみんなで移動するっていうのは?」
「はぁ?」
思わぬ提案を吹っ掛けられたニーツは、眉をひそめてイートンを見た。
瞬間移動でみんなを運べないかと訊かれたと気付くと、ふいっとそっぽを向く。
その顔は明らかに迷惑そうだ。
「いやだ」
「何でですか?」
「めんどくさい」
ニーツの返答に、予想していたとばかりに、イートンは切り返す。
「歩く方がずっと面倒ですよ」
「若いうちは歩くものだ」
「そんな、親父くさい事を…イテ!!」
イートンの後頭部にぶつかって落ちたナスビが抗議の声をあげたが、誰も聞く者はい
なかった。
「いきなり投げるなんて酷いですよ~」
「まあまあ」
一部始終を見ていた八重が、苦笑して二人をなだめる。
なんにせよ、昔のようにじゃれあう姿は良いものだ、と八重は思う。
本人達にしてみれば、じゃれあっているつもりは無いのだろうけれど。
「さて、それはともかく、これからどうする?このままでは時間がかかって仕方が無
い」
「馬車でも使います?」
「……そんなお金があればな」
言われて、イートンは思わず自分達の所持金を思い浮かべた。
馬車を使ってジュデッカまでいくには…微妙に足りない。
「時間はまだまだあるんだ。ゆっくり行けばいいじゃないか」
「…人生は短いんだ、ニーツ…」
「ニーツ君は若いからまだ時間がありますけどね」
若い、を強調していうイートンに意味ありげな視線を送って、ニーツは視線を前に移
した。
「とりあえず、次の街までは歩きだぞ」
☆ ☆ ☆ ☆
丁度半日後、三人は小さな村に辿り着いた。
「八重、イートン、ニーツ」
村に入った途端、三人の名前を呟く声が聞こえ、ニーツを除く二人が振り返った。
その視線の先には、怪しげな占い師。
「…だな?お前達の名前は」
「はい、そうですが…どうしてそれを?」
「この水晶に出ておる」
怪しげな占い師は、にんやりと笑って三人を見た。
だがその後に、占い師が「ようやく当たった…」とこっそり呟いたのを、ニーツは聞い
た。
が、あえて何も言うことなく、イートンの様子を横目で見る。
予想通り、イートンは普通に感心していた。
「へぇ、凄いですね」
「イートン、そんなのに構っていないで…」
「どうだい?占ってあげようか。丁度お前達は本日二十人目の来村者だ。占い代は安く
するよ」
「本当ですか?お願いします」
安くするという言葉に、イートンとナスビがほてほてと占い師の方に歩き寄った。
ニーツと八重は呆れたようにそれを見守る。
「では、占ってしんぜよう。料金は前金制じゃ」
「いくらですか?」
イートンの問いかけに告げられた金額に、イートンは目を丸くした。
「安くするって言ったじゃないですか!」
「たわけ!これでも十分安くしておるわ!
さあさあ、男に二言は無い。払ってもらうぞよ」
「…仕方ないですねぇ…」
しぶしぶとイートンは財布を開ける。
お金を受け取るなりなり、占い師はいきなりバッと両手を広げた。
そのままうーんうーんと唸る。
その姿は神秘的というには程遠い。
だが、イートンは何も疑問を持たない様子で、それを見守っていた。
やがて、ふんっと大きく気合をいれ、占い師が顔を上げる。
「な、なんとぉ!」
「な…なんですか!?どうしたんですか」
「おおあたりじゃ!!」
大声で予想外の事を叫ぶ占い師に、イートンはぽかんとした表情を浮かべた。
「お主は大当たりじゃ!」
「大当たり…?」
「そうじゃ、なので、これを差し上げよう」
そう言って、占い師はイートンの手に何かを握らせた。
「それじゃ」
そのまますさまじいスピードで占い師は机を片付け、その場から急スピードで立ち去
る。
イートンは、握らされたものを手に、ぽかんと立ち尽くした。
「大当たりって、占いなんですか?」
『いや、普通は福引だと思うが』
「…何を貰ったんだ?」
いつの間にか近づいてきた八重が、イートンの手の中を覗き込んだ。
その手に握られていたのは勿論…
『……大陸横断鉄道乗車券?』
八重とイートン、二人の声が、見事にハモッた。
場所 ルート
NPC 占い師のじいさん
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ガン・バンジャン少年が怪しき占い師に声をかけられている頃。
占い師が探す3人組こと、八重・イートン・ニーツはオーディルからの街道を未だ北
上していた。
八重が、地図を見ながら唸った。
「この先に村がある。後半日位で着けそうだな」
「村、ですか」
「ああ。それにしても、ジュデッカまでの道のりは遠そうだな」
溜息と共に吐き出された言葉に、イートンがヒョイっと地図を覗き込み…
明らかに顔を曇らせた。
「あ―…本当ですね。まだまだかかりそうですね」
そこで、ふと思い立ったように、イートンはニーツを見た。
「そうだ、ニーツ君。ニーツ君の力でぱぱぱーとみんなで移動するっていうのは?」
「はぁ?」
思わぬ提案を吹っ掛けられたニーツは、眉をひそめてイートンを見た。
瞬間移動でみんなを運べないかと訊かれたと気付くと、ふいっとそっぽを向く。
その顔は明らかに迷惑そうだ。
「いやだ」
「何でですか?」
「めんどくさい」
ニーツの返答に、予想していたとばかりに、イートンは切り返す。
「歩く方がずっと面倒ですよ」
「若いうちは歩くものだ」
「そんな、親父くさい事を…イテ!!」
イートンの後頭部にぶつかって落ちたナスビが抗議の声をあげたが、誰も聞く者はい
なかった。
「いきなり投げるなんて酷いですよ~」
「まあまあ」
一部始終を見ていた八重が、苦笑して二人をなだめる。
なんにせよ、昔のようにじゃれあう姿は良いものだ、と八重は思う。
本人達にしてみれば、じゃれあっているつもりは無いのだろうけれど。
「さて、それはともかく、これからどうする?このままでは時間がかかって仕方が無
い」
「馬車でも使います?」
「……そんなお金があればな」
言われて、イートンは思わず自分達の所持金を思い浮かべた。
馬車を使ってジュデッカまでいくには…微妙に足りない。
「時間はまだまだあるんだ。ゆっくり行けばいいじゃないか」
「…人生は短いんだ、ニーツ…」
「ニーツ君は若いからまだ時間がありますけどね」
若い、を強調していうイートンに意味ありげな視線を送って、ニーツは視線を前に移
した。
「とりあえず、次の街までは歩きだぞ」
☆ ☆ ☆ ☆
丁度半日後、三人は小さな村に辿り着いた。
「八重、イートン、ニーツ」
村に入った途端、三人の名前を呟く声が聞こえ、ニーツを除く二人が振り返った。
その視線の先には、怪しげな占い師。
「…だな?お前達の名前は」
「はい、そうですが…どうしてそれを?」
「この水晶に出ておる」
怪しげな占い師は、にんやりと笑って三人を見た。
だがその後に、占い師が「ようやく当たった…」とこっそり呟いたのを、ニーツは聞い
た。
が、あえて何も言うことなく、イートンの様子を横目で見る。
予想通り、イートンは普通に感心していた。
「へぇ、凄いですね」
「イートン、そんなのに構っていないで…」
「どうだい?占ってあげようか。丁度お前達は本日二十人目の来村者だ。占い代は安く
するよ」
「本当ですか?お願いします」
安くするという言葉に、イートンとナスビがほてほてと占い師の方に歩き寄った。
ニーツと八重は呆れたようにそれを見守る。
「では、占ってしんぜよう。料金は前金制じゃ」
「いくらですか?」
イートンの問いかけに告げられた金額に、イートンは目を丸くした。
「安くするって言ったじゃないですか!」
「たわけ!これでも十分安くしておるわ!
さあさあ、男に二言は無い。払ってもらうぞよ」
「…仕方ないですねぇ…」
しぶしぶとイートンは財布を開ける。
お金を受け取るなりなり、占い師はいきなりバッと両手を広げた。
そのままうーんうーんと唸る。
その姿は神秘的というには程遠い。
だが、イートンは何も疑問を持たない様子で、それを見守っていた。
やがて、ふんっと大きく気合をいれ、占い師が顔を上げる。
「な、なんとぉ!」
「な…なんですか!?どうしたんですか」
「おおあたりじゃ!!」
大声で予想外の事を叫ぶ占い師に、イートンはぽかんとした表情を浮かべた。
「お主は大当たりじゃ!」
「大当たり…?」
「そうじゃ、なので、これを差し上げよう」
そう言って、占い師はイートンの手に何かを握らせた。
「それじゃ」
そのまますさまじいスピードで占い師は机を片付け、その場から急スピードで立ち去
る。
イートンは、握らされたものを手に、ぽかんと立ち尽くした。
「大当たりって、占いなんですか?」
『いや、普通は福引だと思うが』
「…何を貰ったんだ?」
いつの間にか近づいてきた八重が、イートンの手の中を覗き込んだ。
その手に握られていたのは勿論…
『……大陸横断鉄道乗車券?』
八重とイートン、二人の声が、見事にハモッた。
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