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2024/05/17 09:06 |
四海の詩2~幕開けの大合唱~/ノクテュルヌ(Caku)
PC:狛楼櫻華 ノクテュルヌ・ウィンデッシュグレーツ ソアラ・シャルダ

場所:ソフィニア
NPC:ベンツ&サクラバ&おじいちゃん&にんじん
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

「花柄かわいいーいいなぁ花柄ー」

わくわくどきどきをボディランゲージで120%表示しているノクテュルヌと違
い、櫻華は冷静に考えてみる。花柄の模様の動物はわずかながらいると聞いて
いる。確か大陸の北・ライラン地方には額に愛らしい花柄をもつ珍しい白熊が
いるという。そう考えれば、花柄だろうが縞柄だろうが…

「って縞柄っ!?さっきまで花!」

つい、目を離した隙に模様が様変わりしている動物に、長年生きていて初めて
出会った櫻華である。ノクテュルヌにいたっては驚くという行為を超えたらし
く、感極まって感動していた。
その謎の生命体の主人らしい少女がぺこりとおじぎをする。全体的に淡いカラ
ーと服装の趣味で外見はまるで十代前半に見える。手にしている召喚杖でソフ
ィニアの学生であるだろうことが伺える。

「珍しいですね、国立神学校の方が魔法列車に乗ろうだなんて」

ノクテュルヌの服装で、出身校がわかったらしい。今日の空同様、腰抜けする
ほどに青い染料で染め上げられた制服に、灰色の瞳をちょっとだけ見開いてい
る。

「そうなのか、ノクテュルヌ?」

「あははーうちの校風化石時代並だからねー!」

「なるほど、確かに化石時代には魔法はないだろうな」

納得したらしい櫻華は、肩をとんとんと叩かれた。振り返ってみると、目の前
に壁が…とついでに鼻が。とりあえず鼻が肩を叩いたのだと気がついたのは、
五秒後にノクテュルヌが真っ赤な瞳を輝かせて叫んでからである。

「しろいー!おおきいー!ほしいー!!」

「………」

とりあえず、ノクテュルヌのように本能で喋ることをよしとしない櫻華は、ま
ず理性がその大きさにちょっと拍子抜けして、知性が「っていうかこの場所に
これはないだろう」とつぶやいていたので、とっさに言葉が出てこないのであ
る。
魔法列車以上の巨大な物体が真後ろにたたずんでいた。その巨体は家屋を軽く
超えている。青空をくりぬいたような真っ白な体皮をもつ動物…確か櫻華の知
識の中では「象」と呼ばれる動物だ。
その後ろで、さきほどの老人が大慌てで叫んでいる。

「ソアラちゃんまずいよーその子は駄目だって言ったでしょー」

「ごめんなさーい、なんか繊細な年頃だから言うこと聞いてくれなくって」

ぱおーん、と繊細というか豪快な泣声をあげて足踏みをはじめた象。まるで地
震か雷が目の前に直撃したように感じる。櫻華は喜び勇んで飛び込みそうなノ
クテュルヌの首根っこをひっつかみ、象に駆け寄って潰されないように掴んで
おいた。
ソアラが一言、二言宥めるように何事か呟くと象は瞬時に消えた。召喚術の使
い手のようだ。さすがソフィニア、こんな幼く見える少女でも立派な教育を…
と、思考が正常に向こうとしたまさにそのとき。
今度は足に何かがぶつかった、と何か予感めいた感じもしたのだが、とりあえ
ず確認しようとして


今度は確実に固まった櫻華であった。


『わーわーわーわー』

「わーわーわーわー、にんじん動いてるー!にんじん喋ってるー!」

ノクテュルヌの声が、わりとにんじんとかぶってるのはおいておいて。(しか
も元国立神学校音楽科出身のノクテュルヌは完璧なコーラスだった)
とりあえず説明を求めようと、半ば助けを求める視線でパステルカラーの少女
に視線を戻したのであった。

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2007/04/11 00:57 | Comments(0) | TrackBack() | ○四海の詩

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