PC:ウェイスター (ヴォルボ)
NPC:黒ローブの男達
場所:ソフィニア市街・ソフィニア魔法学院
+++++++++++++++++++++++++++++++++++
呼び止めるも止まらない黒ローブ。故にヴォルボは黒ローブを捕まえようと、駆け出
した。ーが、いかんせんドワーフ。足が短い。手足をばたつかせ懸命に駆けるも、黒
ローブとの差は詰まらない。ヴォルボとは対照的にその男の足は長かったのだ。しか
も、その男だって、呼び止められたと同時に駆け出していたから、なおのことだ。黒
ローブは加速していき、ヴォルボをぐんぐん突き放す。兎と亀の駆け比べだ。
「ッこの!」
歯噛みして、なおも追いかけるが、もうすっかり置いていかれていた。足を止め、息
を整えた。
「…マリリアンところに行こう。」
頭を切り替えたようで、マリリアンの所へ向かっていった。見失ってしまったのだか
ら仕方が無い。今の第一優先はマリリンに髪止めを届けることだ。
少女を飲み込んだ魔方陣の描かれた紙は宙を舞って、どこかへ消えていった…。
+++++
そのころウェイスターはといえば、とりあえず高名なソフィニアの魔法学院に来てい
た。多くの学院生で賑わっており、マリリンを誘拐しようとした人間がいるのかどう
かさっぱりだった。聞き込みをしようかとも思ったが、目立ったまねをするのはまず
いと思い、結局止めた。怪しげな格好をした人間は多少散見されたが、魔法学院とい
うこともあり、それだけで怪しいとは言いかねる。
何より、ウェイスターは若者あふれる学院の雰囲気とは明らかに異なっており、浮い
ていた。
向こうの方で女性と数人がウェイスターの方をちらちらと見ながら何か話していた。
「なにアレー?いまどきガクラン?」
「応援団かなんかじゃないの?」
「えー。でも、青いガクラン…しかも、長ランじゃ無い。おかしいよ。」
「きっと、ツッパリなのよ。」
今日び、ツッパリだのチョウランだの言うのも珍しい。ましてや、青い。バカみたい
に目立つ。
暫くすると、リーゼントの、それこそツッパリファッションの男に睨み付けられる始
末だ。
「なんだよ、オメーは。ここはソフィニア魔法学院だぞ。」
しかも、因縁つけられてしまった。
「承知の上だ。」
「わかってんなら消えろや。場違いなんだよ。」
好都合。ウェイスターは思ってしまった。こういったヤンキーくんは割と顔が広いの
だ。
「お互い様だろう。なんだ、今日び短ランか。」
「長ランに言われたくねーよ。大体、なんだよ、他人(ヒト)の学校きといて、デ
ケー面すんなよ。」
「別にそんなつもりは無いが。君の思い違いだろう。」
ウェイスターが、あんまりに表情を変えないものだから、ヤンキーくんはなんだか、
頭にきていた。
「はい、そうですか…。」
「?」
「って、言うとでも思ってんのかコラァ-ッッ!」
ヤンキーくんは思いっきり振りかぶって、ウェイスターの右顔面にストレートを放
つ。
バチィ
乾いた音が響いた。
…が、ウェイスターは微動だにせずに、パンチを受けきっていた。右頬にヤンキーく
んの拳がめり込んでいる。
「…こんのやらぁッ!」
ヤンキーくんは半ばやけになって、ウェイスターに攻めかかる。
右ストレート、左フック、狙いをボディに変えて、右ミドル。最後に胸ぐらを掴んみ
…。
ガツン
強烈な頭突きを放った。
「ットォ…。頭突きは…ちょっと、自分もいてぇや…。」
ヤンキーくんは、数歩下がって、頭をなでた。多分、後でこぶになるだろう。リーゼ
ントが少し乱れていた。
「…気は済んだか。」
ウェイスターは、やっぱり微動だにしていなかった。
「聞きたいことがある。」
ヤンキーくんに選択の余地は無かった。
+++++
「マリリアンちゃーん。」
マリリアン宅の戸を叩くのは、短い四肢と長いひげの彼だ。
こんこん
…返事が無い。
「?」
ヴォルボは失礼かと思ったが、ドアを開けた。
二、三回マリリンに呼びかけ、やっぱり返事が無かったので、中に上がった。
そして、ヴォルボの表情は凍りついた。
居間には返事の無いマリリアンの代わりに、魔方陣の描かれた紙が落ちていた。
NPC:黒ローブの男達
場所:ソフィニア市街・ソフィニア魔法学院
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呼び止めるも止まらない黒ローブ。故にヴォルボは黒ローブを捕まえようと、駆け出
した。ーが、いかんせんドワーフ。足が短い。手足をばたつかせ懸命に駆けるも、黒
ローブとの差は詰まらない。ヴォルボとは対照的にその男の足は長かったのだ。しか
も、その男だって、呼び止められたと同時に駆け出していたから、なおのことだ。黒
ローブは加速していき、ヴォルボをぐんぐん突き放す。兎と亀の駆け比べだ。
「ッこの!」
歯噛みして、なおも追いかけるが、もうすっかり置いていかれていた。足を止め、息
を整えた。
「…マリリアンところに行こう。」
頭を切り替えたようで、マリリアンの所へ向かっていった。見失ってしまったのだか
ら仕方が無い。今の第一優先はマリリンに髪止めを届けることだ。
少女を飲み込んだ魔方陣の描かれた紙は宙を舞って、どこかへ消えていった…。
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そのころウェイスターはといえば、とりあえず高名なソフィニアの魔法学院に来てい
た。多くの学院生で賑わっており、マリリンを誘拐しようとした人間がいるのかどう
かさっぱりだった。聞き込みをしようかとも思ったが、目立ったまねをするのはまず
いと思い、結局止めた。怪しげな格好をした人間は多少散見されたが、魔法学院とい
うこともあり、それだけで怪しいとは言いかねる。
何より、ウェイスターは若者あふれる学院の雰囲気とは明らかに異なっており、浮い
ていた。
向こうの方で女性と数人がウェイスターの方をちらちらと見ながら何か話していた。
「なにアレー?いまどきガクラン?」
「応援団かなんかじゃないの?」
「えー。でも、青いガクラン…しかも、長ランじゃ無い。おかしいよ。」
「きっと、ツッパリなのよ。」
今日び、ツッパリだのチョウランだの言うのも珍しい。ましてや、青い。バカみたい
に目立つ。
暫くすると、リーゼントの、それこそツッパリファッションの男に睨み付けられる始
末だ。
「なんだよ、オメーは。ここはソフィニア魔法学院だぞ。」
しかも、因縁つけられてしまった。
「承知の上だ。」
「わかってんなら消えろや。場違いなんだよ。」
好都合。ウェイスターは思ってしまった。こういったヤンキーくんは割と顔が広いの
だ。
「お互い様だろう。なんだ、今日び短ランか。」
「長ランに言われたくねーよ。大体、なんだよ、他人(ヒト)の学校きといて、デ
ケー面すんなよ。」
「別にそんなつもりは無いが。君の思い違いだろう。」
ウェイスターが、あんまりに表情を変えないものだから、ヤンキーくんはなんだか、
頭にきていた。
「はい、そうですか…。」
「?」
「って、言うとでも思ってんのかコラァ-ッッ!」
ヤンキーくんは思いっきり振りかぶって、ウェイスターの右顔面にストレートを放
つ。
バチィ
乾いた音が響いた。
…が、ウェイスターは微動だにせずに、パンチを受けきっていた。右頬にヤンキーく
んの拳がめり込んでいる。
「…こんのやらぁッ!」
ヤンキーくんは半ばやけになって、ウェイスターに攻めかかる。
右ストレート、左フック、狙いをボディに変えて、右ミドル。最後に胸ぐらを掴んみ
…。
ガツン
強烈な頭突きを放った。
「ットォ…。頭突きは…ちょっと、自分もいてぇや…。」
ヤンキーくんは、数歩下がって、頭をなでた。多分、後でこぶになるだろう。リーゼ
ントが少し乱れていた。
「…気は済んだか。」
ウェイスターは、やっぱり微動だにしていなかった。
「聞きたいことがある。」
ヤンキーくんに選択の余地は無かった。
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「マリリアンちゃーん。」
マリリアン宅の戸を叩くのは、短い四肢と長いひげの彼だ。
こんこん
…返事が無い。
「?」
ヴォルボは失礼かと思ったが、ドアを開けた。
二、三回マリリンに呼びかけ、やっぱり返事が無かったので、中に上がった。
そして、ヴォルボの表情は凍りついた。
居間には返事の無いマリリアンの代わりに、魔方陣の描かれた紙が落ちていた。
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