PC:アベル ヴァネッサ
NPC:ラズロ リリア リック
場所:エドランス国 ウサギ型眷属の村近く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「俺は疑問に思っているんだが」
ラズロは、真面目な顔で腕組みをし、アベルとリックにシリアスな口調で告げた。
アベルはきょとんとした顔で、片やリックはラズロの口調にどこか圧倒され、黙って
聞いていた。
ラズロはかまわず続ける。
「女というのは、どうして、ああいった、ふさふさした生き物が関わると喜ぶんだ
?」
……あまり深刻な疑問ではないようだ。
「ふさふさが好きなんじゃねえの?」
単純に答えたのはアベル。
しかし、この答えにラズロは不満なようで、
「だから、どうして女はふさふさが好きなんだろうかと考えているんだが?」
眉間にかすかにシワを寄せた。
「うーん。言われてみると、確かに、女ってさ、小さくてふかふかした毛並みの生き
物を見ると、すぐ『カワイイー!』って言って、なでたり抱きしめたりしたがるんだ
よなぁ」
リックの言うそれは、おそらくリリアのことだろう。
「おまけに、その時一緒にいると、『ちょっと、ほらほらほら、見なさいよ! カワ
イイでしょ? ねぇねぇ』ってうるさくってさ。こっちが『ああそうだね』って言わ
ない限り、しつこく
言ってくるんだぜ。小動物は嫌いじゃないけどさ、別に歓声上げて喜ぶほどじゃない
よ、俺」
「……女はよくわからない」
聞き終えたラズロは、深いため息をつき、腕組みをほどいて地面を睨んだ。
「たかだかウサギ型の眷属の村に行くというだけで、どこからこんなパワーが出てく
るんだ?」
一行……もとい少年三人と、そこから離れた位置で何やら楽しげに会話している少女
二人は、目指していた村が見える位置にいた。
この分だと、予定していたよりもずっと早く、村に到着することになりそうだ。
予定よりもずっと早くここまで来た理由。
それは、リリアとヴァネッサ……というよりも主にリリアが一行を引っ張る形で道中
を突き進んだためである。
ラズロは正直、この少女二人の方が疲労しやすいだろうから、間に休憩を挟むべき
か、とも考えていたのだ。
それなのに、実際は少年三人の方がちょっと疲れている。
少女二人の方は疲れの色など微塵も見せていない。
気がつけば、少女二人の方が前方を歩いている。
――女の子というのは、か弱いのだから、男子が常に守って差し上げなければなりま
せん。
ラズロは、この状況を省みて、ふと、幼少の頃にばあやに言われた言葉が頭をよぎり
――冒頭の台詞に辿りついたわけである。
「女って、たくましい生き物だなぁ」
リックがぼそりと呟き。
「ヴァネッサは違うっての」
ここのところ落ちついているとはいえ、まだ油断のならない発作を持つ姉をかばっ
て、アベルは反論し。
「悪い。撤回。リリアってたくましいよなぁ」
反論を受け、リックが前言を撤回して言い直し。
「こら、アンタたち!」
そこへ突如飛んできたリリアの声に、三人はギクリと固まる。
別に悪いことをしていたわけではないが、コソコソ話していたというのが少しばかり
後ろめたいのだ。
「ちゃっちゃと歩きなさいよ、ったく、さっさとクエスト済ませて、ウサギさん達と
触れ合わなきゃいけないんだから!」
リリアはそんな様子に気付いていないようで、腰に両手を当てて声を上げている。
彼女の中では、すでにクエストよりもウサギ型眷属との触れ合いの方が重要事項に
なっているらしい。
「楽しみだね、リリアちゃん」
その隣で、ヴァネッサは額ににじんだ汗をぬぐい、微笑んだ。
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NPC:ラズロ リリア リック
場所:エドランス国 ウサギ型眷属の村近く
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「俺は疑問に思っているんだが」
ラズロは、真面目な顔で腕組みをし、アベルとリックにシリアスな口調で告げた。
アベルはきょとんとした顔で、片やリックはラズロの口調にどこか圧倒され、黙って
聞いていた。
ラズロはかまわず続ける。
「女というのは、どうして、ああいった、ふさふさした生き物が関わると喜ぶんだ
?」
……あまり深刻な疑問ではないようだ。
「ふさふさが好きなんじゃねえの?」
単純に答えたのはアベル。
しかし、この答えにラズロは不満なようで、
「だから、どうして女はふさふさが好きなんだろうかと考えているんだが?」
眉間にかすかにシワを寄せた。
「うーん。言われてみると、確かに、女ってさ、小さくてふかふかした毛並みの生き
物を見ると、すぐ『カワイイー!』って言って、なでたり抱きしめたりしたがるんだ
よなぁ」
リックの言うそれは、おそらくリリアのことだろう。
「おまけに、その時一緒にいると、『ちょっと、ほらほらほら、見なさいよ! カワ
イイでしょ? ねぇねぇ』ってうるさくってさ。こっちが『ああそうだね』って言わ
ない限り、しつこく
言ってくるんだぜ。小動物は嫌いじゃないけどさ、別に歓声上げて喜ぶほどじゃない
よ、俺」
「……女はよくわからない」
聞き終えたラズロは、深いため息をつき、腕組みをほどいて地面を睨んだ。
「たかだかウサギ型の眷属の村に行くというだけで、どこからこんなパワーが出てく
るんだ?」
一行……もとい少年三人と、そこから離れた位置で何やら楽しげに会話している少女
二人は、目指していた村が見える位置にいた。
この分だと、予定していたよりもずっと早く、村に到着することになりそうだ。
予定よりもずっと早くここまで来た理由。
それは、リリアとヴァネッサ……というよりも主にリリアが一行を引っ張る形で道中
を突き進んだためである。
ラズロは正直、この少女二人の方が疲労しやすいだろうから、間に休憩を挟むべき
か、とも考えていたのだ。
それなのに、実際は少年三人の方がちょっと疲れている。
少女二人の方は疲れの色など微塵も見せていない。
気がつけば、少女二人の方が前方を歩いている。
――女の子というのは、か弱いのだから、男子が常に守って差し上げなければなりま
せん。
ラズロは、この状況を省みて、ふと、幼少の頃にばあやに言われた言葉が頭をよぎり
――冒頭の台詞に辿りついたわけである。
「女って、たくましい生き物だなぁ」
リックがぼそりと呟き。
「ヴァネッサは違うっての」
ここのところ落ちついているとはいえ、まだ油断のならない発作を持つ姉をかばっ
て、アベルは反論し。
「悪い。撤回。リリアってたくましいよなぁ」
反論を受け、リックが前言を撤回して言い直し。
「こら、アンタたち!」
そこへ突如飛んできたリリアの声に、三人はギクリと固まる。
別に悪いことをしていたわけではないが、コソコソ話していたというのが少しばかり
後ろめたいのだ。
「ちゃっちゃと歩きなさいよ、ったく、さっさとクエスト済ませて、ウサギさん達と
触れ合わなきゃいけないんだから!」
リリアはそんな様子に気付いていないようで、腰に両手を当てて声を上げている。
彼女の中では、すでにクエストよりもウサギ型眷属との触れ合いの方が重要事項に
なっているらしい。
「楽しみだね、リリアちゃん」
その隣で、ヴァネッサは額ににじんだ汗をぬぐい、微笑んだ。
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