PC:ナユタ
NPC:料理人
場所:どっかの町
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
野イチゴがほしいのだ、と彼はいう。
野イチゴというのは、地面に生えている草みたいなやつに実る、小さくて赤い果実で
ある。
……という認識を、彼女はしている。
「野イチゴを求めています。
ただしクロテの森で採れたものに限ります。
傷みのないものだけ、カゴ1つ分お願いします。
カゴはこちらで用意していますので、私の元へカゴを受け取りに来てください」
依頼をしたのは、町で喫茶店を営む男だった。
野イチゴで新しいスイーツを作りたいのだが、あいにく店を空けて出かけている時間
がなく、ギルドに依頼を持っていったらしい。
産地によって、野イチゴの味は変わるのだろうか?
どこで育とうが、甘ずっぱい、おいしい野イチゴであれば良いのではないのだろうか
?
それを何故、わざわざ産地限定で?
クロテの森の野イチゴに、一体どれだけの価値があるというのか。
「わっかんないわー」
少女というにはちょっとばかり年上で、女というにはちょっとばかり年が足りない感
じの娘は、前髪をいじくった。
ぶちぶち言いながらも彼女がこの依頼を受けたのは、ひとえに危険度が低いからであ
る。
クロテの森にいるのはおとなしい小動物ばかりで、奥に行かない限りはそうそうおっ
かない生き物に出くわす心配がない。
野イチゴの採れる場所は入り口からそう離れていないというから、心配いらないだろ
う。
……まあ、そのぶん、報酬の方ははっきり言って安い。
しかし、その点にさえ目をつぶれば、そこそこ良い仕事ではある。
「贅沢言わないっ。今日の飯代稼げりゃそれで充分!」
娘は片手に持ったカゴを空高く上げた。
ナユタ、19歳。女。
取りあえず今日も生きている。
NPC:料理人
場所:どっかの町
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野イチゴがほしいのだ、と彼はいう。
野イチゴというのは、地面に生えている草みたいなやつに実る、小さくて赤い果実で
ある。
……という認識を、彼女はしている。
「野イチゴを求めています。
ただしクロテの森で採れたものに限ります。
傷みのないものだけ、カゴ1つ分お願いします。
カゴはこちらで用意していますので、私の元へカゴを受け取りに来てください」
依頼をしたのは、町で喫茶店を営む男だった。
野イチゴで新しいスイーツを作りたいのだが、あいにく店を空けて出かけている時間
がなく、ギルドに依頼を持っていったらしい。
産地によって、野イチゴの味は変わるのだろうか?
どこで育とうが、甘ずっぱい、おいしい野イチゴであれば良いのではないのだろうか
?
それを何故、わざわざ産地限定で?
クロテの森の野イチゴに、一体どれだけの価値があるというのか。
「わっかんないわー」
少女というにはちょっとばかり年上で、女というにはちょっとばかり年が足りない感
じの娘は、前髪をいじくった。
ぶちぶち言いながらも彼女がこの依頼を受けたのは、ひとえに危険度が低いからであ
る。
クロテの森にいるのはおとなしい小動物ばかりで、奥に行かない限りはそうそうおっ
かない生き物に出くわす心配がない。
野イチゴの採れる場所は入り口からそう離れていないというから、心配いらないだろ
う。
……まあ、そのぶん、報酬の方ははっきり言って安い。
しかし、その点にさえ目をつぶれば、そこそこ良い仕事ではある。
「贅沢言わないっ。今日の飯代稼げりゃそれで充分!」
娘は片手に持ったカゴを空高く上げた。
ナユタ、19歳。女。
取りあえず今日も生きている。
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