PC:ヴォル フィミル シオン クロース オプナ
場所:マキーナ「ファーストフード店、三匹の蛙亭跡」
NPC:ブレッザ・プリマヴェリーレ 屍使いツクヨミ 魔術師バーキン 店長
(ゴリ男)不幸な店員
―――――――――――――――――――――――――――――
とりあえず同じ席につく一行、とわ言うものの、なかなか気まずい雰囲気を漂
わせている。
「あ、さっきはありがとうね、危うく丸焦げになるところだったよ」
最初に沈黙を破ったのはヴォルぺだった。
彼はツクヨミに焼かれそうになったところをオプナの一声で助けられた時の事
を言っているようだ。オプナもそれに気付いたようだが少々バツが悪そうに答
える。
「そんな、礼を言われるような事じゃないわよ、こっちこそ巻きこんでしまっ
てごめんなさいね」
「あの、あなた方はなんであの二人組に追われているのですか?」
フィミルのいきなり核心を突く質問、あの二人組とは間違いなくあの変態二人
の事だろう、だがどこをどう見ても組んでいる様には見えない。
「ん~まあ、なんて言うのかしら…あ、私の名前はオプナ、オプナ・ハートフ
ォート、でこっちがクロース」
オプナとシオンの間にちょこんと座っていたクロースがぎこちなく会釈する。
「えっと、私はフィミルといいます」
「僕はヴォルペ・アルジェント」
つられてと言うか、その場のノリでヴォルぺも自己紹介をした。
『コレ以上かかわる気?』
ブレッザは本当に心配している様だ、が、少々呆れている様にも聞こえる。
「ん~…仲間は多い方が心強いと思うけど」
『まだ信用できると決まったわけじゃないでしょ』
「大丈夫だと思うけど」
「話しを続けても良いかしら?」
急に黙ったヴォルペとフィミルにコホンと咳を一回ついたオプナが続ける。
「まあ、あいつの名前は自分から言ってたから知ってるわよね、バーキン・フ
ァルミー。クロースを付け狙っている変態魔術師よ。何故付け狙っているのか
は今は言えないけどね」
「お待たせしました、モーニングセットです」
と、そこに5人分のセットを器用に運んできた店員が営業スマイルを浮かべ
る。
「あの、ところでそちらの方は?」
フィミルの目がさっきから黙って何かを考え事をしているシオンに向けられ
る。
「…?」
全員の視線が向けられている事に気付いたシオンは初めて自分が自己紹介して
ない事に気付く。
「あ、すみません、私は…シオン、シオン・エレハインと申します」
「何か考え事?」
微笑するシオンにオプナが問う。
「ええ、ちょっと、それよりすみません、もとはと言うと私の責任でもあるの
です、あのオレンジ頭の…屍使いツクヨミは私を追ってきたのです」
「その事なんだけど、あのオレンジ頭、一体何者?死体を操ってたみたいだけ
ど…」
ヴォルぺがモーニングセットのパンをかじりながら聞く、なかなか美味しいパ
ンだと思う。
「名前、といっても通り名のほうですね、屍使いの名のとうり彼は死者を自由
に操ることができるのです、恐らく先程の鳥人の骸は彼に操られていたのでし
ょう」
「なんてことを、死者を侮辱するなんて」
フィミルが悲痛な表情で呟く、それにシオンも苦い顔で頷く。
「屍使いはコレクションを…こう言う言い方は宜しくないですけど、気に入っ
た身体を集めている様です。私が彼に狙われているのは何者かに依頼されたか
らの様なのですけど、どうやら彼に気に入られた様です……そして…申し上げ
にくいのですけど…彼はあなた方も狙ってくるかもしれません、いえ、もう狙
っているかも…」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 同時刻―三匹の蛙亭跡 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「まったくなんだよ、あのオヤジ、もう最っ低」
服についた埃や煤をパンパンと払い、悪態をついて立ちあがる屍使いことツク
ヨミ、すぐ近くには見事に跡形も無く消し飛んだ三匹の蛙邸とその店主+店員
数人と常連客がたたづんでいる、いや店主が呆然と立ち尽くしているのを慰め
ている様にも見える。
と、店員の一人がツクヨミに気付いたらしく怒気も露わに近づいてくる。
「お前!ちゃんと責任とってくれるんだろうな!」
面倒くさそうに立ちあがるツクヨミの襟首を掴み怒鳴る。
正面から怒鳴り散らされてやはりツクヨミは面倒くさそうに顔をしかめる。
「うるさいなぁ、君、僕の興味外だから向こう行ってくれない?」
ツクヨミの態度にあからさまに腹が立ったのか店員の男性は握りこぶしを作り
ツクヨミの顔に叩きこもうとした。
「興味外って言っただろ?」
店員は一瞬何が起こったのかよくわからなかったようだが自分の腹を突き抜け
た剣とツクヨミの冷たい笑みを浮かべた顔を見比べ血を吐いて倒れ込む。
「汚いなぁ、服が汚れちゃったじゃないか」
店員から剣を引き抜き、その店員の服で血を拭う。
「きゃあああぁぁぁ!!」
誰かが悲鳴を上げるのと同時にその場にいた全員が絶叫を上げ逃げ出す。一人
たたずむ店長を残して。
「ん~、いいね、その絶望で満ちた瞳、オーラ」
「あんた誰だ?」
店長は無気力にツクヨミを見返す。
「力が、欲しくないかい?君の生き甲斐を奪った奴らを殺すための、力」
ツクヨミの吸いこまれるような冷たい瞳を眺めていた店長の目が徐々に悲しみ
から憎しみに変わっていく。
「そう、それでいいんだ、憎しみや悲しみ、そう、不の感情で満ちた生物は死
ぬと強~い兵士になるんだ」
鈍い音と共に店長の喉に剣が突き刺さる。
「さあ、宴の始まりだ、存分に暴れるといい」
ツクヨミが人差し指を店長の額に当てる、その瞬間、すでに死んだはずの店長
の体が大きく脈動した。
皮を突き破り異常に強靭な筋肉が盛り上がってくる。
本の数秒で店長の死体はまるで巨大な猿のような全身が毛に被われた化物へと
変貌した。
しかし、それにはまったく生気を感じられない。
「GYAAああああ」
雄叫びを上げ怪物はその濁った瞳でツクヨミを見つめる。
「そうだな、とりあえず彼等を見つけてもらおうかな、ああ、戦闘になっても
あまりぐしゃぐしゃにしちゃいけないよ、まあシオンは少々骨が折れようが目
玉が抉れようが内臓が出ようが…やめた、いくら再生能力が高くても美しさが
売りだもんね彼は、まあつまり全員顔は傷つけちゃいけないよ、それじゃいっ
てらっしゃい、ゴリ男君」
「がRURURUUUUU」
唸って怪物ゴリ男はその姿からは想像もつかないほど素早く飛び去った。
「そう…みんな僕の物さ…みんな…」
ツクヨミの脳裏にシオンと新たに彼の標的になったオプナ、クロース、ヴォル
ぺ、フィミルの顔が浮かぶ。
そして彼はうっとりとした表情を浮かべ人差し指を唇に当てる。
場所:マキーナ「ファーストフード店、三匹の蛙亭跡」
NPC:ブレッザ・プリマヴェリーレ 屍使いツクヨミ 魔術師バーキン 店長
(ゴリ男)不幸な店員
―――――――――――――――――――――――――――――
とりあえず同じ席につく一行、とわ言うものの、なかなか気まずい雰囲気を漂
わせている。
「あ、さっきはありがとうね、危うく丸焦げになるところだったよ」
最初に沈黙を破ったのはヴォルぺだった。
彼はツクヨミに焼かれそうになったところをオプナの一声で助けられた時の事
を言っているようだ。オプナもそれに気付いたようだが少々バツが悪そうに答
える。
「そんな、礼を言われるような事じゃないわよ、こっちこそ巻きこんでしまっ
てごめんなさいね」
「あの、あなた方はなんであの二人組に追われているのですか?」
フィミルのいきなり核心を突く質問、あの二人組とは間違いなくあの変態二人
の事だろう、だがどこをどう見ても組んでいる様には見えない。
「ん~まあ、なんて言うのかしら…あ、私の名前はオプナ、オプナ・ハートフ
ォート、でこっちがクロース」
オプナとシオンの間にちょこんと座っていたクロースがぎこちなく会釈する。
「えっと、私はフィミルといいます」
「僕はヴォルペ・アルジェント」
つられてと言うか、その場のノリでヴォルぺも自己紹介をした。
『コレ以上かかわる気?』
ブレッザは本当に心配している様だ、が、少々呆れている様にも聞こえる。
「ん~…仲間は多い方が心強いと思うけど」
『まだ信用できると決まったわけじゃないでしょ』
「大丈夫だと思うけど」
「話しを続けても良いかしら?」
急に黙ったヴォルペとフィミルにコホンと咳を一回ついたオプナが続ける。
「まあ、あいつの名前は自分から言ってたから知ってるわよね、バーキン・フ
ァルミー。クロースを付け狙っている変態魔術師よ。何故付け狙っているのか
は今は言えないけどね」
「お待たせしました、モーニングセットです」
と、そこに5人分のセットを器用に運んできた店員が営業スマイルを浮かべ
る。
「あの、ところでそちらの方は?」
フィミルの目がさっきから黙って何かを考え事をしているシオンに向けられ
る。
「…?」
全員の視線が向けられている事に気付いたシオンは初めて自分が自己紹介して
ない事に気付く。
「あ、すみません、私は…シオン、シオン・エレハインと申します」
「何か考え事?」
微笑するシオンにオプナが問う。
「ええ、ちょっと、それよりすみません、もとはと言うと私の責任でもあるの
です、あのオレンジ頭の…屍使いツクヨミは私を追ってきたのです」
「その事なんだけど、あのオレンジ頭、一体何者?死体を操ってたみたいだけ
ど…」
ヴォルぺがモーニングセットのパンをかじりながら聞く、なかなか美味しいパ
ンだと思う。
「名前、といっても通り名のほうですね、屍使いの名のとうり彼は死者を自由
に操ることができるのです、恐らく先程の鳥人の骸は彼に操られていたのでし
ょう」
「なんてことを、死者を侮辱するなんて」
フィミルが悲痛な表情で呟く、それにシオンも苦い顔で頷く。
「屍使いはコレクションを…こう言う言い方は宜しくないですけど、気に入っ
た身体を集めている様です。私が彼に狙われているのは何者かに依頼されたか
らの様なのですけど、どうやら彼に気に入られた様です……そして…申し上げ
にくいのですけど…彼はあなた方も狙ってくるかもしれません、いえ、もう狙
っているかも…」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 同時刻―三匹の蛙亭跡 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「まったくなんだよ、あのオヤジ、もう最っ低」
服についた埃や煤をパンパンと払い、悪態をついて立ちあがる屍使いことツク
ヨミ、すぐ近くには見事に跡形も無く消し飛んだ三匹の蛙邸とその店主+店員
数人と常連客がたたづんでいる、いや店主が呆然と立ち尽くしているのを慰め
ている様にも見える。
と、店員の一人がツクヨミに気付いたらしく怒気も露わに近づいてくる。
「お前!ちゃんと責任とってくれるんだろうな!」
面倒くさそうに立ちあがるツクヨミの襟首を掴み怒鳴る。
正面から怒鳴り散らされてやはりツクヨミは面倒くさそうに顔をしかめる。
「うるさいなぁ、君、僕の興味外だから向こう行ってくれない?」
ツクヨミの態度にあからさまに腹が立ったのか店員の男性は握りこぶしを作り
ツクヨミの顔に叩きこもうとした。
「興味外って言っただろ?」
店員は一瞬何が起こったのかよくわからなかったようだが自分の腹を突き抜け
た剣とツクヨミの冷たい笑みを浮かべた顔を見比べ血を吐いて倒れ込む。
「汚いなぁ、服が汚れちゃったじゃないか」
店員から剣を引き抜き、その店員の服で血を拭う。
「きゃあああぁぁぁ!!」
誰かが悲鳴を上げるのと同時にその場にいた全員が絶叫を上げ逃げ出す。一人
たたずむ店長を残して。
「ん~、いいね、その絶望で満ちた瞳、オーラ」
「あんた誰だ?」
店長は無気力にツクヨミを見返す。
「力が、欲しくないかい?君の生き甲斐を奪った奴らを殺すための、力」
ツクヨミの吸いこまれるような冷たい瞳を眺めていた店長の目が徐々に悲しみ
から憎しみに変わっていく。
「そう、それでいいんだ、憎しみや悲しみ、そう、不の感情で満ちた生物は死
ぬと強~い兵士になるんだ」
鈍い音と共に店長の喉に剣が突き刺さる。
「さあ、宴の始まりだ、存分に暴れるといい」
ツクヨミが人差し指を店長の額に当てる、その瞬間、すでに死んだはずの店長
の体が大きく脈動した。
皮を突き破り異常に強靭な筋肉が盛り上がってくる。
本の数秒で店長の死体はまるで巨大な猿のような全身が毛に被われた化物へと
変貌した。
しかし、それにはまったく生気を感じられない。
「GYAAああああ」
雄叫びを上げ怪物はその濁った瞳でツクヨミを見つめる。
「そうだな、とりあえず彼等を見つけてもらおうかな、ああ、戦闘になっても
あまりぐしゃぐしゃにしちゃいけないよ、まあシオンは少々骨が折れようが目
玉が抉れようが内臓が出ようが…やめた、いくら再生能力が高くても美しさが
売りだもんね彼は、まあつまり全員顔は傷つけちゃいけないよ、それじゃいっ
てらっしゃい、ゴリ男君」
「がRURURUUUUU」
唸って怪物ゴリ男はその姿からは想像もつかないほど素早く飛び去った。
「そう…みんな僕の物さ…みんな…」
ツクヨミの脳裏にシオンと新たに彼の標的になったオプナ、クロース、ヴォル
ぺ、フィミルの顔が浮かぶ。
そして彼はうっとりとした表情を浮かべ人差し指を唇に当てる。
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