PC:真田冬留(さなだとうる)/ハーティー/香織
性別:男
性格:沈着冷静でいて他人事に首を突っ込むのが好き。
年齢:15歳
場所:クーロン第七地区・クラノヴァ執政長邸宅~邸宅前
NPC:ザザ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
冬留-2 【異星人交差点】
あの『いかれ帽子屋』の言うとおりの道を通って、出会い頭に年上の女性に
ぶつかった。
「ご、ごめんなさいっ! 前、全然見てなくて!」
ぶつかった拍子に尻餅を着いた女性に咄嗟に手を差し伸べようとして。
先に(彼女も何故か固まっていたが)固まるような台詞を言われた。
「あなた、その格好、もしかして……現代人っ?」
「…はい?」
思わず口から出たのがそれだった。
現代人?
出会い頭になんでこんな質問されなきゃいけな……現代人?
「…え?」
頭の中で彼女の言葉を反芻して、それからその意味に気付いた冬留が僅かに
身を乗り出した時だった。
先程まで冬留の影の中に引っ込んでいたあのザザがまたいきなり飛び出て来
て宙に浮かんだ口で笑うと女性の傍らにいる男性に声を掛けたのだ。
「きゃっ!?」
女性の悲鳴に、“当然の反応だよなこれ”と冬留は思いながら、背後を振り
返って。
「おい、お前俺が呼ばない限り出てこないんじゃなかったのか?
それをさっきも…『いかれ帽子屋』とかいう奴に会った時も勝手に」
「やあ『壊れたら元に戻らない者』!久しぶりジャン!」
「……………また知り合いかよおい」
という冬留の突っ込みはスルーされた。
「これは久しぶりだね『影法師』。その少年は君の玩具?」
「違うジャン。トールはボクの宿主。
サッキ会った『いかれ帽子屋』風に言えば『影法師の王』ダヨ。
でも『いかれ帽子屋』も面白いジャン。イメージ被るとヤだって帽子取って
たジャン!
あれじゃタダの『いかれ屋』ジャン」
「それは確かにその通りだね。
でも…『影法師の王』か」
そこでハーティーは一度冬留の顔を見ると、すぐにザザに視線を戻して。
「随分若い子なのに君のお眼鏡に適うとは珍しい」
「トールは特別ジャン。ボク見てもオドロカナイ。これだけでも及第点ジャ
ン」
(何だか上で奇妙奇天烈な会話が繰り広げられている……)
しかし関わりたくなかったので、冬留は未だ地面にしゃがんだままの女性の
目線に合わせるように自分もしゃがみ込む。
「…えっと。大丈夫ですか? 怪我とか」
「あ…はい。平気です」
「…あー、で。すいません出会い頭に変なの出て来ちゃって。
あいつなんか俺に取り憑いてるっていうか………。
まあ自縛霊かなんかだと思って下さい。
というか他に俺も説明出来ないので」
「……はぁ」
「で、先程の貴方の質問なんですけど…」
そこで一旦言葉を切り、一息つくと。
冬留は香織の瞳を真っ直ぐに見て問いかけた。
「『現代人』の意味はもしかして日本とかカナダとか新宿とかアメリカとかド
イツとかそういうのがある世界の人間ですか? っていう問いに変換して受け
取っていいんでしょうか?」
「は、はい!」
「なら返答はイエスです。現代人というか異世界人ですね。俺。
でもなんで貴方そんな…」
「彼女もまた君と同じだからだよ。『影法師の王』」
「……同じ?」
ザザとの会話に手一杯だと思っていた見知らぬ青年が割り込んできた。
「失礼。僕は『壊れたら元に戻らない者』ハンプティ・ダンプティっていうん
だ。
仲間は“卵”とか“ジョーカー”って呼ぶ人もいるね」
「…仲間ってもしかさっき会った『いかれ帽子屋』とか?」
「そう。ま、長いからハーティーでいいよ。『影法師の王』」
「…とりあえず、俺こっちの女の人に話があるから貴方はザザと話しててくれ
ません?」
「こりゃ失礼」
そう言って再びザザとの会話に戻ったハーティーを一瞥だけして、冬留は香
織に視線を戻す。
「…同じって、同じ異世界人って意味?」
「そうなの…! さっきの単語から判断して貴方も同じ世界の人よね!?」
同じ世界の人間が見つかって安堵したのか、香織が身を乗り出して同意を求
める。
「…そ、そうですけど。
あの……………」
「あ、ごめんなさい。
私西本香織。同じ世界の人に会えたからつい…」
「あ、その気持ちは分かります。俺も来た早々にこいつが出て来て…。
ああ、すいません」
話がまた脱線したので冬留は咄嗟に戻すと。
「改めて、俺は深崎…じゃなかった。
真田、真田冬留。初めまして」
「こちらこそー!」
「で、西本さんは」
「香織でいいわよ」
「じゃあ、香織さんはどうしてこの世界に?」
「それが、気が付いたら…」
「俺は物置の本を開いた途端光って、で気が付いたら此処。
元凶はこれっぽいんですが」
と冬留は疲れたように自分の影から出てきてまだ何か話しているザザを指さ
す。
「『ザザの影法師』、って言うらしいです。
で、俺がその宿主……つまるところが寄生されちゃったんです」
「寄生ってシッツレイだねトール!
もっとドウセイとか安らぎに溢れたコトバで現してヨ」
「同棲の方がよっぽどいやらしいわこの影!」
一瞬だけ冷静さをかなぐり捨ててザザに向かって叫んでから、冬留は再びし
ゃがみ込むと。
「……まあ、こういった状況なんで。
……どうするべきか」
困ったような、年相応な表情で香織に問いかけた冬留が、それから少しの間
の後。
ぽつりと。
「こいつ…………見せ物かパシリに使えないかな」
呟いたのだがそれはそれ。
性別:男
性格:沈着冷静でいて他人事に首を突っ込むのが好き。
年齢:15歳
場所:クーロン第七地区・クラノヴァ執政長邸宅~邸宅前
NPC:ザザ
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冬留-2 【異星人交差点】
あの『いかれ帽子屋』の言うとおりの道を通って、出会い頭に年上の女性に
ぶつかった。
「ご、ごめんなさいっ! 前、全然見てなくて!」
ぶつかった拍子に尻餅を着いた女性に咄嗟に手を差し伸べようとして。
先に(彼女も何故か固まっていたが)固まるような台詞を言われた。
「あなた、その格好、もしかして……現代人っ?」
「…はい?」
思わず口から出たのがそれだった。
現代人?
出会い頭になんでこんな質問されなきゃいけな……現代人?
「…え?」
頭の中で彼女の言葉を反芻して、それからその意味に気付いた冬留が僅かに
身を乗り出した時だった。
先程まで冬留の影の中に引っ込んでいたあのザザがまたいきなり飛び出て来
て宙に浮かんだ口で笑うと女性の傍らにいる男性に声を掛けたのだ。
「きゃっ!?」
女性の悲鳴に、“当然の反応だよなこれ”と冬留は思いながら、背後を振り
返って。
「おい、お前俺が呼ばない限り出てこないんじゃなかったのか?
それをさっきも…『いかれ帽子屋』とかいう奴に会った時も勝手に」
「やあ『壊れたら元に戻らない者』!久しぶりジャン!」
「……………また知り合いかよおい」
という冬留の突っ込みはスルーされた。
「これは久しぶりだね『影法師』。その少年は君の玩具?」
「違うジャン。トールはボクの宿主。
サッキ会った『いかれ帽子屋』風に言えば『影法師の王』ダヨ。
でも『いかれ帽子屋』も面白いジャン。イメージ被るとヤだって帽子取って
たジャン!
あれじゃタダの『いかれ屋』ジャン」
「それは確かにその通りだね。
でも…『影法師の王』か」
そこでハーティーは一度冬留の顔を見ると、すぐにザザに視線を戻して。
「随分若い子なのに君のお眼鏡に適うとは珍しい」
「トールは特別ジャン。ボク見てもオドロカナイ。これだけでも及第点ジャ
ン」
(何だか上で奇妙奇天烈な会話が繰り広げられている……)
しかし関わりたくなかったので、冬留は未だ地面にしゃがんだままの女性の
目線に合わせるように自分もしゃがみ込む。
「…えっと。大丈夫ですか? 怪我とか」
「あ…はい。平気です」
「…あー、で。すいません出会い頭に変なの出て来ちゃって。
あいつなんか俺に取り憑いてるっていうか………。
まあ自縛霊かなんかだと思って下さい。
というか他に俺も説明出来ないので」
「……はぁ」
「で、先程の貴方の質問なんですけど…」
そこで一旦言葉を切り、一息つくと。
冬留は香織の瞳を真っ直ぐに見て問いかけた。
「『現代人』の意味はもしかして日本とかカナダとか新宿とかアメリカとかド
イツとかそういうのがある世界の人間ですか? っていう問いに変換して受け
取っていいんでしょうか?」
「は、はい!」
「なら返答はイエスです。現代人というか異世界人ですね。俺。
でもなんで貴方そんな…」
「彼女もまた君と同じだからだよ。『影法師の王』」
「……同じ?」
ザザとの会話に手一杯だと思っていた見知らぬ青年が割り込んできた。
「失礼。僕は『壊れたら元に戻らない者』ハンプティ・ダンプティっていうん
だ。
仲間は“卵”とか“ジョーカー”って呼ぶ人もいるね」
「…仲間ってもしかさっき会った『いかれ帽子屋』とか?」
「そう。ま、長いからハーティーでいいよ。『影法師の王』」
「…とりあえず、俺こっちの女の人に話があるから貴方はザザと話しててくれ
ません?」
「こりゃ失礼」
そう言って再びザザとの会話に戻ったハーティーを一瞥だけして、冬留は香
織に視線を戻す。
「…同じって、同じ異世界人って意味?」
「そうなの…! さっきの単語から判断して貴方も同じ世界の人よね!?」
同じ世界の人間が見つかって安堵したのか、香織が身を乗り出して同意を求
める。
「…そ、そうですけど。
あの……………」
「あ、ごめんなさい。
私西本香織。同じ世界の人に会えたからつい…」
「あ、その気持ちは分かります。俺も来た早々にこいつが出て来て…。
ああ、すいません」
話がまた脱線したので冬留は咄嗟に戻すと。
「改めて、俺は深崎…じゃなかった。
真田、真田冬留。初めまして」
「こちらこそー!」
「で、西本さんは」
「香織でいいわよ」
「じゃあ、香織さんはどうしてこの世界に?」
「それが、気が付いたら…」
「俺は物置の本を開いた途端光って、で気が付いたら此処。
元凶はこれっぽいんですが」
と冬留は疲れたように自分の影から出てきてまだ何か話しているザザを指さ
す。
「『ザザの影法師』、って言うらしいです。
で、俺がその宿主……つまるところが寄生されちゃったんです」
「寄生ってシッツレイだねトール!
もっとドウセイとか安らぎに溢れたコトバで現してヨ」
「同棲の方がよっぽどいやらしいわこの影!」
一瞬だけ冷静さをかなぐり捨ててザザに向かって叫んでから、冬留は再びし
ゃがみ込むと。
「……まあ、こういった状況なんで。
……どうするべきか」
困ったような、年相応な表情で香織に問いかけた冬留が、それから少しの間
の後。
ぽつりと。
「こいつ…………見せ物かパシリに使えないかな」
呟いたのだがそれはそれ。
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