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2024/05/18 03:45 |
紫陽花 其の四/フロウ(聖十夜)
PC:クランティーニ・セシル・フロウ・イヴァン
場所:ポポル付近・裏街道
NPC:フィーク・フィル・五代目志士川茣蓙衛門・黒装束の男達

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「ずいぶんと片付きましたですね」
「俺たちは何もやってないけどな」
「それでいいと思いますですよ。楽なのですし」
「…君たち、少しは手伝ってくれないか?」
3分の1ほど襲撃者が消えた所で、クランティーニがすっかり腰を落ち着けているフ
ロウとフィーク、そしてセシルに声をかけてきた。
そのクランティーニを追って来た男に、イヴァンの放った針が命中する。
「いやだ。めんどくさい」
「あ、すみませんです。ボク達いなくても良さそうだなぁ~と思いましたので・・・」
セシルには即答、フロウには邪気のない笑顔で答えられ、クランティーニは一瞬言葉
に詰まった。
その間にもクランティーニの銃口は敵を捕らえ、音を響かせる。
「やっぱりお手伝いした方が良いですかねぇ」
「そりゃまあ、2人よりか4人の方が・・・」
「敵さんも増えそうなのですしねぇ」
さらりと言ったフロウの言葉に、フィークがエッと辺りを見回す。
その瞬間、彼らを囲む黒装束が倍増した。
茂みの奥や木の影などからわらわらと現れる黒装束の集団に、フィークは目を見開い
た。
「な、なんだよ。まだこんなにもいるのかよ」
「ハハハぁ!!さあ行け行け行け~!奴らを徹底的に叩きのめすんだ!
ついでに馬車の中身を取るのを忘れるなよ!」
「荷物はついでかよ!」
思わず突っ込むセシルだが、その手はしぶしぶとナイフを構える。
抜いたままにしてあったものだが、やはり獲物を与えないと、ナイフも寂しがるだろ
う。
「あ~。セシルさんもとうとう頑張るんですかぁ?」
「煩い」
憮然と答えて、セシルは黒装束に突っ込んでいった。
「じゃあ、ボク達も魔法で応援しますですか」
「えええぇぇ~~!マジ!?」
「へえ、フロウちゃん、魔法使えるんだ」
クランティーニが横目で感心したように問う。
その後、フロウが持っている杖を改めて眺めて、成る程、と頷いた。
「じゃ、行きますですぅ~」
「おい、ちょっとマテ!止めた方が…!」
フィークの懇願する声も虚しく、フロウの杖の先から光が迸る。
その光が向かった先には…
「でぃぁぁぁぁぁぁ!!!何しやがるんでい!!」
「あ、影さんごめんなさいなのです」
間一髪、光の直撃を避けたフィルが、フロウに向かって捲し立てた。
煽りで黒装束が何人か伸びているが、誰もそれを気にする様子はない。
「てめぇ!今わざとやりやがっただろう」
「……フロウは重症で手の施しようがないほどノーコンなんだよ」
はぁっとフィークは溜息を一つ。
フロウがそんな事無いですぅ、と抗議するが、誰もがフィークを支持した。
コントロールという言葉が今の攻撃に一ミリたりとも含まれていないことは誰の目に
も明らかだ。
「ったく、仕事でなかったらこんな奴らと…」
「フィル」
尚も捲し立てようとするフィルを、イヴァンが制する。
まだ敵は多いのだ。無駄口をたたいている暇などないというように、イヴァンは疾
る。
彼が通った後には、ただ倒れ伏した黒装束達のみが残っていた。
さすがだねぇ、とクランティーニがのほほんと呟く。
「クラン!お前も休んでないで手伝いやがれ」
数人の黒装束を相手にしていたセシルが、ちゃっかりとフロウの横で戦況を眺めてい
たクランティーニを睨んだ。
彼の中ではフロウは既に戦力外らしい。
「やれやれ、んじゃ俺ももう一頑張りするかね」
「シシカワゴザエモンさんも睨んでますですしね」
フロウの言葉に視線を走らせると、シッシーこと志士川茣蓙衛門がクランティーニを
親の仇のような目で睨んでいる。
「仕方ない、ちょっと相手をしてくるか…
フロウちゃん、自分の身くらい守れるよね?」
「はい、大丈夫なのですぅ」
ニッコリと答えて、フロウは杖を持ち上げた。
「…できれば魔法以外の方法で…」
「大丈夫ですってば」
そう言うと同時に、フロウは背後から襲ってきた黒装束の一人に、振り向きもせずに
杖の先を叩きつけた。
それは鮮やかに敵の急所を突き、黒装束は声も出せずに倒れ伏す。
更に間髪入れずに襲ってきたもう一人の黒装束の後頭部に肘を打ち下ろし、悶絶させ
る。
「いってらっしゃいなのですぅ」
「君、普通に闘えるんだ」
二人の黒装束を無力化させた後、何事も無かったように手を振るフロウに、クランテ
ィーニは思わず問い掛ける。
「ハイです。昔格闘技を教えてもらいましてぇ。師範代を貰いましたです」
「へぇ…そうなんだ」
神官と格闘技。
変な組み合わせだ。
「じゃ、いってらっしゃいです」
にこやかに手を振るフロウにクランティーニは気持ちを持ち直して笑い、志士川茣蓙
衛門の笑い声が聞こえる方角へ駆け出した。
入れ替わりに、フロウを敵だと認識した黒装束の何人かが彼女めがけて殺到する。
「さぁて、ボク達も頑張りますですか」
「面倒だけどしょうがないなぁ。全く、フロウに関わってるとろくな事無い」
「あは。そう言っていっつもちゃんと手伝ってくれるじゃないですかぁ」
諦め交じりのフィークの言葉に、のんびりと答え、フロウは杖を構えた。
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2007/02/12 22:49 | Comments(0) | TrackBack() | ▲紫陽花

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