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2024/05/19 01:56 |
ヴィル&リタ-10 裏メニューはスーパーデラックス抹茶小豆パフェ/ヴィルフリード(フンヅワーラー)
PC:ヴィルフリード、リタルード
NPC:ハンナ、マリ(『甘味処』のおかみ)
場所:エイド(ヴァルカン地方)
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 昼食の匂いがあちらこちらからただよってくる。
 あぁ、あそこは豆のスープだ。鶏肉のスパイスソテーだ。お、あの家は、俺の
好物の豚の煮込みだ。
 気を抜いてはいけないと分かっていても、鼻が思わずヒクヒと動いてしまう。
 人通り多い大通りから離れた住宅街は、昼食時だと完全に人気が無い。
 その道を選んだのは、相手に気づかれない為ではない。こっちが気づきやすく
するためだ。
 下手糞め。それでうまく隠れているつもりか。
 ヴィルフリードは胸の内で相手の追尾のつたなさを罵った。しかし、油断は決
してしない。
 頭を少しかがめ、声を落として隣の人物に語りかけた。

「付けられている」

 少しだけうなずくと、目深くかぶったフードから黒い髪の毛が少し洩れた。
 見る限り、震えは一切無い。覚悟を決めた女性というのは、男性よりも肝が据
わっているもんだな、とヴィルフリードは思った。
 その静かな通りには、その2人と見え隠れする人影の他、あの金髪の少年の姿
は無い。

    *     *     *

「色々聞きたいことはあるが……厄介なことに、この場所が割れている。そっちの
事情なんか知らねぇから、さっきの輩は返しちまったしな。
 だから、時間が惜しい。いろいろ聞くよりも場所を移動しなきゃならないのが
まず第1だ。
 ここは客商売をやっている所だ。しかも、荒くれどもの集まる飲み屋なんか
じゃない。巻き込んじゃいけねぇ所だってのは分かるよな」

 もう遅いかもしれないけども、と心の中で付け加え、そして申し訳ない気持ち
になる。
 そんな気持ちがあろうと無かろうとコトは手遅れだ。ならば、気持ちを前に向
け、行動するしか詫びた方がマシである。

「リタ。お前はどうする?」

「え?」

「『え?』ってお前……なぁ」

 クセで頭をガリガリと掻く、も、すぐさま最近の自分の頭皮の弱さを思い出
し、やめる。

「ここからは、俺の仕事だ。お前はどうするんだよ。
 こちらのお嬢さんは、あっちに面が割れている。俺は、下手すると相手にギル
ド所属者がいたらバレているかもしれねぇ。
 だがお前は、変装でもして出て行けば大丈夫だろ。
 ……あんたらの関係ってのが、顔見知りであるようではあるのは分かるけど、そ
こまで尽くせる関係だとは俺は思えない」

「あぁ、そうだよね。僕って、思えばあんまり関係ないんだよね」
 今更そのことを思い出したように、リタは間の抜けた声を出した。

「なりゆきで背負ったハンナを守る役目も、もうヴィルさんに任せたし……」

「悩む時間があるなら、ここにおいてある荷物をまとめて来い。その間に、考え
る時間は短いが、どうするか決めておけ。なんならここにしばらくいるのも、…
こんなことがあったが、あの人なら喜んで受け入れてくれるだろ。
 あぁ、そうだ。ついでだ、途中まで手伝ってくれ。計画は後で話す。それから
どうするかはお前に任せるよ」

 部屋を出る際のリタの小さな針を含んだ視線を、ヴィルは甘んじて受けた。
 あぁ、そうだ。俺は狡い。選択肢を与えるということは、自分が選択すること
から逃げることだ。それによって背負わなければいけない責任から逃げることだ。
 俺がここで当然のようにお前を巻き込めば、お前は何の不満無くついて来ただ
ろう。
 だが、お前は、あの時……忌まわしい6本指との対峙の時、一人で決めた。なの
に今回は人に決めてもらおうなんてムシが良すぎるんじゃねぇか?

    *     *     *

 あのときの気持ちを思い出して、ヴィルは頭を振った。あまりに大人気ない。
 どっちにしろ、自分が決断と責任から逃げたのは変わりないのだから、心のう
ちとはいえ、あそこまで皮肉な理論を用いるべきではなかった。
 あぁ……しかし、なんて下手糞な尾行なんだ。
 自分への怒りを追尾者にスライドさせた。
 素人ならばそれでも十分かもしれないが、舐められているのか? せめて、靴
底がやわらかいものに替えて来い。
 先ほどから失望を抱きながらも、しかしヴィルフリードは気を緩めない。
 絶対に、隣の女を守りぬかなければならないのだから。

「あそこです。マリさん」

 少し張り上げた声は、後ろまで聞こえただろうか。
 こんな小芝居で戻ってくれれば無事平和に万々歳なのだが。
 しかし、尾行者は引き返す様子は無い。聞こえていないのか、それとも疑り深
いのか。
 仕方ないので、ヴィルフリードは目的の建物を目指して歩く。尾行者は駆け足
で寄ってきた。表口から入る時間はなさそうだ。
 ヴィルフリードも、少し急ぎ足で裏口へ手を引いて誘導し、戸口の中にするり
と入ったところでドアをバタンと閉めて、そこに立ちふさがった。
 追いついた尾行者がヴィルフリードの胸倉をいきなり掴んだ。

「そこを退け」

「おぉ、怖い怖い。オヤジ狩りってやつかい? 生憎持ち合わせはたいしたこと
持ってない」

 おどけて両手を挙げてみせる。
 なるほど、尾行があまり得意そうではない。力にモノを言わせるタイプの男
だ。まともに殴り合ったら勝ち目は無い。武器は、街中では長剣は目立つから
か、腰に短刀を差している。

「狩られたくなけりゃ、さっさと退くんだな!」

 掴まれた拳が右に引っ張る。が、ヴィルフリードはそんなものでは動かされな
かった。
 相手が、ヴィルフリードが退く気がないことに怒る前に、言葉でふさぐ。ま
だ、時間稼ぎが必要だ。

「退いてもいいけど……甘味所の女将にどういう用件だ?」

「下手な芝居はやめろ」

「人妻のストーキングの他にやるべき仕事っていくらでもあると思うんだがなぁ……」

「ふざけるな!」

 相手の掴む拳に更に力が入り、身体が浮く。
 ヴィルフリードはその拳の上を、ぽんぽんと手で叩いてなだめる。

「まぁ、落ち着けよ。服が破れるだろ? あんまりいいものじゃないんだ。
 俺は、お宅らの仕事の邪魔はしてない。
 最近逃げ込んだ女のせいで、アンタらの仕業で甘味所の女将も怖がってね。旦
那さんは店で忙しいくて、一人で出かけるのもおちおち安心してできやしないっ
ていうから、小遣い稼ぎに護衛をしているだけだよ」

「ハン! よくもまぁ、そこまで嘘がペラペラ言えるもんだな。
 じゃぁ、言ってもらおうか? 甘味屋の女将が、何故、こんな鍛冶屋に来るの
かの理由をな」

 そう、ヴィルフリードが立っているのは、鍛冶屋の裏手口だった。

「そりゃちょっと言えねぇな……。業務上の秘密ってやつだ」

「こんな真昼間から若い男と浮気とかシケこんでるって噂を立てられたくなけ
りゃ、そこを退きな」

 男は拳を下ろし、短刀の柄に手をかける。空気がぴりりと緊張する。もう、時
間稼ぎはできない。
 間に合っているように祈りながら、ゆるゆると裏口から退く。
 警戒と軽蔑を含んだ視線で睨みながら男は扉を勢いよく叩くように開けた。

「あら、美味しい。
 甘い葛餅で甘い餡を包んだお菓子……暑いヴァルカンでは最適ね」

「えぇ、鍛冶場はずっと火を使うから、休憩にこれを食べて、本当にほっと落ち
着けましたね」

「そうね! 職人さんや工夫さん達にも人気が出るかもしれないわ!
 美味しいお茶をその場で淹れるデリバリーサービスを始めようかしら……」

「いいっすね! それ! もしやることになったらウチでもぜひともお願いした
いっス! 親方も喜びます!!」

 そこには、若い鍛冶職人の見習いとマリが、仲良く水饅頭をお茶請けにして朗
らかに会話を楽しんでいた。

「……なんだこりゃ」

 そんな場違いなテンションで闖入した男が思わずそんな言葉をつぶやいた。

「なんだ……って。新商品検討商品の調査。
 前の仕事で『水饅頭』って和菓子を話したら、興味を持たれて、連れて行って
と頼まれたんだ。
 だから言っただろう。人妻のストーキングの他にやるべき仕事っていくらでも
あるだろうってな」

「てめぇ……! 女はどこに……!!」

 再びヴィルに掴みかかろうとしたが、そうは行かなかった。

「騒がしいな! なんだてめぇは!!
 お前までこのミズマンジューを食おうってのか!? なんだぁ? てめぇはこ
のミズマンジューを作れるんだろうな!! 俺はこのご婦人が作るつもりだっ
つーから……」

 まだ打ちかけであろう、赤く光った鉄の棒を持ったまま、闊達とした初老の男
が奥から出てきた。

「親方!! 仕事場で暴れたら危ないです!!」
「それ、下ろしてください!!」
「とりあえず、アイツを追い出せ!!」

 その後ろからは、若い者から壮年の男盛りの衆が続く。
 あとは、ヴィルはひょいと壁際に寄って、短刀を持った男が外に追い出される
のを見送るだけだった。

「おい、ウィリー。こんなことになるだなんて、俺ぁ聞いてなかったぞ」

 見送った後、真っ赤な鉄を弟子に渡した親方がヴィルフリードに詰め寄ってきた。

「おやっさん。今日の朝、会ったばかりだろ。名前をいい加減覚えてくれよ。
 ヴィルフリードだ。ヴィルフリード。『ヴぃー』、言えるか? 爺さん。
 あとな、俺だって追加注文なんて最初は聞いてなかったんだ。
 ……ま、いいじゃないか。これでエイドの町で気軽に水饅頭が手に入るんだ」

「まぁ、そりゃそうだがな」

「で、手紙で書いたとおり、先に来た女が来たろ。どこだ?」

「うまくいくものね」

 そう言いながら奥から出てきたのはハンナだった。
 それと入れ替わりに、親方はフンと鼻を鳴らし、持ち場に戻っていった。

「これでしばらくは時間が稼げる。少なくともこっちの方面は手薄になるはずだ」

「見事な手際ですね」

 マリが湯飲みを両手で持ちながら、ヴィルフリードに微笑む。

「マリさんのおかげだ。あと、運が良かったのもある。……あの爺さんのおかげも
あるかもな」

    *     *     *

「リタ」

 無神経を装って、臆面無くリタの部屋を覗く。
 リタは、数少ない荷物をすでにまとめ終えていた。が、顔を見ると茫洋とした
目で、まだ今後の予定は決めかねているようだ。

「すまねぇが、ついでに手伝ってくれ。
 とりあえず、これに着替えてくれ」

「これ……」

「どっちにしろ、ここ出るにゃ、便利なモノだ」

 衣服を受け取ったリタの表情に、少しだけ灯りが点る。久々の顔だ。
 それを見て、ヴィルフリードの心も少し弾んだ。ようやく、取り戻せた。何故
だかそう思った。

「いいよ。もうちょっと付き合ってあげる。どうせ、ここを出るにしろ出ないに
しろ、宿屋に残りの荷物を取りに行かなきゃいけなかったから。
 ちょっと待ってて。気合入れて着替えるから」

「ほどほどにな」

 ヴィルは、隠し切れない笑みを押さえ、扉を閉めた。

 数十分後、軽快に弾むように階段を降りてきたリタの姿に、ヴィルは思わず
笑った。

「うわ、なんだ、それ。似合いすぎだろ!」

「でしょ。だって僕、可愛いから、可愛いモノは何でも似合う自信あるもん」

 その場でくるりと一回転する。その動きに、金色の絹糸のような髪の毛と、ひ
らひらとしたスカートの布地が一緒に舞う。
 最後に、ちょこんとスカートをつまんで、ピンク色の低いヒールの靴でこつん
と床を鳴らして可憐にお辞儀。
 ヴィルフリードはこらえきれず、思わず腹をかかえて笑った。

「うわぁ、リタちゃん、本当にかわいいわ!」

 マリは、髪飾りなどを持ってきて、これなんかどうかしらとリタの頭にあては
じめる。

「……なんか、普通、女装って女なら喜んでいじり倒したくなるけど、この子の場
合、いじるところが無くてムカつくわ」

 一方同じ女性のハンナは、少し離れたところからリタを客観的に眺めている。

「違和感ないねぇ」

 小柄な老体が評した。
 リタは、その老人を見て驚いた。

「ミィ爺! どうしたの!?」

 ミィ爺は、グラスに盛られたデザートとを片手にしてそこにいた。そのグラス
の中には生クリームやアイスクリーム、サイコロ寒天に餡子に果物が大盛り積ま
れ、ウェハースが刺さっておりその傍らにはピンク色のさくらんぼがちょこんと
乗っかっている。それを黒蜜が満遍なくかかっている。

「呼ばれたんだ。スーパデラックスを食べにおいでって。
 でも、なんかまたごたごたしてるみたいだね」

 その老人はいたってのんきに、抹茶デラックス餡蜜パフェをぱくりと食べる。

「うん、この新作、おいしいね。このクセのあるソースの甘みがたまんない。ア
ンコともよくあうし」

 マリは、おっとりと「ありがとう」と満面の笑みで答えた。
 ミィ爺は、傍らのテーブルにそのグラスを置いて、冷菓の山に銀の匙を挿し、
ウェハースだけをとってもぐもぐ食べながら、ちょいちょい、と手招きをした。
 リタとヴィルフリードとハンナが顔を見合わせると、そう、とでも言うように
ミィ爺はうなずいた。
 とりあえず、リタがミィ爺の前に出る。

「かがんで。そう。そのぐらい」

 ミィ爺の顔と同じくらいの高さにまでリタはかがむ。すると、ミィ爺はスッ
と、カサカサな皮膚で覆われた手を水平にリタの目の前に出す。
 とん、と中指と薬指でリタの額を突く。軽く小突いた程度なのだが、リタは触
れられた辺りにじんわりと熱くなるのを感じた。
 そして、ミィ爺はリタの左手を取ると、手の平に、同じようにトンと今度は中
指だけで押す。そして今度は右手の手の平には親指。
 最後に、手の平をぽんと置いて、ミィ爺は「ハイ、おしまい」と締めた。
 リタはしげしげと右手を見る。

「何したの?」

「魔術とかそんなたいしたもんじゃないよ。もっとあやふやなもの。
 おまじないっていうのがいいかもね。幸運がありますようにっていう。
 でも、結構効くみたいだよ」

 ふーん、とリタは右手を裏返してまた見ている。
 順に、何の抵抗無く素直にハンナが、そして少し怖気づいたような様子を見せ
ながらもヴィルフリードも同じくその『おまじない』をしてもらう。

「あ、そうだ。ミィ爺、これ」

 リタが出したのは銀細工の蝶のブローチ。

「返しておくね。マリさんに預けておこうと思ってたんだけど」

「あ、私も」

 ハンナも続いてブローチを取り外す。
 しかし、ミィ爺は、リタのブローチをじぃっと見ていた。

「あれ? あのあと直ぐに約束やぶっちゃった?」

 リタがハンナに非難の目をむけたり、何か言いかけようかと口をひらいたり
と、一瞬逡巡した。その前に、ミィ爺は答えなど求めていなかったようで、にっ
こりとまったく気にした風も無く続けた。

「まぁ、もともとそんなに長く続くようなモノじゃなかったけどね。
 ありがとう。一応商売道具だから、パクられちゃったままだと困ってたんだ」

 あぁ、アイスが溶けちゃう。と言ってミィ爺は再びスーパーデラックスをぱく
ついた。もうそれ以上はなにか話す様子は無く、「うぅ~ん、おいしい!」と悦
に入っている。
 まだ、気になるのか、眉間のあたりをいじっていたヴィルフリードが、それで
口火を切った。

「まずは、リタ。お前はその格好で、できるだけ女性客の集団にまぎれてここを
出るんだ。
 心配するな。多分、この中でお前の顔が一番ばれてない。ましてや、その格好
なら騙せる」

「おじさまもそうじゃないの?」

 ハンナが聞く。

「俺は、こう見えてもBランク冒険者だぜ? あっちに冒険者にちょっと詳しい
ヤツがいたら、顔ぐらいばれてる可能性もある。
 ……それに、ちょっと揉め事起こしたしな」

「それで、僕はどうすればいいの?」

 リタが話を促す。

「宿屋に戻って、まずは自分の荷物をまとめろ。
 そして、俺の荷物も頼む。
 それを冒険者ギルドのところに持って預けてくれ。俺の名前を出してくれれ
ば、大丈夫だ。中身をチェックされると思うが、それは気が済むまでさせてお
け。まだ洗ってない着替えが臭いがな。
 その後は、お前の好きにしな」

「ヴィルさんは、どうするつもりなの?」

「知りたいのか?」

 言外に、知った時の危険性を示す。リタは機敏にそれを察知し、「それって、
別れようとしてるの?」と目で言っている。ヴィルフリードは、表情を変えず、
それ以上何も答えなかった。

「じゃ、善は急げだ。早いほうがいい。相手の動きが大きくならないうちにな」

 ぽん、とリタの肩を叩く。
 非難したかのような目が、こちらを向いている。納得は明らかにしていない。
もしかして、冷めた気持ちになって諦めようとしているのかもしれない。ただ単
に、このあやふやな状況に気持ち悪さを感じているだけなのかもしれない。
 だが、分別は無いわけでは無かったようだ。リタは、小さく「わかった」と承
知した。

「……にしても、本当に違和感ねぇなぁ……」

 間近に見て、やはりヴィルフリードは苦笑した。
 普通、男の女装をしたというのは、過剰に女性らしくあろうとしたり、男性っ
ぽさを隠しきれていなかったりと、どこかアンバランスさを感じさせるが、リタ
はそういうことが一切なかった。本当に、「そこらへんの女の子」なのだ。改め
て本当に思う。簡単にはバレはしないだろう。

「服は、返さなくてもいいから。……元気でいて。
 セーラちゃんにもよろしく。
 また来てね」

 マリがリタをぎゅっと抱きしめ、思いついた端から素直に言葉にする。

「なんだか、ややこしいことになってるみたいだけど。
 まぁ、またおいでね」

 ミィ爺は、やはりスーパーデラックスを持ったままだ。
 リタはその場にいる全ての人の顔を見る。

「マリさん、本当にお世話になりました。旦那さんや、ここの職人さんにも、お
礼を言っておいて。
 ……あ、でも、また戻ってくるかもしれないけど」

「こっちはかまわないわ。むしろ歓迎するわ」

「それじゃぁ行ってくるね」

 ちょっとした散歩にでも行くかのように、軽い足取りでリタは店内へと入って
いった。

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2007/02/11 23:49 | Comments(0) | TrackBack() | ○ヴィル&リタ

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