PC:セシル・フロウ・イヴァン
場所:クーロン
NPC:フィーク・フィール・フィル
―――――――――――――――
馬車が停まったのは、フィールの家に負けず劣らず豪華な邸宅の前だった。
「ふわぁ…凄い家なのですねぇ~」
「金持ちって奴ァ何でこんなに飾り立てるんだろうなぁ」
フィルが心底不思議そうに呟く。その主人であるイヴァンは長い裾を踏んで転びそう
になっていた。
後から降りて来たセシルも、裾と格闘している。流石に女性陣と空飛ぶフィークは平
気だ。
「いっぱいご馳走食べられますですかねぇ」
「この服ではムリ」
セシルが諦めたように首を振った。ドレスの紐が食い込んで痛いらしい。
「きっと食べられるわよ。いっぱい」
どんな御飯が出るかな~とか嬉しそうに言うフロウに、フィール がにっこりと微笑み
ながら答える。
「ホントなのですか?」
「ええ、勿論」
フィールはなおも笑顔を崩さず。この笑顔の恐ろしさを知るクランティーニは、幸か
不幸か今はいない。
「さて、では行きましょうか」
「はいです!」
かくて女性陣は元気よく、逆に男性陣はげっそりとしながら、敵地に乗り込んだのだ
った。
********
「オーおー何処もかしこも金ピカだねぇ。これじゃ目が眩んじまうじゃねぇか、旦那
ぁ」
「フロウ~もう帰ろうよ~こんな恰好もうやだよ」
「お前ら少し黙れ」
不機嫌な男性陣は、キラキラと光る廊下を歩いていた。エントランスとホールを繋ぐ
廊下である。
玄関にいたメイドに用件を告げて通されたエントランスには、いかにも金持ちです、
と主張する為のモノが至る所に置かれていた。
恐らく純金製であろう壷、豪華な金のシャンデリア、美しい宝石が散りばめられた置
物、呪いに使われそうな造型の癖に、無駄に光り輝く人形、無節操に集められた絵画
エトセトラエトセトラ…
金持ちが必ず陥るという"よくわかんないけど豪華そうなモノは全部買っとけ症候
群"の典型的な症状だ。しかも、かなりの重症。救いようがない。
屋敷中こんな感じなのだ。文句なしでは歩けない。
「こら、そんな口調じゃダメでしょう?もっと優雅に丁寧に。一人称も"ワタクシ"よ?
わかった?」
後ろを歩いていたフィールが、セシルを注意した。明らかに楽しんでる。
「いい?いくら屋敷が悪趣味で気持ち悪くて燃やしてしまいたくてもそこはレディの嗜
み、心の中で叫ぶくらいに押さえておきなさいな。ね?」
「いや、誰もそこまで言ってないし。レディじゃないし。そもそもあんたがこんな恰好
させてるんだろう?」
「あらあ、雇い主は私でしょう?ほら、イヴァンちゃんはちゃんと文句言わずにやって
るわ。流石ランクAね」
反論を許さぬ口調にセシルは口ごもる。勝てはしないと悟ったのか、小さな舌打ち一
つで黙り込んだ。
「ネコさんはえらいですぅ」などと的外れなことをフロウが呟いている。
そうしているうちに、一行は目的地に着いた。
豪華なホールの扉は開け放たれ、来訪者を手招きしている。
落ちそうなシャンデリアが照らし出すホール内で、彼らの目を一際引いたものは…
「あらぁ…お久しぶりですわ。よくいらっしゃいましたわね」
無駄に豪華絢爛にケバケバしく飾り立てられたカランズ商会のご令嬢…
ではなく
「うわぁ~美味しそうなのですぅ!ネコさん、お腹いっぱい食べられますですよぉ!」
ホール中に並べられた、食べ物の山だった。
場所:クーロン
NPC:フィーク・フィール・フィル
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馬車が停まったのは、フィールの家に負けず劣らず豪華な邸宅の前だった。
「ふわぁ…凄い家なのですねぇ~」
「金持ちって奴ァ何でこんなに飾り立てるんだろうなぁ」
フィルが心底不思議そうに呟く。その主人であるイヴァンは長い裾を踏んで転びそう
になっていた。
後から降りて来たセシルも、裾と格闘している。流石に女性陣と空飛ぶフィークは平
気だ。
「いっぱいご馳走食べられますですかねぇ」
「この服ではムリ」
セシルが諦めたように首を振った。ドレスの紐が食い込んで痛いらしい。
「きっと食べられるわよ。いっぱい」
どんな御飯が出るかな~とか嬉しそうに言うフロウに、フィール がにっこりと微笑み
ながら答える。
「ホントなのですか?」
「ええ、勿論」
フィールはなおも笑顔を崩さず。この笑顔の恐ろしさを知るクランティーニは、幸か
不幸か今はいない。
「さて、では行きましょうか」
「はいです!」
かくて女性陣は元気よく、逆に男性陣はげっそりとしながら、敵地に乗り込んだのだ
った。
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「オーおー何処もかしこも金ピカだねぇ。これじゃ目が眩んじまうじゃねぇか、旦那
ぁ」
「フロウ~もう帰ろうよ~こんな恰好もうやだよ」
「お前ら少し黙れ」
不機嫌な男性陣は、キラキラと光る廊下を歩いていた。エントランスとホールを繋ぐ
廊下である。
玄関にいたメイドに用件を告げて通されたエントランスには、いかにも金持ちです、
と主張する為のモノが至る所に置かれていた。
恐らく純金製であろう壷、豪華な金のシャンデリア、美しい宝石が散りばめられた置
物、呪いに使われそうな造型の癖に、無駄に光り輝く人形、無節操に集められた絵画
エトセトラエトセトラ…
金持ちが必ず陥るという"よくわかんないけど豪華そうなモノは全部買っとけ症候
群"の典型的な症状だ。しかも、かなりの重症。救いようがない。
屋敷中こんな感じなのだ。文句なしでは歩けない。
「こら、そんな口調じゃダメでしょう?もっと優雅に丁寧に。一人称も"ワタクシ"よ?
わかった?」
後ろを歩いていたフィールが、セシルを注意した。明らかに楽しんでる。
「いい?いくら屋敷が悪趣味で気持ち悪くて燃やしてしまいたくてもそこはレディの嗜
み、心の中で叫ぶくらいに押さえておきなさいな。ね?」
「いや、誰もそこまで言ってないし。レディじゃないし。そもそもあんたがこんな恰好
させてるんだろう?」
「あらあ、雇い主は私でしょう?ほら、イヴァンちゃんはちゃんと文句言わずにやって
るわ。流石ランクAね」
反論を許さぬ口調にセシルは口ごもる。勝てはしないと悟ったのか、小さな舌打ち一
つで黙り込んだ。
「ネコさんはえらいですぅ」などと的外れなことをフロウが呟いている。
そうしているうちに、一行は目的地に着いた。
豪華なホールの扉は開け放たれ、来訪者を手招きしている。
落ちそうなシャンデリアが照らし出すホール内で、彼らの目を一際引いたものは…
「あらぁ…お久しぶりですわ。よくいらっしゃいましたわね」
無駄に豪華絢爛にケバケバしく飾り立てられたカランズ商会のご令嬢…
ではなく
「うわぁ~美味しそうなのですぅ!ネコさん、お腹いっぱい食べられますですよぉ!」
ホール中に並べられた、食べ物の山だった。
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