PC: デコ、ヒュー
NPC: イーネス
場所: コタナ村
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「イーネス、あの熊は危険、手、出さないで」
熊の危機が一時とは言え過ぎ去った暖炉の前で
ヒューは少し興奮気味な彼女に向って諭すような口調。
彼の分かり辛い表情と対照的なのはイーネス。
「あんたに何が分かるってのさ、あいつは・・・あの獣はっ!」
思い出したくなかった物を、無理やり思い出させられたような苦渋に満ちた表情。
チラリとヒューに視線を流したあと顔を下に向けぎゅっと奥歯を噛み締める。
バチッっと生木の爆ぜる音が部屋を一瞬支配する中
デコは片目を瞑り、髭を弄る
その視線はイーネスとヒューをゆっくり辿った。
そして
「ちょっといいか?」
と二人の若者の視線を自らに向けさせゆっくりとした口調で言葉を紡ぎ出した。
「とりあえず、だ、イーネス、お前の事情も少しは聞いている、逸る気持ちは分かるが・・・
お前の手に負える相手じゃない。」
再び薪が爆ぜる。
イーネスは憮然とした表情で反論しようとして留まる。
大人の男の視線に少女と呼ばれる年齢の娘が太刀打ちできるはずも無く押し黙る
「小僧」
そう言って今度は視線をヒューに移す。
小僧と呼ばれた事が少し癇に障ったのか、ピクリと片眉が動くが言葉は無い。
「”あいつ”はもう一度来る、陽が落ち切ってから暗闇に乗じて・・・」
視線を暗闇が支配し始めた吹雪く窓の外に向けた。
ガタガタと鳴り止まぬ窓枠と隙間風に揺らぐランプの明かりが不安と緊張を高める
「でもどうする?あれだけでかいと厄介、バルディッシュ司祭の”武器”ダメージ通らない。」
ヒューは自分の装備を確認しながら身に付け始める。
「”デコ”で良い”司祭”もいらない・・・・・・俺達聖職者は”神を信じる人々”の為に在るんだ、神その人の為じゃ無い」
ヒューの質問に答えずただ、それを告げる。
デコにとって司祭などと言う肩書きは邪魔なだけだと言う事をヒューは知る由も無いのだが。
「では、デコ、あなたの武器、貧弱すぎる、熊倒せない。」
名前だけを言い換え、真っ直ぐ視線をぶつけてくる辺りは少年の域を超えようと足掻く姿なのだろう。
「ならお前が倒せば良い・・・いや、倒すのだろう、お前の神に掛けて・・・」
ヒューの剣から漂う”神氣”を感じ取りながら皮鎧を纏う姿を見遣り、告げる。
「あなたは戦わないのか?さっきは飛び出した、戦う意志があるなら戦うべき。」
剣に身を捧げた神官からすれば、戦うのが普通なのだ。
そしてそのまま外への警戒を始める。彼にして見ればそれは普段からの習性なのだろう。
「んん、戦わないとは言わない、”闘争”は司ってはいないがね、生き延びるために”泳ぎ続ける”位は
俺の神様も止めやしないだろうさ。
とりあえず、奴がこの近くに来たら起きる」
言った直後、左手に持った聖印を使い印を切り呪を掛ける。
そして呪と共に周囲に神氣が広がる・・・
「今のは?」
神氣に反応してヒューが問いかけた。
「なに、うちの神様みたいなのは策敵範囲が広くてね、”外敵”って奴への反応はピカイチなのさ
なんせ、”俺達”は臆病なんだ。
何はともあれ、外敵が近くに来ればわかる・・・」
目を閉じその場に座り込むと禅を組みそのまま沈黙する。
外の気配を漏らすまいとしているのが傍目にも伝わるのは司祭としての修練の賜物か。
何時の間にか陽はすっかり沈み吹雪は収まる気配すらない・・・
ヒューは沈黙したデコに合わせるかのように自らも沈黙を選ぶ。
そして剣に語る様な素振りを見せ、そして帯剣をした。
ガチャリと扉の開く音と香ばしい香り
イーネスは暖炉前のテーブル座るヒューに焼いたパンとスープを置く。
「暖かいうちに食べて」
「ありがとう」
感謝の態度を表すとヒューは食事を受け取った。
逃げ去る時に見せた巨大熊の表情を思い出しデコは言われぬ不安に襲われながらも
瞑想に集中する。
心なしか追い詰められたようなイーネスの表情は瞑想する司祭には窺う事は出来なかった・・・
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NPC: イーネス
場所: コタナ村
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「イーネス、あの熊は危険、手、出さないで」
熊の危機が一時とは言え過ぎ去った暖炉の前で
ヒューは少し興奮気味な彼女に向って諭すような口調。
彼の分かり辛い表情と対照的なのはイーネス。
「あんたに何が分かるってのさ、あいつは・・・あの獣はっ!」
思い出したくなかった物を、無理やり思い出させられたような苦渋に満ちた表情。
チラリとヒューに視線を流したあと顔を下に向けぎゅっと奥歯を噛み締める。
バチッっと生木の爆ぜる音が部屋を一瞬支配する中
デコは片目を瞑り、髭を弄る
その視線はイーネスとヒューをゆっくり辿った。
そして
「ちょっといいか?」
と二人の若者の視線を自らに向けさせゆっくりとした口調で言葉を紡ぎ出した。
「とりあえず、だ、イーネス、お前の事情も少しは聞いている、逸る気持ちは分かるが・・・
お前の手に負える相手じゃない。」
再び薪が爆ぜる。
イーネスは憮然とした表情で反論しようとして留まる。
大人の男の視線に少女と呼ばれる年齢の娘が太刀打ちできるはずも無く押し黙る
「小僧」
そう言って今度は視線をヒューに移す。
小僧と呼ばれた事が少し癇に障ったのか、ピクリと片眉が動くが言葉は無い。
「”あいつ”はもう一度来る、陽が落ち切ってから暗闇に乗じて・・・」
視線を暗闇が支配し始めた吹雪く窓の外に向けた。
ガタガタと鳴り止まぬ窓枠と隙間風に揺らぐランプの明かりが不安と緊張を高める
「でもどうする?あれだけでかいと厄介、バルディッシュ司祭の”武器”ダメージ通らない。」
ヒューは自分の装備を確認しながら身に付け始める。
「”デコ”で良い”司祭”もいらない・・・・・・俺達聖職者は”神を信じる人々”の為に在るんだ、神その人の為じゃ無い」
ヒューの質問に答えずただ、それを告げる。
デコにとって司祭などと言う肩書きは邪魔なだけだと言う事をヒューは知る由も無いのだが。
「では、デコ、あなたの武器、貧弱すぎる、熊倒せない。」
名前だけを言い換え、真っ直ぐ視線をぶつけてくる辺りは少年の域を超えようと足掻く姿なのだろう。
「ならお前が倒せば良い・・・いや、倒すのだろう、お前の神に掛けて・・・」
ヒューの剣から漂う”神氣”を感じ取りながら皮鎧を纏う姿を見遣り、告げる。
「あなたは戦わないのか?さっきは飛び出した、戦う意志があるなら戦うべき。」
剣に身を捧げた神官からすれば、戦うのが普通なのだ。
そしてそのまま外への警戒を始める。彼にして見ればそれは普段からの習性なのだろう。
「んん、戦わないとは言わない、”闘争”は司ってはいないがね、生き延びるために”泳ぎ続ける”位は
俺の神様も止めやしないだろうさ。
とりあえず、奴がこの近くに来たら起きる」
言った直後、左手に持った聖印を使い印を切り呪を掛ける。
そして呪と共に周囲に神氣が広がる・・・
「今のは?」
神氣に反応してヒューが問いかけた。
「なに、うちの神様みたいなのは策敵範囲が広くてね、”外敵”って奴への反応はピカイチなのさ
なんせ、”俺達”は臆病なんだ。
何はともあれ、外敵が近くに来ればわかる・・・」
目を閉じその場に座り込むと禅を組みそのまま沈黙する。
外の気配を漏らすまいとしているのが傍目にも伝わるのは司祭としての修練の賜物か。
何時の間にか陽はすっかり沈み吹雪は収まる気配すらない・・・
ヒューは沈黙したデコに合わせるかのように自らも沈黙を選ぶ。
そして剣に語る様な素振りを見せ、そして帯剣をした。
ガチャリと扉の開く音と香ばしい香り
イーネスは暖炉前のテーブル座るヒューに焼いたパンとスープを置く。
「暖かいうちに食べて」
「ありがとう」
感謝の態度を表すとヒューは食事を受け取った。
逃げ去る時に見せた巨大熊の表情を思い出しデコは言われぬ不安に襲われながらも
瞑想に集中する。
心なしか追い詰められたようなイーネスの表情は瞑想する司祭には窺う事は出来なかった・・・
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