PC: デコ、ヒュー
NPC: イーネス(今回は自宅待機?)
場所: コタナ村
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ミシッミシッミシッと、密度の濃い雪を踏み締める音と松明の爆ぜる音だけが支配する暗闇。
一歩、そしてまた一歩、着実にデコは自らが捉えた気配の主の元へと足を進める。
デコの捉えた気配は殺意でも、敵意でもなく、それら全てを含んだ狂気とも言える物だった。
この秋に地震で崩れた冬篭り用の巣穴。
そのせいであっさりと越冬を拒まれた哀れな獣・・・
どんな事情があれ、彼は自然の掟に従いこのまま滅びるしかない。
歩み寄る自然の力と死の恐怖。
そして彼は世界に見捨てられた・・・
「チッ、たまらんな、神も仏も無いって奴だ」
視界を遮る雪を睨みつけ、舌打ちしながら苛立っていた。
これから屠らねばならない熊の事、そして熊が奪った命の事を、それを救えない自分の事を。
そして彼は思う、この力だけが支配するこの地で最も力を持つはずの神の無慈悲さ、
そして、無慈悲ゆえの優しさを・・・
「デコは神が嫌いなのか?」
独り言に反応したヒューはポツリと問い掛ける。
若者のそれは純粋な疑問。
「嫌い・・・とは違うな、まっ色々あるんだ、色々な」
面倒臭そうに答えながら弄ろうとした髭は分厚い手袋に邪魔された。
弄り損ねた右手。
さまよった視線はヒューに注ぐ
真っ直ぐなヒューの存在を感じながら思い出す。
(成すべき事を・・・人が成す事、神が成す事、神は人ならず、人は神ならず・・・)
昔タナクアから響いた言葉を…
降りしきる雪を踏み締め、隣にヒューを並べ歩み、そして口を再び開いた。
「タナクアは・・・俺の信じる神はな、俺に色々な事を教えた、ガキの頃からな
そして俺はその声に従ってきた・・・それは正しくもあり、間違いでもあった」
隣を歩くヒューに首を向けることも無く
吹雪く雪道を真っ直ぐ目的に向って歩く
「小僧もいつか判る、司祭にとって、神とは従う者じゃなく、共に歩む存在
そして・・・」
デコはそこで独白を止めた
周囲に自らの存在を隠そうともしない獣の匂いが漂う。
「居る、風上っ」
獣臭のする方角に向けてヒューは剣を構え睨みを効かす。
松明を高く掲げ巨大な獣を映し出そうとデコは2歩、3歩と足を進める。
右手に松明、左手には聖印
そして朗々と聖なる言葉を詠みあげる。
一方ヒューはデコを守るように、そしてその先に存在する巨大な獣を威嚇するように飾り気の無い剣を高く両手で掲げ
まるで、その剣そのものが神であるかのようにその切っ先に祈りを籠める。
二つの神氣が頂点まで高まると同時に一つの巨大な影が現れた・・・
170センチに満たないデコの二倍近い体格。
直立すればデコでは頭部への攻撃は、ほぼ不可能。
圧倒的な威圧感がデコの身体を竦ませる。
グオォォォォォォォと、地鳴りのように熊は吼える。
「参る!」
ギュムと、靴が雪を噛む音と共にヒューの剣が踊る。
敵の視線がヒューに集まる。
フッという抜息と共に横に薙いだ剣を足元から二の腕に向けて軌道修正し克ち上げる
「いつになったら、俺は神の揺り篭から二本の足で立てるようになるのかね」
余計な一言と共に溜息を一つ。
ヒューが剣を舞わせてる後ろで朗々とデコは呪を紡ぐ。
一つ一つの神聖な言葉、声、動作は舞いとなり、呪を形取る。
ヒューとデコ、二つの舞いが、巨大な獣を中心に紡がれる、
そして二人は無言のまま、乱れそうな呼吸を必死で整える。
二合、三合と熊へと叩きつけられる剣。
後方で延々と紡がれるは、”神漁の呪”と呼ばれる山吹鮪漁の時に捧げられる神への舞い。
(願わくば哀れなる獣に鎮魂と安らぎを)
謳い、舞い、願いながらデコはヒューへの祝福の舞いを続けていった。
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NPC: イーネス(今回は自宅待機?)
場所: コタナ村
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ミシッミシッミシッと、密度の濃い雪を踏み締める音と松明の爆ぜる音だけが支配する暗闇。
一歩、そしてまた一歩、着実にデコは自らが捉えた気配の主の元へと足を進める。
デコの捉えた気配は殺意でも、敵意でもなく、それら全てを含んだ狂気とも言える物だった。
この秋に地震で崩れた冬篭り用の巣穴。
そのせいであっさりと越冬を拒まれた哀れな獣・・・
どんな事情があれ、彼は自然の掟に従いこのまま滅びるしかない。
歩み寄る自然の力と死の恐怖。
そして彼は世界に見捨てられた・・・
「チッ、たまらんな、神も仏も無いって奴だ」
視界を遮る雪を睨みつけ、舌打ちしながら苛立っていた。
これから屠らねばならない熊の事、そして熊が奪った命の事を、それを救えない自分の事を。
そして彼は思う、この力だけが支配するこの地で最も力を持つはずの神の無慈悲さ、
そして、無慈悲ゆえの優しさを・・・
「デコは神が嫌いなのか?」
独り言に反応したヒューはポツリと問い掛ける。
若者のそれは純粋な疑問。
「嫌い・・・とは違うな、まっ色々あるんだ、色々な」
面倒臭そうに答えながら弄ろうとした髭は分厚い手袋に邪魔された。
弄り損ねた右手。
さまよった視線はヒューに注ぐ
真っ直ぐなヒューの存在を感じながら思い出す。
(成すべき事を・・・人が成す事、神が成す事、神は人ならず、人は神ならず・・・)
昔タナクアから響いた言葉を…
降りしきる雪を踏み締め、隣にヒューを並べ歩み、そして口を再び開いた。
「タナクアは・・・俺の信じる神はな、俺に色々な事を教えた、ガキの頃からな
そして俺はその声に従ってきた・・・それは正しくもあり、間違いでもあった」
隣を歩くヒューに首を向けることも無く
吹雪く雪道を真っ直ぐ目的に向って歩く
「小僧もいつか判る、司祭にとって、神とは従う者じゃなく、共に歩む存在
そして・・・」
デコはそこで独白を止めた
周囲に自らの存在を隠そうともしない獣の匂いが漂う。
「居る、風上っ」
獣臭のする方角に向けてヒューは剣を構え睨みを効かす。
松明を高く掲げ巨大な獣を映し出そうとデコは2歩、3歩と足を進める。
右手に松明、左手には聖印
そして朗々と聖なる言葉を詠みあげる。
一方ヒューはデコを守るように、そしてその先に存在する巨大な獣を威嚇するように飾り気の無い剣を高く両手で掲げ
まるで、その剣そのものが神であるかのようにその切っ先に祈りを籠める。
二つの神氣が頂点まで高まると同時に一つの巨大な影が現れた・・・
170センチに満たないデコの二倍近い体格。
直立すればデコでは頭部への攻撃は、ほぼ不可能。
圧倒的な威圧感がデコの身体を竦ませる。
グオォォォォォォォと、地鳴りのように熊は吼える。
「参る!」
ギュムと、靴が雪を噛む音と共にヒューの剣が踊る。
敵の視線がヒューに集まる。
フッという抜息と共に横に薙いだ剣を足元から二の腕に向けて軌道修正し克ち上げる
「いつになったら、俺は神の揺り篭から二本の足で立てるようになるのかね」
余計な一言と共に溜息を一つ。
ヒューが剣を舞わせてる後ろで朗々とデコは呪を紡ぐ。
一つ一つの神聖な言葉、声、動作は舞いとなり、呪を形取る。
ヒューとデコ、二つの舞いが、巨大な獣を中心に紡がれる、
そして二人は無言のまま、乱れそうな呼吸を必死で整える。
二合、三合と熊へと叩きつけられる剣。
後方で延々と紡がれるは、”神漁の呪”と呼ばれる山吹鮪漁の時に捧げられる神への舞い。
(願わくば哀れなる獣に鎮魂と安らぎを)
謳い、舞い、願いながらデコはヒューへの祝福の舞いを続けていった。
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