PC:リーデル、ライン、チップリード
NPC:ユヴェス、ベルナール
場所:ソフィニア近郊
_____________________________
そう広くは無い屋敷の一室に金属が合わさるような音が響きあっていた。
その音は苛烈で雄雄しく破壊しかもたらさない様な音であったが、見るもの聞
くものはまるで石化した様に見入っていた。
乾坤。
刃と爪が奏でるその禍々しいまでの音はある意味では、達人の音楽のそれに思
えた。
片方が袈裟切りに切りかかると片方は拳でそれを横薙ぎに打ち返し。その隙に
もう片方が爪で切りかかろうとする、それを返す刃で打ち払いまた切りかかる。
互いの体の間には無数の軌道が行き交いし、それら全てが閃光を放ち打ち戻る。
どこにも無駄が無くどこにも入る余地は無かった。
ある意味でそれは完成された芸術の様であり、完成された音楽の様であった。
だが…、若干だが変な点があった。完成された音楽、完成された芸術。それ自
体はなんら変ではない。むしろ極まっている。変な点は片方にあった…。
笑っているのだ。面白そうに、可笑しそうに、余裕たっぷりの表情で。
一体誰が気づくであろうか。いや誰しもが気づいていたのかもしれない。片方
は戦闘を楽しみ、片方は生き残るために戦闘をしていた。
彼の者には言葉は無く、理由は無く、意味は無く、快楽しか無く。
彼の者には言葉は無く、理由は無く、意味は無く、生存しか無く。
両者の違いはそれだけだった。
乾坤。乾坤。乾坤。
鳴り響く音の旋律。一秒にも一時間にも感じる長い静寂。
否。乾坤以外の静寂。
それは人外の者であるシヴァでさえも息を呑み。ただ見つめるだけしか出来な
かった。
どれだけの時間がたったのかは分からないが、ユヴェスの楽しみを奪う者は扉
を蹴破ると共に現れた。
「ナンジャコリャーーーーーーー!!!???」
時間は1時間程前に遡る。
ベルナールから屋敷の居場所を聞きだし、屋敷に向かって走っていたいた。
「どう思います?」
先ほどまでの悲壮な顔と一転して気丈な顔で聞いてくるライン。流石はプロと
言う所か。
「ユヴェスの事か?」
ええと促すラインを見ながらリーデルは語りだす。
「元ランクS様のお出ましとは流石の俺でも少し緊張してきたって所か。二重の
保険っていうのも怪しい…。二つ名が殲滅って言われても元ランクSだ…」
任務に失敗するような事は無いだろう。なら何故と疑問に思う。何故にそこま
でして我々にまで保険をかけるのか。
ストッパーと言う事なら不可能だ、こちらが束でかかってもあの青年には歯が
立たないであろう。それは分かりきっている事だし社長もそれを望んで無いだろ
う。
ならば広範囲の散策の為に雇ったのか?
いやこれも違うだろう。広範囲の散策であればわざわざスリーマンセルという
大所帯にしない。もっと安価な方法もあるだろう。
なにかきな臭い。例えようの無い焦燥感と緊張に囚われる。
とにかく用心だけは怠らないほうがよさそうだと二人に言い放った後、リーデ
ルはふともう一つの答えを思い浮かぶ。こいつら二人のうちになにか理由がある
のでは無いかと。
「まぁそうですね。出たとこ勝負だけに用心だけはしときましょう」
あぁと返事を返しながら彼らは再度無言で走り出す。
屋敷の前に着くと門の前に守衛らしき人物が二人立っていた。
互いの槍で互いの心臓を一突きにして。
それを無視して玄関を蹴破り音のする部屋の方へ駆け込む。部屋の前でドアを
ぶち破り中へ入る。一言で言えば人外と人外の戦いと評すればいいであろうその
戦いがあった。
「なっ」
躊躇うリーデルとライン。
「ナンジャコリャーーーーーーー!!!???」
言いたい事は全てチップが言ってくれたような気がした…。
NPC:ユヴェス、ベルナール
場所:ソフィニア近郊
_____________________________
そう広くは無い屋敷の一室に金属が合わさるような音が響きあっていた。
その音は苛烈で雄雄しく破壊しかもたらさない様な音であったが、見るもの聞
くものはまるで石化した様に見入っていた。
乾坤。
刃と爪が奏でるその禍々しいまでの音はある意味では、達人の音楽のそれに思
えた。
片方が袈裟切りに切りかかると片方は拳でそれを横薙ぎに打ち返し。その隙に
もう片方が爪で切りかかろうとする、それを返す刃で打ち払いまた切りかかる。
互いの体の間には無数の軌道が行き交いし、それら全てが閃光を放ち打ち戻る。
どこにも無駄が無くどこにも入る余地は無かった。
ある意味でそれは完成された芸術の様であり、完成された音楽の様であった。
だが…、若干だが変な点があった。完成された音楽、完成された芸術。それ自
体はなんら変ではない。むしろ極まっている。変な点は片方にあった…。
笑っているのだ。面白そうに、可笑しそうに、余裕たっぷりの表情で。
一体誰が気づくであろうか。いや誰しもが気づいていたのかもしれない。片方
は戦闘を楽しみ、片方は生き残るために戦闘をしていた。
彼の者には言葉は無く、理由は無く、意味は無く、快楽しか無く。
彼の者には言葉は無く、理由は無く、意味は無く、生存しか無く。
両者の違いはそれだけだった。
乾坤。乾坤。乾坤。
鳴り響く音の旋律。一秒にも一時間にも感じる長い静寂。
否。乾坤以外の静寂。
それは人外の者であるシヴァでさえも息を呑み。ただ見つめるだけしか出来な
かった。
どれだけの時間がたったのかは分からないが、ユヴェスの楽しみを奪う者は扉
を蹴破ると共に現れた。
「ナンジャコリャーーーーーーー!!!???」
時間は1時間程前に遡る。
ベルナールから屋敷の居場所を聞きだし、屋敷に向かって走っていたいた。
「どう思います?」
先ほどまでの悲壮な顔と一転して気丈な顔で聞いてくるライン。流石はプロと
言う所か。
「ユヴェスの事か?」
ええと促すラインを見ながらリーデルは語りだす。
「元ランクS様のお出ましとは流石の俺でも少し緊張してきたって所か。二重の
保険っていうのも怪しい…。二つ名が殲滅って言われても元ランクSだ…」
任務に失敗するような事は無いだろう。なら何故と疑問に思う。何故にそこま
でして我々にまで保険をかけるのか。
ストッパーと言う事なら不可能だ、こちらが束でかかってもあの青年には歯が
立たないであろう。それは分かりきっている事だし社長もそれを望んで無いだろ
う。
ならば広範囲の散策の為に雇ったのか?
いやこれも違うだろう。広範囲の散策であればわざわざスリーマンセルという
大所帯にしない。もっと安価な方法もあるだろう。
なにかきな臭い。例えようの無い焦燥感と緊張に囚われる。
とにかく用心だけは怠らないほうがよさそうだと二人に言い放った後、リーデ
ルはふともう一つの答えを思い浮かぶ。こいつら二人のうちになにか理由がある
のでは無いかと。
「まぁそうですね。出たとこ勝負だけに用心だけはしときましょう」
あぁと返事を返しながら彼らは再度無言で走り出す。
屋敷の前に着くと門の前に守衛らしき人物が二人立っていた。
互いの槍で互いの心臓を一突きにして。
それを無視して玄関を蹴破り音のする部屋の方へ駆け込む。部屋の前でドアを
ぶち破り中へ入る。一言で言えば人外と人外の戦いと評すればいいであろうその
戦いがあった。
「なっ」
躊躇うリーデルとライン。
「ナンジャコリャーーーーーーー!!!???」
言いたい事は全てチップが言ってくれたような気がした…。
PR
トラックバック
トラックバックURL: