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2024/05/16 21:06 |
Rendora - 5/アダム(Caku)
PC アダム クロエ
NPC 第一領領主シメオン/シックザール/黒太子ロンデヴァルト三世/指導者大
佐アルビオル/エルフ衛兵
Place ラドフォード内シメオン屋敷⇒隠し通路
------------------------------------------------------------



「へぇ、ドラゴン?でも、ここじゃぁ特に珍しいものでもないよね」




少年の口調は気さくで明るい。幅広い玉座にちょこんと座る黒髪の少年は、小
首を傾げる仕草をした。正統エディウス帝国第一領内帝都ノスタルジア・オー
クレール城でも城で最も広いとされる、皇帝の間の玉座で。

「ふぅん、“夢見鳥”ね…うわっ!すごいね、百年とちょっと前だとしても人
間相手に100人殺してるんだ

!しかも一撃?」

言葉の内容を疑うような、あっけらかんとした明るいソプラノ・ボーイが響
く。まるで玩具の性能を見ているような感じで、漆黒の瞳を輝かせる少年。少
年は側近が差し出した資料を嬉しそうに受け取る。資料庫から引っ張り出して
きたらしい蔵書はぼろぼろだが、そんなことは気にせず、鼻歌を歌いながらめ
くっていく。頁をめくる手が止まったのは、蛇のような竜が人間を焼き殺して
いる絵のところだ。それを瞳を輝かせながら、

「効率がいいよね。人間同士で戦わせたって片付けられる数なんてたかがしれ
てるし。見た目もカッコイイし、何よりこう、理不尽なぐらいに強いのがいい
よね!」

いいなぁいいなぁと羨ましそうに頬杖をつく。次に側近が持っていた一抱えも
ある大型本を受け取って、台座に沈みながら開く。本の内容は『竜の伝説』、
足をぶらつかせてながら重い一枚一枚の頁をめくりながら、さらりと一言告げ
た。

「ねぇ、“夢見鳥”(これ)でやってみたいな、次の戦争」




***********************************************

「君は、本業は傭兵だそうだね」

「はぁ」

シメオンの唐突な問いに、曖昧に答えるアダム。
夜更けと夜明けの中間で叩き起こされた内容にしては、そんなことで起こして
欲しくない。せっかく久しぶりの羽毛布団の柔らかさで寝入ってたのに。夜の
ラドフォードの景観は、昼間見た光景よりもそれはそれでまた美しい。クリノ
クリア・オークの木々の走る様脈がまるで夜空の星のように輝き、森はまるで
夜空の映し鏡のようである。が、時刻は幽霊も営業終了する夜明け前。アダム
の脳も景観の美しさを評価する前に営業終了中である。

「えぇまぁ…そんだけですか?」

アダムの思考を読み取ったのか、シメオンは軽くため息をついてから

「頼みがある。望みの枚数を全て、金貨で支払おう」

美味しい話には裏がある。ついでにまず最初に金銭を先に提示される依頼は
常々厄介だと、職業上の経験があるアダムは嫌そうな顔をした。さすがにこの
深夜に営業用スマイルは出せない。それでも、シメオンには少しばかりの温情
と多大な感謝もあるので、取り繕って話を聞く。

「内容にもよりますけど。俺は剣の達人でもないし、シメオンさんみたいに樹
林兵を操る魔力もないし」

アダムにしてみれば、樹林兵を数百操り、魔法を操るエルフをまとめあげてい
るシメオンがアダムに頼るような依頼がまったく思いつかないのである。だ
が、シメオンはもっと思いつかなかったことを言いはじめた。

「簡単だが、私には出来ないことだ。クロエをエディウスから脱出させてく
れ」

は?とぽかんと口を開けて、しばらくシメオンの横顔を見つめるアダム。どう
いう理由でいきなり、そうなるのか理解に苦しんでいると、シメオンの言葉の
口調がビジネスライクから赤裸々な苦言に変化した。

「出来るだけ、遠くへ。少なくともこの国はまずい」

「なんでですか?」

「今日の昼過ぎ、クロエの覚醒を目撃した帝國兵がラドフォードから帝都ノス
タルジアに向かったらしい。クロエの事を【黒太子】に報告するのだろう。ま
ずいことになる」

「そりゃご苦労さんです、んで、なんで?」

アダムには、なんで帝國兵が一匹の竜の寝起きで帝都に連絡するのかわからな
い。【黒太子】も知り合いなのだろうか?と首を捻っていると、シメオンは否
定の意を告げた。

「君は、ここが新生エディウスと断続的に戦争中だということは知っている
ね?今は小康状態だが、ただでさえ兵士が不足しているのだから【黒太子】は
新しい戦力を常に求めている。…例えば、一体だけで百体の敵を滅ぼせるよう
な、効率よく戦争ができるような力を持つ者が現れたならどうだろう?」

「あ…」

アダムもようやく、シメオンの言いたいことが分かってきた。シメオンはクロ
エが戦争の道具として使われることに危機感を持っているのだ。

「でもクロエさんが、戦争なんかに参加するはずないじゃないですか…だって
人間どころか虫一匹殺すような人、あいやドラゴンじゃないし」

と、アダムの発言の後にシメオンは無表情で発言した。

「クロエは、百年前に人間を殺している」

「…え」

「【黒太子】にとっては願ってもない玩具だ。クロエ単体で幾百人の敵兵を一
瞬で倒せる。ドラゴンを使役しているとなれば『新生エディウス帝國』の貴族
は動揺し、騎士らも戦争に二の足を踏むかもしれない。だが、そんなことにク
ロエを巻き込むわけにはいかない」

エディウスには名のあるドラゴンは多い。また名のないドラゴンも多い。が、
ドラゴンが人間の戦争に参加するという話は聞いたこともない。ドラゴンはほ
とんどが人間との境界を厳密に保ち、また人間界に不可侵を貫くものが多い。
多種族の戦争に加わるほど、彼らは愚かでも欲深くもない。

「まずは懐柔、それが駄目なら強制的に従わせるつもりだろう。魔女ベルンハ
ルディーネの遺産に『人造精霊』というものがある。肉を使わずに生まれた禁
忌の生命体で、散々戦争の道具として使い回された挙句、使い切れなくなると
魔女ごと火刑にされた哀れな存在だ。クロエも同じ運命を辿るとしか思えな
い」

「無理でしょ、いくらなんでもクロエさんはドラゴンですよ?無理矢理たっ
て、人間の力でどうにか従わせられるもんなんですか!?」

なおさら、クロエが強力であれば人間など到底かなわないはずだ。

「そうだ、彼女は強大だ。だが、力はそこまで問題ではない。問題なのはその
方法だ…【黒太子】ならクリノクリア・エルフ全員を人質にと脅迫して彼女を
戦地に引き摺り出すことも厭わないだろう。クリノクリアエルフを一人でも国
境線に放り込み、彼女にその話をすれば彼女は絶対に仲間を助けに戦場へ行く
だろう」

つまり、一体のドラゴンに殺戮を強制するために、不特定多数の命を危険にさ
らす。ドラゴンが強く正しくあればあるほど、弱者を助けようすればするほ
ど、きっとその戦場は血が流れるのだろう。

「…この国とあの国ではね、気高い騎士も、敬うべきドラゴンも、はては命す
ら戦争の為の道具だ。我らクリノクリフ・エルフですらも、その仕様からは逃
れられない」

なんと言えばいいのか。アダムの足りない脳ではシメオンに届く言葉はない。
国とか民とか、そういうものとはアダムはあまりにもかけ離れているし、立場
も暮らしも違いすぎている。守る者も自分の身と相棒一振りだけの自分に、何
百人を背負うシメオンの負担を和らげられる言葉をアダムは知らなかったし、
そういうことを考えたこともなかった。

「夜明けに屋敷を出てヴィヴィナ渓谷の方に出るんだ。ルートはクロエが知っ
ている、書簡を第六自治領ヴァーンの【風の首領】に届けている。彼らなら君
達を安全にフィキサ砂漠から国外に抜け出せるだろう…君には重荷かもしれな
いが、君以外に頼れるものがいない。アダム、君にクロエを託す」


***********************************************

アダムと話してからまだ一時間程度しか経っていなく、夜明けがうっすらと空
を変えていた。


「なんだと…!?」

シメオンは寝不足気味の瞳を大きくさせて、凍りついた。従者の慌て様をすり
抜け、大股で客間へと歩く。朝靄の静けさを打ち破るように客間の扉を開く
と、そこには見慣れた魔女の森のように暗鬱とした、深緑の衣服を着用した妖
艶な女性がいた。

「やぁ御機嫌よう第一領主殿、あれかね?クリノクリアエルフは朝も早いのか
な?」

「アルビオル大佐…っ!何故、ここに」

「何故?あぁそうか君は知らないかな…なんでも百年前に民を殺戮した危険な
ドラゴンが再び目撃されたそうでね。私達『指導者』が来たわけだが…おや、
どうやら君もその話は聞いていたようだね」

隻眼の女性は、シメオンを舐めるように見下した。シメオンの心中をせせら笑
うように唇を舐めた。

「危険だ、とてつもなく危険だ。そう思わないかね?」

「…あれほどラドフォードに入る際には事前の許可をと…!!」

「民の危機に許可がいるのかね領主殿?」

シメオンは混乱する頭で必死に事態を整理する。帝都ノスタルジアまで馬をど
んなに速く走らせても半日以上はかかる。クロエが目撃されたと同時に馬を走
らせたとしても夜更け、さらに国王の許可と委任状を出すのには四時間はかか
る。いや、独断で即決したとしても、都合よく『指導者』を出せるわけがな
い!

「そんなに不思議がることではないだろう、ラドフォードは両エディウスの中
でも技術水準が高い=重要都市だ。まぁ、確かに私が最近ラドフォード近辺に
配置変えされたことは明日ごろに連絡が行く予定だから、知らなかったのも無
理は無い」

「…国境線に配置されていた貴女が…この、我らの都にだと…」

秘密裏に配置されていたとしか思えない。ラドフォードは魔法水準の高い都市
だ、常に一人は正統帝国軍でも強力な、あるいは凶悪な人材が配置されてい
る。以前までは【氷の王】と呼ばれた『指導者』の中でも最強と呼ばれる青年
だった。が、彼は人格的に優秀であり、シメオンとも理解を共有できる人徳者
であった。

「そう気張るな、真相は単に国境線沿いの兵士は飽きただけだ。新生エディウ
スが見捨てた捕虜をあらかた殺しつくしてしまい、やりすぎも良くないとの
【黒太子】の仰せでね。何事も効率よく力を分配しないとな」

まだアダムとクロエは出発すらしていないというのに、よりによって“首狩り
の"アルビオル”が来るとは…!!シメオンは歯軋りをした。

***********************************************

「あ?」

ふと、何か良くない予感がしてアダムは振り返った。後ろにはきょとんとした
顔のクロエがいた。

「どうしたんですか?」

「いや、何だろ?」

クロエには『シメオンさんがクロエさんに是非行ってきて欲しい場所がある』
とだけ告げられている。純粋に他愛無い頼まれごとだと思っているクロエは、
何の疑いも抱かずにアダムについてくる用意を終わらせていた。

「あれ?」

今度はクロエが首を傾げる番だった。不思議そうに窓に寄り、下を見つめる。

「あの女の人は誰でしょう…なんか、その、ちょっと他の人とは違うような感
じが」

「ふぅーん」

アダムも続いて下を見る。
すると、入り口から周囲を見回していた女性…クロエの言う『他の人とは違う
ような』感じの女性、上から見ると胸の谷間が…あいや妖艶な雰囲気の、だ
が、その魅惑的な肢体を深い緑色の軍服に身を沈めていて、隻眼の瞳がつ、と
こちらを見た。

「…!!」

ぞっとする、いいや、ぞわぁりとする何かが背中を這いずり回るような気配を
感じて、アダムはどっと冷や汗を書いた。思わずカーテンを閉めたところで、
自分が荒い息をついていたことに気が付く。

「アダム?どうしたんですか、何か具合が」

「行こう、えとクロエさん」

「クロエ、でいいですよ。最初に会った時に呼んでくれた様に」

「あぁはい、じゃあクロエ…さん」

何故か照れる。というか、仕事仲間や傭兵以外で敬称をつけずに名前を呼び合
うような異性はいない。なんか妙に意識してしまう、って相手は哺乳類じゃな
いぞ俺!相手は50メートルだ!!

「ってんなことでワクワクしてるな俺!」

「はい、わくわくするんですか?名前?」

「はい、実は…ってあーーーーー!違うっ、クロエさんとにかく来て!!」

「はいっ」

なんかクロエさんは確実に“ちょっとしたピクニック”気分っぽいが、俺は断
じて違う。あの制服は国境沿いで見た正統帝国軍の制服だ!てかシメオンさん
話だとあと半日はあるって情報でしたよね?
クロエさんの手を引っ張り、自分の荷物を抱え込んで部屋を飛び出す。廊下を
走り、正面出口とは全く違う方向に走り出す。シックザールを落とした日に走
ったルートを走りっていると、

「アダム!」

「シメオっ」

思わず叫ぼうとして、口を塞がれる。クロエの驚き顔に、シメオンは唇に人差
し指をあてて黙秘のサインを送る。廊下の物置部屋にずるずる三人で隠れる。

「せ、狭っ!」

「そうだな、何せ隠し通路だ」

「シメオンは昔からかくれんぼが得意でしたよね、こんな通路を知ってたんで
すね」

「あぁ、しかし君はいつも擬態しているつもりで必ず尾が出ているからな。君
を見つけるのは容易かった」

「そりゃぁドラゴン本体で隠れたんですねクロエさん、どう考えても体積的に
見付かりやすいって違ーーーーーうっ!!」

アダムは絶叫しかけ、慌てて口を塞ぐ。そのまま、ひそひそとシメオンの顔色
を伺いながら問いただす。

「どうなってるんですかシメオンさんっ!あれ、下の胸の谷間ってじゃなく
て、すっげぇムンムンの女の人!あれ、あれ!!」

「指導者大佐アルビオル…エディウスの魔女を刈り取った魔女殺しの英雄だ。
ついでに補足するなら人殺しの達人の上に、“首狩りのアルビオル”といえば
ギルド最高ランクA級の怪物狩りハンターだった経歴の持ち主だ」

「えーきゅう…」

おれまだC、しかも割と依頼とか誤魔化したり、イカレ帽子屋に裏でちよっと
手を回してもらってC。相手はAだって、エー。

「隠し通路でクリノクリアの森に出られる。ヴィヴィナ渓谷は自然の要塞だ、
そこまで行けばまず逃げ切れるだろう…といいたいが、相手は人間時代はA級
ハンター、その後は魔女の呪いに感染して本物の化け物だ。何をしでかすかわ
からない」

「えぇと、シメオン?アダムさん?話が、よく解らないんですけれど…」

一人、話についていけてないクロエをアダムとシメオンが同じ目で見る。もう
隠す必要もないが、今話していることではない。

「後で説明する、クロエ…アダムを守ってあげてくれ」

「待てシメオンさん、逆じゃね?逆!」

『わーん、アダムは僕が守るもーん!』

「はいっ、アダムをしっかり助けてあげますから!」

隠し通路の中だというのに、外側の廊下から見るとかなり賑やかな声が聞こえ
てきていたので、衛兵のエルフらは戦々恐々としていた。

***********************************************

「…おや、領主殿?では捜索に付き合っていただけますのかしら?」

猥らな弧を描く赤い唇は死体に群がる蛭のようだ。その蛭は死体どころか生者
にさえ蝕もうとしている。シメオンは脳裏で蛭を踏み付けるように、目前の女
性の形をした者を睨み付ける。

「残念だが、私には公務がある。化け物狩りなら自分でしていただきたい、何
せ貴女の本職だろう?私程度がお邪魔になってはいけないのでね」

「確かに残念だ、だが安心してくれ。領主殿は邪魔に違いないが、それは私の
邪魔じゃない」

と、アルビオルは胸の谷間から一枚の黒い羊毛紙を引きずり出す。赤い唇で、
その端を食い千切るように八重歯で噛みしめる。艶かしい悪意に反応するよう
に、黒い紙に描かれた文字が赤く発光していく。と、同時にシメオンの視界も
真っ赤に染まり、首を真っ赤に焼いた鉄で締め付けられるような激痛が走る。

「…--------がっ、あああああ!!」

「シメオン!!貴様っ、何を!」

部屋の外に控えていたエルフの近衛兵らが駆け込んでくる。シメオンの苦痛の
表情の現況が、目の前の人間だと知ると烈火のごとく牙をむく。

「長に何をした!」

「ほぅ、さすがは直筆の契約書だけあって効果は抜群だな。懐かしいか?これ
は領主殿の姉・エディトが自殺した三日後、領主殿が国王に服従を誓うと誓約
した誓約書だ。何せクリノクリアエルフ手製の呪(まじな)いで出来た誓約の
紙、それが当人であろうとも厳格に処罰するそうだ」

勝手に身を焦がして発動する魔法。それは普段、シメオンが管理しているクリ
ノクリアの森、セラフィナイト・オーク全てに直結する魔法経路だった。エル
フ特有の魔法神経が無理やり力を呼び覚まされて、シメオンからぐいぐいと魔
力をむさぼっていく。すると、屋敷の外から幾多の悲鳴が聞こえてきた。森を
構成するあらゆる木々が真っ赤に光って次々と蠢きだす。

”森を全て樹林兵にするつもりか…!?”

シメオンの樹林兵(トレント)は、普通の木だった彼らにエルフの掟による
「森の守護」を架して兵士とさせる手段だ。森を構成するあらゆるセラフィナ
イト・オークはシメオンの命令さえあれば、いつだって樹林兵として戦えるよ
うになっているのだ。

「--------あああああああああああああああ!!」

思考が轢断され、激痛が脳を壊す。クリノクリアエルフの長として、魔法力は
大陸広しといえどシメオンに匹敵する人材は限られている。そんなシメオンの
魔法力でさえ、おおよそ森を構成する何千、何万のセラフィナイト・オークを
樹林兵として補うには足りなさ過ぎる。呼吸すら追いつかない領主を守るた
め、衛兵は一斉に槍をアルビオルへ突き出した。エルフの兵士は殺生を限りな
く嫌うが、それゆえにその覚悟を抱けば何よりも強靭な武力になる。
が、身体を貫通するはずだった槍は黒い契約書の前ではじかれた。金色の火花
を散らして、槍の刃が折れてはじけた。

アルビオルの笑みが深くなる。そう、この契約書の呪いはそもそも目の前のク
リノクリアエルフらが自ら施したもの。一人の仲間の理不尽な死を諦めきれな
いエルフらの気高さが、こうして今、呪いのように彼らを支配する。

「安心しろ、考えてもみてくれ。
このままそのドラゴンを【黒太子】に差し出してでも見ろ、私の狩場がなくな
ってしまう。私とて職を失いたくはないからね…だから」

満足げに懐いて、崩れ落ちたシメオンを足元に見下す。

「戦争の道具になる前に死んでもらうさ」


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2007/06/21 02:27 | Comments(0) | TrackBack() | ○Rendora

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